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50.ダンジョン(2)

「ふん!」


俺の一太刀で敵は粒となって消える。


背後に巡らせた雷魔法のお陰で危険な目には合わずに、15Fを突破した。


だが、流石に数が多くなりすぎて一人ではキツくなってきていた。


15Fを突破した時には既に12時間が経過していたので、今日のところは15Fのセーフティーエリアで休むことにした。


セーフティーエリアには、70人ぐらいの冒険者がいたが、その中で一人でいたのは俺だけだった。


やはり、みんなパーティーを組んでいるだな。


てか、ダンジョンで一夜を過ごすってのも普通なんだな。


転送システムでも有れば違うんだろうが、そんな便利なものはないようだ。


やっぱ現実は厳しいのか。


さて今何個魔石を取れたのだろう。


確認してみると、53個だった。


ここに来るまでに500ぐらいは魔物を倒したのだが、浅い階層じゃこんなもんか。


今日は疲れたし、さっさと寝るか。




次の日、起きるとごつごつしたとこで寝たので体の節々が少し痛かった。


次からは16Fに挑む。


魔石のドロップ率は20%である。


16Fからはニードルラビット、ワーウルフ、ソルジャースピア、ソルジャーアントが中心的に出てくる。


どの魔物も単体ではDやCランクだが、群れをなして行動する魔物ばかりであり、群れを相手にするときのランクはBかAとグッと上がる。


それだけ、厄介な相手というわけだ。


外でさえ、その数には手こずるのに、ここはいくら倒しても復活してくるダンジョンであり、数も多い。


苦戦することは必須だろう。


セーフティーエリアを離れて2分、俺の前に現れたのは6体のソルジャーアント。


ソルジャーアントは歩行型の蟻の戦士で、槍を武器としている。


基本、巣から離れるときは5体以上で行動するらしい。


そして、敵に遭遇したとき、敵を強者だと判断すると1体が仲間に増援を求めに行く性質がある。


このソルジャーアントは、俺を見るなり1体が反対側に逃げ、残りの5体が俺を足止めしようと向かってきた。


仲間を呼ばれるのは面倒だ。


「サンダーガン。」


人差し指から小さな雷の球を作り、それを助けを求め逃げてったソルジャーアントに向けて放った。


物凄い早さで発射された球は5体の隙間をすり抜け、胸を貫いた。


5体は通り抜けた球を追うように後ろを振り返り、仲間が死んだのを確認した。


もう助けが来ないことと、助けを呼びに行くことが出来ないことを悟ったソルジャーアントは勢いよく向かってきた。


そんなソルジャーアントに対し、投げナイフを用いて5体とも倒した。


ダンジョンで戦っていくうちに、剣で斬り殺すより、投げナイフの方が疲れないし効率的だと気づき、中距離の敵にはそうするようにしている。


弓矢の方が得意なのだが、投げナイフの方が速い。


投げナイフと魔石を拾い、さらに奥へと進んだ。


時々休憩をしながら、6時間ぐらいで20Fに到着した。


20Fの最後にはセーフティーエリアがあるので、そこまで急いでいこうとするとだが、扉がその行く手を阻んだ。


「こんな扉今までなかったぞ。」


これは、あれか、ボス戦みたいなことか。


なにが出てくることやら。


俺は気を引き締めて、扉を押した。


中に入ると扉は勝手に閉まった。


そこに広がるのは、縦横100mぐらいはありそうな広場。


奥には、セーフティーエリアに繋がっているであろう通路が見える。


だが、それまでの道を黒い影が埋め尽くしている。


そして、ひときわ大きな黒い影が1つ。


それはソルジャーアントの大群だった。


その数なんと50。


そして、中央には他のソルジャーアントよりも大きな者がいる。


頭には王冠を被っており、ソルジャーアントはその者を守っているかのようだ。


そいつの名はソルジャーアントクイーン。


ソルジャーアントの女王である。


ソルジャーアントの大群全てが一斉に俺の方を向いた。


その光景――気持ち悪さに圧倒された。


この戦いは、一見すべてのソルジャーアントを殺さないといけないように思えるが、実は1体を倒すだけでいい。


ソルジャーアントクイーンを倒せばこの戦いは終わる。


実は、クイーンはソルジャーアントよりも弱い。


その強さはゴブリン程度だ。


しかし、頭はキレる。


多くのソルジャーアントを統率しているのだから、頭が良くない訳がない。


言うなればクイーンは王であり軍師なのだ。


外ではクイーンを倒せば、ソルジャーアントは統率力を失い、簡単に倒せるようになる。


だが、ここダンジョンではクイーンを倒せば、ソルジャーアントも死ぬよう設定されている。


10~20の適正ランクはCランク。


この大群をCランクの1パーティーだけでは、全滅するのが目に見えている。


でも、Cランクの冒険者でも、クイーンだけを倒せれば20Fを突破することは可能なのだ。


普通のパーティーなら、弓職が狙うのだろうが俺には魔法がある。


ぶっちゃけ、ソルジャーアントの大群を全滅させることは簡単なのだが、面倒なのでやめておく。


俺を認識したソルジャーアントの大群が俺に押し寄せようとする中、魔法を放った。


「サンダーガン。」


魔力をあまり使わないわりに、攻撃力の高い魔法を使用し、頭1つ分飛び出ているクイーンの頭を狙った。


「な!」


その瞬間、ソルジャーアントが予想していなかった行動を取った。


サンダーガンの軌道上にいる10体のソルジャーアントがジャンプをし、サンダーガンを受け止めようとしたのだ。


そこまで力を注いでいなかったサンダーガンだが、その貫通力は凄まじい。


8体のソルジャーアントの胴体を突き破ったが、9体目で止まってしまった。


まさか、我が身を犠牲にして守るとは。


恐るべき忠誠心だな。


てか、これC級冒険者太刀打ちできるのか?


弓でクイーン狙っても、ソルジャーアントが盾となって防ぐのならば厳しいと思うのだが。


まあいい、それならそれでやり方はある。


「サンダーガン。」


もう一度放つと、さっきと同じように数体のソルジャーアントが我が身を投げ出す。


俺は1体目のソルジャーアントに当たる前に、人差し指を上に向ける。


すると雷の球が上に軌道を変える。


特訓の末に、放った後の魔法をコントロールすることが出来るようになっていた。


雷球をクイーンの真上まで、移動させるとそのまま落下させた。


ソルジャーアントはなすすべもなく、クイーンが絶命するのを見ていることしか出来なかった。


クイーンが絶命すると同時に、おびただしい数のソルジャーアントも粒となって消えた。


「ふう、終わったか。」


ソルジャーアントの魔石を集める。


クイーンからのドロップは、良質な魔石とクイーンの王冠、そして、クイーンのフェロモンが原料の香水だった。


クイーンの香水は、男を魅了する匂い――フェロモンを出すので貴族の女性に人気があるみたいだ。


中々、採れるものではないので高値で売れる。


20階層のボス部屋の次産間隔(インターバル)は、1週間。


それまでは、ここは素通りできる空間となる。


流石に6時間も戦ってると、体力的にも精神的にも疲れるな。


さっさと、セーフティーエリアに行って休むか。

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