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40.白熱電球

「えー、取り敢えず酸素については分かったと思います。次は炭素について教えたいと思います。」


炭素は、白熱電球のフィラメントという光る部分に使われている。


だから、教えておかなければならない。


「炭素は空気中に、酸素2個とくっついており、二酸化炭素として存在しています。」


「わお!まさかの三角関係!」


俺は、リルさんの妄想を無視しながら説明を続けていく。


「先程、呼吸に酸素を使っていると言いましたが、炭素も関わっています。私達は、呼吸するときに酸素を取り込み、二酸化炭素を空気中に吐いているのです。」


「はい、質問です!二酸化炭素って良いものなんですか?」


「動物にとってはあまり良いものとは言えないですね。二酸化炭素が、空気中に多くなると気温が高くなって、住みにくくなりますし、二酸化炭素を吸いすぎると死んでしまいます。」


詳しく説明する必要はないので、簡単に説明する。


「やはり、三角関係と同じく二酸化炭素も良くないのですね。」


何でこの人は、いちいちそっちに結びたがるのだろうか。


「ですが、植物にとっては二酸化炭素は良いものとも言えるんです。植物は、私達とは逆で二酸化炭素を吸って、酸素を吐いているのです。」


元の世界でも、人類が発展してきた時代は植物にとっては住みづらい時代だった。


なぜなら、二酸化炭素濃度が低すぎるからだ。


植物は、気孔と呼ばれる場所を開けて呼吸をしている。


気孔とは、人間で言うならば口である。


考えてほしいのだが、人間が口をずっと開けているとどうなるだろうか。


結果は口の中が乾いてくる。


つまり、水分が空気中に飛ばされているのだ。


植物もこれと一緒で、気孔を開けると水分が飛んでいってしまう。


だから、植物としてはあまり気孔を開けたくはないのだ。


植物が水を必要とする一番の理由がこれなのである。


ということは、二酸化炭素濃度高ければ、植物は1回で取り入れられる二酸化炭素が多くなり、気孔を開ける回数が減るので、植物としては住みやすいのである。


そして、人類が存在していないぐらいの時は、二酸化炭素濃度高かったので植物は住みやすかった。


だから、二酸化炭素は植物にとっては良いものと言える。


まあ、今では植物も進化してきて、効率良く二酸化炭素を取り入れることが出来るようになったり、必要な炭素の量が少なくなったりしてきているのだが。


「なるほど、そういうマニアな人もいるってことですね。」


もう、リルさんのこれにも慣れてきたので、普通にスルーする。


「そうです。ここで、疑問に思いませんか?植物が二酸化炭素を吸って酸素を出すのなら、炭素はどこにいったのでしょうか?」


「植物が取り込んでいるんですね!」


「はい。そして、その炭素こそがリルさんの研究を完成させるのに最も大切な元素なのです。」


「どういうことですか!?」


この人、核心に迫ると急に真剣になるな。


「炭素は熱を持つと、光る性質があります。身近な例で挙げると、木炭ですね。実はあれ、炭素の塊なんです。」


「――木炭をどのように使うのですか?あのままだと、家の中で持ち運び出来ませんよね?それに、光らせるには火をつけないといけないわけだし、家で使えるとは思えませんが……。」


「何も、熱を持っているのは火だけでは無いんですよ。」


俺は手のひらを上に向け、小さな雷魔法を出す。


「これも熱を持っているんですよ。」


「電気ですか!?確かに、雷が木に落ちると火が点いたりしますもんね!」


「そうです。では、実験してみましよう。」


魔法のバッグから、エイグルに作らせ銅を細くして作った銅線紛いの物と、買っておいた木炭、そして俺が雷魔法を込めた魔石を取り出した。


大きい木炭だと、光まで時間が掛かるので粉々にして、丁度いい細さになった物を選ぶ。


それを、銅線に繋ぎ、銅線を魔石に繋ぐ。


暫くすると、木炭が赤くなり始め光だした。


「あ、光だしましたよ!」


リルさんが興奮した声を出す。


だか、光を発してから2分後には木炭がポキリと折れてしまった。


「まあ、最初はこんなものでしょう。」


「はい!質問です!どうして、電気は熱を持っているのですか?」


「いい質問ですね。電気は、電子というもので成り立っています。電気を流すということは、電子を流しているということなのです。そして、電子はこの銅線の中を移動し、木炭の中を移動し、今度はもうひとつの方の銅線の中を移動するというような動きをしています。この時、電子が移動中に炭素とぶつかり合っていて、この時の摩擦によって熱を発しているのです。」


まあ、厳密には摩擦と言わないみたいだが、こっちの方が分かりやすい。


「摩擦って何ですか?」


そうか、摩擦という言葉自体がないのか。


「摩擦とはこういうものですよ。」


そう言って、左手でリルさんの手首を握り、右手で腕を高速で擦った。


「熱!なにするんですか!?」


「これが摩擦熱ですよ。」


さて、軽いイタズラも済んだことことだし、今後のことを考えないとな。


まず、これからの課題は光る時間を長くすることなんだけど、問題は電池だ。


もちろん、この世界には電池など有るわけ無いのだが、問題なのは作るのに必要な亜鉛が何処から取れるのか、どういった見た目や性質なのかが全然分からないのだ。


多分、亜鉛は存在してはいるだろうけど、この世界では亜鉛と呼ばれていないかもしれない。


地道に一個一個試して行けば、見つかるのかもしれないが、正直面倒だし時間もかかる。


それに作れたとしても、電池の寿命が短くては意味がない。


なら、魔石を使えば良いのではと思うかもしれないが、魔石は高いのだ。


魔石は迷宮――ダンジョンの魔物からしか採取できないので、非常に高価である。


さらに、魔法が込められた魔石となると値段は高くなる。


リルさんの目標は、一般家庭にも広めることであり、あまり高いと普及しない可能性が出てくる。


1つの方法としては、俺、もしくは部下に魔石を採取させることで、コストを抑える方法だ。


魔法は俺自身が、雷魔法を使えるから問題ない。


最終的な値段としては、銀貨1枚で売れて利益を上げられればいい。


銀貨1枚あれば、一般家庭だと余裕で1ヶ月は暮らせるぐらいの額だが、手が出せない程ではない。


「さて、リルさんがこれからしないといけないのは、光る時間を長くすることです。先程のはご覧の通り、数分しか持ちません。それを長くするのに必要なことがフィラメントの改良です。フィラメントとは、光る部分である木炭のことです。さっきのは、実験のために簡単に作りましたが、光る時間を長くするのであれば、フィラメントの太さを均一にすることが大事です。均一でなければ、先程のように折れてしまいます。次に、フィラメントの材料及び品質の改良です。材料には、竹を使った方が良いです。いろんなところから竹を購入し、炭を作り試してください。」


「分かりました!頑張ります!」


「何か、分からないことがあれば気軽に声をかけてください。」


さてと、これで研究の方はリルさんに任せて大丈夫だろう。


これから、とりあえずしないといけないのは家の建設だな。


商人を呼ぶにしろ、住む人を呼ぶにしろ、家が必要だ。


人が来てから建てても遅いし。


今の内にどんどん建てておく。


今の人数じゃ足りないだろうから、数十人ぐらい雇う必要がある。


だから、リルさん達を迎えに行った時に、大工さん達に仕事を依頼していた。


また、壁が出来たことで、門番も必要になったため、10名程度雇った。


その人達が、後一日もすれば来てくれるだろうから、そっから俺の街は飛躍的に発展していく事だろう。

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