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エアストヴェルト  作者: 工藤準
第四章 奴隷の国
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新しい街の建築

ガレスは両手を地べたに付けて懇願する。

「旅に同行して頂くのは嬉しいけど、ガレスさんにはお願いしたい事があるんだ」

「お願いとは?」

「俺達が旅に出ている間、暫くあの人達のリーダー的な存在になって欲しい」

「私が、ですか?」

「ガレスさんにしか頼れる人がいない」

「…分かりました。私で宜しければ精一杯務めさせていただきます」

「ありがとう」

優一は琴音とティファリアの所に行き、魔物を解体して料理を作ると、三人も食べ始める。

大勢の人達は三人の食欲に驚き、負けずに料理を食べる。

ただの食事が宴会のように賑わい、あっという間に一日が終わった。

翌日。

三人は人を集めて、旅に出る事を告げる。

「そんな、私達にはあなた方がいないと困ります」

「お願いします。私達を置いて行かないでください」

集まった人達が騒ぎ始める。

「落ち着いてください。私達はすぐには旅に出ません」

「貴方達が最低限、生活できる環境が整うまで私達もここにいます」

「俺達が旅に出たら暫くの間はこちらの方に貴方達のまとめ役していただきます」

ガレスは集まった人達の前に出ると自己紹介をする。

「初めまして、私はガレスと申します。皆さんと同様に私も奴隷として売られる身の所をこちらの方達に助けていただきました。これから皆さんのまとめ役として、騎士として守っていきたいと思います」

ガレスが挨拶を終えると拍手が鳴り響く。

「ガレスさん!よろしくお願いします」

「ガレスって、あのソルティス王国で名高かった剣豪ガレス!」

賑やかになってきた人たちの注目を戻すために優一は手を叩く。

「それじゃあ皆には、これから自分たちが暮らす家を作ってもらう。誰かこの中で建築業に携わった人はいるか?」

すると、数人の男達が名乗り出る。

「よし!じゃあ、君たち五人を中心にグループ分けをする」

「女性陣は私に付いて来てください!力仕事は男性陣に任せて私達は軽作業をします」

琴音は女性陣のまとめ役を担った。

ティファリアは優一に同行し近くの森で木を調達した。

木材は調達し終えると、優一は半壊した建物とは別に、空いてる土地を掘り、建築経験者が魔法で作ったセメント系固化材を流し込む。

建築経験者たちは魔法を器用に使い建物を建てるきそをあっという間に作り終えると作業が止まる。

「優一様、申し訳ございませんが、材料で一つ欠かせない物がありまして・・・」

「釘や工具のことか?」

「いえ、木材刻みを組み立てる時に必要なヤマタイトナメクジが分泌する粘着液とそれを塗るビッグキング蜘蛛の糸から作られた刷毛(はけ)が必要でして・・・」

(よく分からんが、この世界の建築は俺の居た世界とは、だいぶ変わってるな)

「じゃあ、その魔物を討伐して持って帰ればいいのだな!」

「はい!ぜひお願いします」

(そういえば、ソルト街からエアストヴェルトの境界に向かうときに見つけた洞窟に、ミティシアがそう言った魔物がおると言ってたな)

「よし!琴音、ティファリア二体の魔物を捕まえに行くぞ!」

二人はまるで聞こえてないかのように無視をする。

「二人共!!ヤマタイトナメクジとビッグキング蜘蛛を捕まえにいくぞ!!」

「「嫌です」」

二人はきっぱり断ると、優一から少しずつ距離をとる。

「あんな気持ち悪いの、触りたくありません!見たくありません!!」

「私、蜘蛛やナメクジ見ると蕁麻疹(じんましん)が出るんです」

「そんなの聞いたことがないぞ!」

優一は二人を捕まえると、抱えたまま目的地の洞窟まで飛んでいくのだった。

「「いやあぁぁぁぁーー!!」」

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