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0007 メイド荘の由来

ほんとほんと、いつも誤字脱字の報告をありがとうございます。

めっちゃありがたいです。

朝起きた時、目の前にジャージ姿の赤毛ヤンキーJKが浮かんでいる事に慣れてきた自分に驚く。

引っ越してきて、まだ数日しかたってないのに。


そして

目の前の幽霊よりも気になっていることがある。


なぜここはメイド荘という名前なのだろうか。

たしかに、お隣さんの怨田メイ子さんはいつ見てもメイド服だ。

101号室に住んでるし、メイコさんが大家さんか管理人さんかもしれない。


その意味で、確かに多少はメイド要素がある。


だがメイド荘というには、それだけでは少し弱い気もする。


うーん、どういう経緯でメイド荘という名前になったか気になる。

気になるが、聞く相手がいない。


いや居た!

目の前に浮かんでいるコヤツ。

こいつなら、何か知っているかもしれない。


だがその前に・・・

おれはいつも通り朝食の用意を始める。

腹減った。


今日の朝食は、なんと素麺。

朝から素麺である。


お湯を沸かして素麺をゆでつつ、ネギやミョウガなどの薬味を用意。

さらにシーチキンの缶を開けた。


はい完成。


素麺は水でゆすいだ後、さっと皿に盛る。

二人分。3束ゆでたから問題ないはずだ。


それを食卓に配膳するために振り返ると、ユウ美は制服に着替え終わってファミコンをしていた。


この現象は「ゲームポルターガイスト」。そう名付けてある。


ゲームがひと段落したら、ユウ美が楽しそうに振り返った。


『なんだ今日の朝飯は素麺かよクソが。毎朝メニューが毎日変わるのは飽きが来なくて良いじゃねえかボケェ。』


嬉しそうに笑ってるのに「クソ」とか「ボケ」とか語尾につけないと喋れないのだろうか・・・

うさ耳の人が語尾に「ぴょん」ってつける感覚かな?


まあいいや。なんか慣れた。


「いただきます。」

『いただきます!』


ユウ美は薬味を麺つゆにガツガツ入れた後、シーチキンも大量に入れる。

その麺つゆに素麺をつけると、美味そうに吸い込んだ。


『おいおい、素麺にシーチキンってどうかと思ったけどよ、すごく合うじゃねーかゴラァ』


はいはい、良かったね。

おれも麺つゆに薬味やシーチキンを入れて、そこに素麺をつけて食べる。


「うん、うまい。簡単お手軽なのにそこそこ満足感がある。やっぱ素麺にはシーチキンだ。」


二人で素麺をツルツル食べた。


全て食べ終わると、ユウ美が箸を離さず、どこか物足りなさそうな顔。


『もう少し食べたい気分だぜ。シーチキンがあると素麺うまいなアフォが。』


ちら


そんな目でこっちを見ても終わりです。

大体お前は食べ物必要ないだろう。

我がまま言うんじゃありません!


「はい、ごちそうさま」

『ケチが・・・ごちそうさま。』


未練があるようだが、素直に合唱してごちそうさまするのは感心した。

ヤンキーな見た目なくせに、基本素直なんだよな。


さて、食事も済んだし活動しようかな。

俺が立ち上がると、ゲームに手を伸ばしかけていたユウ美が不思議そうに見上げる。


『どっか行くのか?ゲームやらねぇのかよボケカス。』


「さーて、今日はメイド荘の由来でも調べようかな。それさえわかればゲームして過ごせるんだけどなー。」


『メイド荘の由来?そういえば大家のメイ子さんが教えてくれたことあったなあ。』


そこ詳しく!

やっぱりメイ子さんがメイド姿だから?


期待する目で見つめてしまうと見えていることがバレてしまうので、俺はグッとこぶしを握って天井を見つめる。


『たしか、怨霊があふれかえる「冥途の口」っていう池があって、そこを高名な呪い師が封印して埋め立てたのがココらしいんだよ。それにちなんでメイド荘ってしたらしいぞゴラァ。』


ふーん、そうかあ。


・・・少し頭のなかで今の内容を咀嚼する。


うんうん、なるほどなるほど。

あー、そうきましたか。


「使用人じゃなくて霊界の方の冥途かよ!騙された!メイ子さんのメイド服に騙された!」


俺は聞いた事を後悔した。

世の中には知らない方が良い事も多い。

メイド荘の由来もそのうちの一つだろう。


ユウ美の話が本当なら納得がいくことがある。

ここが心霊的に強力なスポットであり、ユウ美が幽霊として強力な存在でいられるのは納得だ。

この「冥途の口」を陣取る事は、そのまま幽霊にとってパワーアップにつながるに違いない。


嫌な秘密にたどり着いてしまった。


うん、これは気分転換が必要だ。

黙ってユウ美の隣に座って2P用のコントローラを手にした。

ゲームでもしてリフレッシュが必要なのだ。


『お、やる気になったかボケ。先に全滅するんじゃねーぞクソが。』


ユウ美が2人プレイを選択してゲームスタート。


ぴぴっぽ

ぴぴっぽ

ぴぴっぽ

でゅいでゅいでゅい

ばいーん

ばいーん


お、久しぶりにやると意外とは面白いな。


ゲームに集中していると、急に後ろから声がかかる。


「まあ、テレビゲームですか?私も混ぜてもらいたいですねえ。」


びくっ!


