03の小話 (トーマ目線)
03部分のトーマ目線です。
ーーートーマ目線ーーー
「私達はあの鳥に導かれて、ここまで来た。
あの鳥は神の使いと言われている。
・・・まぁ、私も、実物は初めてみたのだが・・・
青い身体に冠羽、虹色の尾羽と赤い瞳。
魔物や動物で、鳥や鳥に似た生き物は多いが、この姿をしている生き物は他にいない。
神の使いとして、文献や史実で伝えられてはいるが、実在するとは思われていなかった。」
ガウスの指をたどってトーマは上を見上げた。
ガウスが指したはるか上空を先ほど会った執事が旋回していた。
風になびく金色の髪。バトラー服を着たイケメンがウルト〇ンかスーパー〇ンの様に水平飛行している。
(wwwwwwwやめっ!wwwwwwwwお前はウルトラマンか!スーパーマンか!wwwwwwwwwwww実は特撮見たことあるやろwwwwwwwwwwwwwww)
緊張した空気に耐えかねていたトーマに、笑いの神、いや、執事が舞い降りた。
トーマは思わず吹き出した。もちろん笑って良い状況ではない。
だがしかし、緊迫した空気を続けるには彼の精神は疲弊し過ぎていた。
そして、彼の笑いの沸点は低かった。
必死に笑いをこらえるが、その行為も又、彼の笑いを増長させてしまう。
笑ってはいけないと思えば思うほどに笑いが止まらない。
彼の限界は目の前だった。
そんな時、彼に更なる試練が降りかかる。
バトラー服のイケメンが満面の笑みで両手を千切れんばかりに振り始めたのだ。
トーマの耳に届くイケメンボイスと目の前のシュールな光景のギャップが彼に追い打ちをかけた。
トーマはとうとう膝をついて腹を抱えて笑い出す。視界が涙でぼやける。
それならば執事を見ずに気持ちを落ち着かせれば良いのだが、執事から視線を逃がして顔を下げると鼻水が垂れてしまう為、下を向く事も出来ない。結局、視界に執事が入り続ける。
(wwwwwwwやめぇwwwwwwwwwイケメンが、だいなしぃwwwwwwwwwwwwはらが!痛い!wwwwwwwwwwww鼻水が!wwwwwwwwwwwwそんでまた、説明もせんまんまどっか行ったよ、あの人!wwwwwwwwwwww)
その場の空気は和んだが、トーマの腹筋は異世界転移して早々に崩壊の危機に陥った。