第二話
ロゼリィが大泣きしてる頃
「はぁ……はぁ……はぁ……」
森の中には五歳になったばかりの少年、そしてその周りには数十体の狼のような魔物の死体があった。
「ただでは……死んで……やるもんか!」
又一体の狼を切った、もう何体殺したかも覚えてない。ただ生きるために剣を振るっていた。
「でも………もうダメかも……」
狼がロアに飛びかかったその瞬間幼き身体から鮮血が舞う。
僕は……死ぬのかな、いや、死ねば、死んだ方が僕の家にとっては…。
と待ってみても痛みはない。
だが、そこでロアの意識が切れた。
「こんな小さな子がどうしてこんな所に、とりあえず応急処置して今日は夜が明けるまで待ってから帰りましょうか。ここで転移してはこの子の身体が持ちませんしね。」
ローブ被り顔を隠した怪しげな、だが優しげな表情の男が言う。
そうして慣れた感じで治療し、少年を寝かせる。
朝になり目をひらくとそこにはローブを着て顔を隠した怪しげな男が立っていた。
「少年、何故こんなところにいるのですか?」
「僕は狼の魔物に襲われ死んで、いや、生きている……まずは、ありがとうございます。そして……あなたは盗賊ですよね?」
ピクっと一瞬反応したがすぐに取り直し
「!!……何故です?」
「匂いがするんだ…」
「勘ですか……?じゃあ少年、私は何を盗ったと思いますか?」
「……書物でしょう。もし金品を盗ってもそれは自分のためじゃない。だから僕はあなたは盗賊でもただの盗賊じゃないと思うんだ。」
「ふむ。何故ですか?」
「金品だけを盗るような悪党なら僕を助けはしない。」
「ふむ、そうですね。剣術もそこそこ、頭も切れる。少年、私の家に来てください。」
「僕を……何故……?」
「私は盗賊という商売でしょう?そのため敵が多いのですが……私には妻がいます。危険ですから護衛のような人が欲しかった、それだけですよ。」
「だからって何故僕を……?」
「私達の間には子どもがいないんです……つまり、私の子になってはくれませんか?」
ロアは涙を流した。
自分は望まれていない子だったから…。
自分はいらない子だったから…。
自分は捨てられたから…。
どうやらこの5年の間に悲観的な考え方が根付いてしまった事に自嘲的な笑いを浮かべた後に
「ありがとう…ありがとうございます。」
と答え、続けて
「僕の名前はロア・ラ…ロアです。」
ライト家の家名は捨てたんだと思い直す。
「それは良かった……私の名前はフロウです。フロウ・ロロティア。君の言った通り、盗賊です。」
「フロウ・ロロティア?義賊ロロティアは世界的な大盗賊じゃないですか!」
「ああ……はい、世間的にはそう呼ばれていますね……詳しい話は家でしましょう。君は私の息子になるんですから!」
そういうとロロティアはパチンっと指を鳴らした。