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伊豆守と絹物談義

この事は家光を通じてすぐに伊豆守に伝えられ絵師に

書かせるように命じられた。命じられた絵師 狩野探幽

も困ってしまう。悲しいかなそんな小さな絵本に

するような絵を書いた事は無い。そこで一番若い弟子に

ニの丸へ実物を見に行かせると、その弟子は興奮気味に

その手法を語り、すぐさま2日がかりで作り上げた。

もちろん 絵の心得のある者 チサの書いた物より

もっと緻密な美しい作品が出来上がり家光を満足させる。

彼はそれをチサに見せ、どうだと言わんばかりの自慢顔

するとチサも負けじと今度は、人間の面白い様を

風刺漫画風に書いて見せると家光は大笑い。

またそれを絵師達に廻す。絵師は気づいた、この絵本を

書くには緻密な絵よりも単純な線で描く線画の方が

良いということ。そうして何よりユーモアのセンスが

いる事など、、、こうして若い弟子達の腕は上がり

長く家光や奥女中達を楽しませた。

また それは江戸の町にも流れてゆき、

いっそう軽妙洒脱な作品がたくさん出来、後には職業

にする者もっと出て来た。

その年の秋9月半ば重陽の節句があった。

この日は御対面所の上段に将軍が座り、続く下段

ニの間 三の間にはお目見え以上の奥女中達が居並び

一同へは白木の三方に紅白の重ね丸餅と、菊花一枝を

添えた物を賜る。家光は黄色の菊の花を浮かべた祝杯

をお万の方の手から受け、にこやかに口に運ぶ。

その後 お年寄りはじめチサ達一同にも料理や酒が

出される。そうしてこの日は奥女中達の一大イベントの

始まる日でもあった。


続く。

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