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「え~・・・とりあえず、まさやは置いといて、

姉ちゃんは?

何?そのハリセン。」


トーマはリンの両手にあるハリセンに視線を移した。

リンは軽く肩をすくめながら小さく首を傾げる。


「ポケットから出た。いや、出した。」


と言うと、とぼけた笑いを浮かべた。

トーマも意味がわからないと言わんばかりに首を傾げた。


「はっ?出た?!出した?

えっ?何?どういう事?」


「・・・やけん、クッキーをさっき出したやん。その感じでハリセンも出た。」


「いや、意味わからんし。」


「・・・クッキーをね、出したいやつを出せんかなぁ?ってしよったっちゃけど(ってしてたんだけど)、上手くできんくて。

まぁ、最終的には出せる様になって。

・・・そしたら、ほら、ね?何か、他のも出てこんかなぁって思うやん?

で、やってみたら、出た!みたいな?」


どや顔でふんぞり返って言ったリン。明らかにトーマをからかっている。


「はっ?えっ?どうやって?肝心な説明なくない?えっ?

・・・真面目に説明してもらっても良いっすか?」


からかい過ぎた。トーマがふてくされそうな雰囲気になったのを察知したリンは少し真面目な顔をする。


「真面目に言います。

イメージを強くすれば出来た。

やっぱり、イメージが大事なんだと思う。

ハリセンも、最初は歌詞の“クッキー”を“ハリセン”に替えて歌ったけん、なかなかクッキーのイメージが抜けんくて、上手くいかんかったっちゃけど(上手くいかなかったんだけど)。

何回もしとう(している)内にハリセンが出せる様になった。

出した物を消す事も出来るみたいやけん、失敗したのは消して、

今もっとる2つが成功した2つ。

2つしか成功しとらんけどね(していないけれど)」


「ええ~っ。それ、ずるくない???

俺とか、地道にまさやと二人でちょっとづつがんばって地図を作りよるのにっ!

ポケットから何でも出せるってこと?!

マジか!ってか、リアル四次元ポケットやん!?」


トーマが驚きと不満を口にしながら項垂れたが、はたと何かに気付いて顔を上げ、右手をお腹から上に移動させる。その顔は期待に満ちている。


「・・・テレテレテレン

スモ~~ル◯イト~~~

ってして出してみて?」


「するかっ!!

・・・・・・いや、有りか・・・?

いや、いや、とりあえず、それはそのうち気が向いたらしてみるとして、それより、地図つくりよるって何?」


「地図は地図ですぅ。」


リアル四次元ポケットを期待していたトーマはいじけた様子で返した。

一回は突っ込んだものの、トーマの提案に心が揺らいだリンだったが、その前のトーマの言葉に持った疑問を優先する。

地図を作る?トーマのスキルを思い出す。


「トーマのスキルって、ゲーム作成と、情報操作みたいなのじゃなかった?」


「そうですけど~。ちょっとで良いけん、テレテレテレ~ってしてみてよ。以外とスモール○イトが出てくるかもよ?」


「はいはい、もう、良いけん。地図って?何?」


リンの語尾に不穏な空気を感じたトーマはリアル四次元ポケットをとりあえず横におき、真面目な顔をした。


「地図も情報って事と思う。まさやが生まれた後に画面をいじりながら地図みたいな機能が欲しいなぁとかなんとかしよったら、地図っぽい機能がついたけど、どうも、まさやと俺が動いた範囲の部分しか地図として成り立たんらしくて、地道にまさやに散歩してもらって地図を広げよった。

まじ、頑張ったけん。ね、まさや!」


トーマがシャツの胸元を引っ張りながら服の中に声をかけた。胸元からまさやと思われるふさふさが少し見える。

そこにおるんかい!!リンはこれ以上怖がられない様に心の中でのみ突っ込んだ。


「まさやが散歩?それは大変やない?そのサイズでうろうろすると危なそうやし、人に見つかって捕まえられたりとか・・・・・・」


「そこは大丈夫。まさやの身の安全は確保しとうよ。

ステルス機能もついとるし、こう見えてまさやは時速100キロで飛ぶし、サイズも大小自由自在やし、危険回避も高くて、更に、更に、今ならなんと、自動帰還機能、しかも空間転移付き!!!」


スパーン!!!

小気味よいハリセンの音が響く。


「お前はジャパネットたか○か!!!今なら更にもう一匹つくんかい!!!」







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