驚いて振り返った。


そこには眼鏡をかけた涼しげな美人。

メイド服のメイ子さんが正座していた。


「うわ、びっくりしました。いつからそこに?」


「ふふふ、先ほど阿多野さんが『メイ子さんのメイド服に騙された!』というあたりからです。いきなり隣の部屋で私の名前が叫ばれましたので、気になって見に来ました。」


「そ、それは申し訳ないです・・・。」

ですよねー。木造アパートで叫んだら、隣の部屋に聞こえますよね~

すんません。


『お、メイ子さんいらっしゃい。』


「お邪魔しています、ユウ美ちゃん。」


ナチュラルにユウ美と会話するメイ子さん。

まあ、そこはもういい。スルーしよう。


俺は軽く深呼吸。

で、なんでメイ子さんは当たり前のようにここに入ってこれたんだ?

鍵かけて寝たはずなのに。


あ、っそうか大家さんだからだ。

だから鍵を開けて入ってこれたんだ。

俺的納得完了。


「あ、メイコさんもやります?」


気持ちの切り替えができたのでゲームにお誘い。


「はい、ぜひやらせてください。やってみたかったんです!」


すっげ目をキラキラさせて俺を見る。

まあ、俺もどうしてもやりたいわけではないんで、俺のコントローラーをメイ子さんに渡す。


「どうぞ。やり方わかります?」


「恥ずかしながら全くわかりません。横から教えていただけますか?」


「はい、よろこんで。」


メイ子さんはコントローラーをぶんぶん動かしながら「キャアキャア」いって楽しんでいる。

俺はその横でアドバイスをしたんだが、これはこれで充分楽しめるな。


部屋に女性が居て、一緒にゲームするの楽しい。

そんなことを思いながらしばらくゲームを続けた。


3時間後


メイ子さんは時計を見て驚く。


「まあ、もうこんな時間。お昼の用意をしなくちゃ。長々居座ってしまってすいませんでした。」


「大丈夫ですよ。どのみちゲームをして過ごす予定でしたから。ゲームは楽しかったですか?」


するとメイ子さんは恥ずかしそうに、

「はい、とっても。またゲームやらせていたでけると嬉しいです。」


おれは最高の笑顔で返した。

「いつでもどうぞ。」


メイ子さんは立ち上がり、外に出るドアに向かうが、何かを思い出したような表情になり振り返る。


「あ、ついでなのでこのメイド荘の特徴の補足をしておきましょうか。」


「補足?」


「話の流れから推理しますと、このメイド荘の成り立ちをユウ美ちゃっから聞いていたんですよね。」


「えっと、それは・・・もごもご。」


「で、ここに幽霊が多い理由は分かったのではと思います。ですがご安心ください。ここの幽霊たちは基本的に無害ですから。幽霊を怖がってすぐに退去される方が多いのですが、暮らしてみればここの幽霊の善良さが分かると思うんです。」


俺はちらっとユウ美を見て頷く。


「はい、俺はココの幽霊はそれほど悪いのはいないと思います。俺は全く幽霊を信じていませんが。」


「ふふふ、それを聞けて安心しました。末永く住んでくださるとうれしいです。では失礼いたします。」


微笑むと、メイ子さんは俺の部屋のドアの内カギを外して外に出て行った。


それにしても、メイ子さんは『ここの幽霊たち』という言い方をしていた。

という事は、ユウ美以外にも幽霊が居るのか?

そういえば、ユウ美も前に「メイド荘の幽霊はみんな強いから魔除けはいらない」みたいなこと言ってた気がする。


やだなあ。

他の幽霊とかいたら嫌だな。

遭遇しないことを祈りながら生活しなければ。


そんなことを思いながら、お昼の用意をすることにした。


俺が台所に立つと、ユウ美が飛んできた。


『豪気!お昼は素麺にしろよゴラァ。シーチキンのやつにしろクソが。あと量は朝より多くしろボケェ。』


言葉は威嚇調だが、ユウ美の表情は無邪気な子供のみたい。

この表情を見る限り、ここの幽霊が善良なのは間違いないと思った。


そして素麺を4束鍋に入れた。


次回、霊能力対決。

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