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更年期障害の話

動悸や立ち眩み 冷え逆上せ イライラとくれば

更年期障害の症状に良く似ている。梅山は50代

だから、まさしく閉経後のホルモンバランスが

崩れる更年期障害にピッタリと当てはまる。

「梅山様 急に汗がふきでたり、反対に手足が冷たく

思われる事はありませんか」 「ある 1日の内で

暑くなったり寒くなったり、頭や肩が重うてな」

「そうでしょう」と チサの顔は明るくなる。

「梅山様 私が知っている限りこの病は必ず治ります。

 友人の母御が同じような様子でございました。

 月の障りがなくなり始めた頃から、頭痛や腰痛

 肩凝り等の他 先程 梅山様がおっしゃられたような

 事があった腰痛なのですが、半年位 用心すれば

 徐々に良くなる病なのです。体を動かす事も良いの

 ですよ。天気後良い日にはお庭に出て2回 3回と

 巡り歩くと良いでしょう。お食事も何回かに分けて

 召し上がってはいかがでしょうか」

「そのようにしたら この重苦しい身が軽くなるのか」

「はい すぐにとは申しませんが、少しづつ、、、

 絵や書を書くのも気晴らしにはいいでしょう。友人の

 母御は絵を習いに行って随分 明るくなったと聞いて

 います」 「自信は無いが絵なれば書いて見ようかと思う」

「それは楽しみ 梅山様の絵が見とうございます」

「手始めに花など書いて見ようかの」と 梅山はすっかり

乗り気になっている。心なしか頬に朱みが出て声も強く

なってきた。そんな様子を部屋子達は嬉しそうに頷いて

チサに感謝の面持ち 「そなたの声に励まされたわ。

もう床払いを致そう。これ 髪を整えてたもれ」と

急に元気な素振り。 「梅山様 あまり無理はなさい

ませぬよう。でも 髪を整え化粧をほどこすのはとても

 良いこと 気分が晴れますよ。宜しければ私にさせて

 下さいな」と チサは化粧台の前に座る。

「そんな事をおチサ様に、、、私共にお任せ下さい」と

部屋子の一人が進み出る。チサ達がこの部屋にいた頃

にはいなかった新顔の娘だった。

「いいのですよ。私がこの部屋にいた頃は旦那様には

 どれだけ心配をかけたか、、、今 その万分の一でも

 孝行がしたいのです」 しんみり言って鏡台の白粉を

手にとり少量づつ丁寧にのばしてゆく。眉を形良く整え

はっきりと引き 紅は少し薄くのばして唇におくと

見違えるほど若返って見えた。くすんだ顔色も化粧する

事によって晴れやかになる。


続く。

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