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エアストヴェルト  作者: 工藤準
第一章 異世界転移
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 異世界転移 

気を失った二人は、転移によって本や服などが散乱した部屋の中で倒れていた。

先に目を覚ました優一は起き上がると辺りを見渡す。

「琴音!?」

意識がハッキリした優一は、横で倒れている琴音の顔を触り安否確認をする。

よかった・・・寝てるだけのようだな。それに、さっきの光は・・・一体何だったんだ?

優一は琴音を抱えてベッドに寝かせ窓の方を見ると、窓から見える景色がいつもと違う事に気付いた。

いつも窓からは見える近所の家はなく、そこには沢山の木々が生えていた。

茫然と窓のから見える景色を見ていた優一は、一階の玄関からドアをノックする音に気が付く。

「こんな所に誰か居るのか?」

優一は一階に降りて玄関の覗き穴から外を確認する。

玄関の前には小柄で白いローブ着た人物がフードを被って立っていた。

優一は玄関のチェーンロックを付けてドアを開ける。

「え~と、どちら様ですか?」

謎の人物はローブのフードを外す。明るい茶髪セミロングが風になびき、澄んだ碧眼で

気品らしさを感じる少女は律儀に名乗った。

「私はティファリアと申します」

名前からして外国人の人かな?

優一は危ない人ではなさそうと確認するとチェーンロックを外し玄関を開ける。

「・・・え~と、良かったら中に入って話さない?」

優一は立ち話も何だしと思い、ティファリアを家に招き入れる。

ティファリアは優一の靴を脱ぐ行動を見て、それを真似するように靴を脱いで綺麗に並べて優一に付いて行く。

リビングに案内されたティファリアはローブを脱ぎ、綺麗に畳むとソファーに腰を掛けた。

「ちょっと待ってね。何か飲み物を入れてくるから」

「お構いなく」

優一は温かい紅茶を入れるため台所に向かいながらティファリアの腰辺りから見えた尻尾について考えてた。

あれは尻尾だよな?動いてるし…それに…コスプレで付けてるようにも見えなかった。

優一はマグカップと紅茶パックを用意して電気ポットに水道水を入れようとするが水道水が出ず諦めて、冷蔵庫にある酒用で買っていた天然水を電気ポットに入れてお湯を沸かす。

「水道は使えないが電機は使えるみたいだな」

お湯が沸くと優一はマグカップに注いで紅茶を作りティファリアに出す。

「ありがとうございます」

丁寧に礼を言いティファリアは紅茶を一口飲む。

「美味しいです!」

「そういえば自己紹介してなかったな。俺は真藤優一。よろしくな」

「家に入れてくださり・・・紅茶まで出して頂いてありがとうございます優一さん」

ティファリアが尻尾を振りながら紅茶を飲む姿を優一は凝視していた。

「ティファリアちゃん・・その尻尾は本物?」

「はい。私は(ユマン)獣人(ベスティア)のハーフです」

・・・・・・・

「ユマン?ベスティア?」

優一はこの子何を言っているの?という目でティファリアを見る。

「ユマンは普通の人種でベスティアは普通の人と違って耳と尻尾が特徴的です」

「あ~なるほど」

この子が言っている事が本当なら、ここは異世界って事になる。でも・・嘘を付いてるとは思えない。

優一は思考を巡らしながらティファリアに近寄り尻尾を触る。するとティファリアはビクッとする。

「きゃっ!急に尻尾を触るのは辞めてください!!」

ティファリアは赤面な顔をして優一に怒る。

「す、すまん!」

気を取り直して、優一はティファリアと対面にソファーに座る。

「ここは何処なのか教えてくれる?」。

「ここはお二人が居た世界とは違う世界、オールワールドと言います。お二人をこの世界に召喚したのは私です」

優一は驚く。異世界に召喚された事もだが、この家に住んでいるのが二人だと気が付いたからだ。靴を見て二人住んでいると判断したのならそれは難しい。

何故なら玄関には俺と琴音の靴が何足もあり、靴の種類によってサイズが少し異なっているからだ。だから二人とは断定できない。だがティファリアは二人を召喚したと断言した。

「なるほど…それで…何でこの家に二人しかいないと分かった?」

「いえ。最初は私も一人だと思っていました。ですがドアを開けられたのは優一さんだったので驚きました」

「俺に驚いた?」

「はい。私は魔力や気を感知する能力があります。ですが、この家からは魔力が一つしか感じられなかったのですけど、ドアを開けたのが気も魔力も全く感じない優一さんだったので…」

優一は頑張って話を理解していたが、いよいよ理解出来ないようになり頭を抱えた。

「ちょっと待ってくれ!琴音に魔力があるだと?俺達の世界ではそんな力は空想上であって誰もそんな力秘めてないぞ!」

「そうなのですね。ですが琴音さんが魔力を秘めているのは事実です」

優一は少し沈黙するとため息をつき冷静になる。

「それで俺達をこの世界に召喚した理由を教えて貰ってもいいかな?」

だいたい予想は付いていた優一はティファリアに問う。

おそらく、世界が魔王に寄って危機に陥っているとかそう言う類だろう

「この世界の人々は魔王と国々の戦争によって苦しんでいます。食料が無く飢え死にする人々・国が崩壊して奴隷として売られる人々・無理やり戦争に駆り出される人々。お願いします…この世界を救うのに手を貸してください!」

ティファリアは長話なく、重要な所だけを分かりやすく説明をすると頭を下げる。

「お願いします」

「顔を上げてくれ!力になってあげたいが俺には魔力と言った力はない。戦争で誰かを助ける前に自分を守る…琴音を守る事すら出来ない」

「力を手に入れる方法はあります」

そう言うと、ティファリアは立ち上がり畳んだローブのポケットから黄金の玉と白銀の玉を二つ取り出す。

二つの玉の中には、それぞれ黄金の光と白銀の光が小さく光を保っていた。

「この水晶球に触れて気に選ばれし者は、その者の身体に宿り力を得る事が出来ます」

「気とは?」

「気は魔力と違い身体の身体能力を格段に上げる事が出来ます!」

「な、なるほど…」

優一は恐る恐るテーブルに置かれた白銀の光を帯びている玉に触れると、白銀の玉は光を増して玉から飛び出ると優一の身体へと入って行く。

光は優一の身体に完全に入り込むと玉の輝きは消え、ただのガラス玉へとなった。

「これは!?」

「気が優一さんに宿りました!」

「そ、そうか・・・」

(実感は湧かないが、これで俺も秘めたる力を使えるって事か?)

優一は身体を見渡すも特に変化はなく実感が出来ずにいた。

すると、もう一つの黄金の光を帯びている玉がいきなり眩い光を放ちだすと玉から抜け出す。

「なんだ!?」

「えっ!?」


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