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16 魔法を使ってみよう 3


トーマはリンの側に近付き、竜巻を起こす。


「姉ちゃん、とりあえず、このキラキラに触ってみて。」


リンはトーマに言われるままにキラキラと光る粒を触った。

静電気が起きた時の様に指先にパチッと衝撃が走る。一瞬、くらりと目眩がしたかと思うと、自分を囲んでいる空気の中にある今まで感じた事のない何かに気付く。全身の栓が開き、その何かが身体を満たしていく様な感覚。


「魔力?」


リンが呟いた。

トーマはうんうんと頷き、満面の笑みでリンを見る。


「マイナスイオンっぽくない?

白糸の滝とかに行って深呼吸した時みたいやない?

気持ち良くない?

魔法も、

今なら出来る!

って感じやろ?やってみて、出来るけん。」


気持ち良さそうに両手を広げて空を見上げていたリンがトーマに視線を移した。その顔は困惑を表している。


「えっ?」


「はっ?出来るやろ?えっ?姉ちゃん?」


「はぁ?出来る訳ないやろ?意味わからん。何でトーマは出来たと?」


リンの、心底意味が解らないと言わんばかりの反応にトーマがため息を吐く。

トーマには何故解らないかが解らなかった。それもその筈、トーマは取り扱い説明書を読まず、解らなくても何となく感覚で進めていくタイプなのに対して、リンはとりあえず取り扱い説明書を読んでみるタイプだ。感覚でやってごらん、と言われてもリンにはできない。


「え~~~。何でよ。

やけん、身体に入ってきとるその魔力を手に集めて、こう、ぎゅーっと手に集まるように、ぎゅーってして、ぱっと手から出す。」


「そうそう、ぎゅーと集めて、ぱっと出す。確かにそんな感じだ。」


「って!!!下手くそか!!!」


トーマの擬音多めの説明にドレイクも頷きながらトーマの言葉を繰り返す。

語彙力のない二人の説明にリンは突っ込まずにいられなかった。



リンはため息を吐くと、語彙力のない二人は放って、気を取り直す。

身体の中にどんどん入ってきている魔力に意識を向ける。身体を満たしていっているほんのりと暖かく感じるそれを右手に集まる様に意識して


「竜巻」


と呟くと右手からきらきらと光の粒が出て自分の目線の先、伸ばした右手の少し上で風が渦を巻いていた。


「出来た!!!」


今にも飛び上がらんばかりの気持ちを押さえつつ右手に更に魔力を集め、竜巻が大きくなるのを想像すると想像した通りに竜巻が大きくなっていく。


「出来た!!!出来た!!!見て!!!」


リンがきらきらと瞳を輝かせながらトーマとドレイクを見ると、二人は拍手をしながらうん、うんと頷いていた。







 竜巻が成功し、テンションの上がりまくったリンとトーマに釣られたドレイクも一緒になって次々と指南魔法を続けていく。

火や水、風や土といった基本中の基本の魔法はコツを掴めたからか難なく扱うことが出来た。

盛り上がり過ぎて時間を忘れていた三人に従者が声をかけるまで“ドレイクの魔法講座”は続いた。


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