21 洋服もらいました 2
「ひらひらと?
素敵ですわ!
私が踊ってもなるかしら?」
ヴィエラの言葉を聞いたサーシャが期待の眼差しをヴィエラに向ける。
ヴィエラはうんうんと首を上下に動かした。眼差しはそのままにサーシャの視線がリンに戻る。
「リンさん。
もう一度、踊って頂けます?
無理は言いませんわ。
もう少しだけ
踊っているのを見たいのですけど・・・」
「もう一度?同じものをですか?」
「!!
他にもございますの?!」
これ以上ない位に近い位置まで迫ってきた二人の綺麗な顔に狼狽えながら、リンは答えを返す。
「あ、あります。いくつかは。私も全部は踊れないんですが、」
今すぐ踊ってと口にしかけたサーシャにヴィエラが待ったをかけた。
「サーシャ様、まずはリン様に着替えて頂きましょう。
違うドレスで、違うダンスを踊って頂く方がよろしいかと思いますわ。」
ヴィエラがにっこりと笑顔で提案し、サーシャが破顔した。
(至近距離の美女の笑顔の破壊力!!!)
リンがサーシャの笑顔に釘付けになっている間に話が決まっていく。
「まぁ!素晴らしい案ね、ヴィエラ。
それが良いですわ。
そうしましょう、ね。リンさん。」
「は、はい?」
サーシャのきらきらと光る瞳と勢いに押され、リンには是以外の返事をするという選択肢はなく、せめて無難にワルツかウインナーワルツ辺りを踊ろうと密かに思うしかできなかった。
先程と同様に針子さん達によって、手早く次のドレスへの着替えが終わる。
次に着たのはマーメイドラインのドレス。腰回りまでは身体の線がはっきりと出ているが、太股から裾にかけては幾重にも寄せて重ねた軽い生地と羽を使ってボリュームを出してある。
リンはワルツのカウントを頭に浮かべながら踊り始めた。
1人で踊るワルツは中々難しいなと思いつつも優雅に見える様に身体をしならせる。
元の世界でリンが好んで練習していたのは曲調が早いダンス。
先程のパソドブレと違い、あまり練習していなかったワルツを踊るには、カウントをとりながらステップを間違わない様にするので精一杯だった。
もちろん、ステップを間違えた所で誰かが気付く訳はないのだが。
曲がないのを寂しく感じつつ何とか覚えているステップを踏み終えたリンにサーシャとヴィエラが拍手を送る。
「今のダンスは私達が嗜んでいるダンスと似ていますわ。」
サーシャの言葉に、
やっぱりそうか。当たりだった。とリンは思う。
「先程と違って、スカートがふわりふわりと舞うのは、ダンスの違いでしょうか?」
ヴィエラはスカートを見つめながら呟き、パッと顔を上げた。
「次ですわね。リン様。
次に着るのはリン様が切望されていたドレスですわ。
一見、スカートの様に見えるズボン。」
ヴィエラの視線を受けた針子達は一斉に動き出し、あっと間にリンは次のドレスに着替えを終えた。
「リンさん、次は最初の様な見た事がないダンスが良いですわ。」




