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少女の祝福
温かい何かに包まれている感覚がした。
「ナチェル様?」
「あっアマリー!?いえ、違うのよ?食べようとかそんなことは思ってないわ!ただ寝てしまったあなたを寝室へ運ぼうとしただけなのよ!」
何だかよく分からないがお礼を言うべきなのだろうか。
「そうですか。ありがとうございます」
わたわたと手を振っていたナチェル様の動きが止まる。
何故か頬に手を当て俯いてしまった。
いつの間にかソファに倒れこんでいた体を起こしながら言う。
「それとナチェル様、私はアマリリスです」
「ええ、アマリリスね。覚えたわ!」
若干の疑いを覚えつつもそれを言葉にはせずのみこんだ。
「そうそう。あなたの胸にあったそれ、寝てる間に消しておいたわよ」
「え?」
一瞬、ナチェル様が何を言ったのか分からなかった。
「だから!消したから。あなたはこれから自由に人を愛しなさい!」
言葉が出なかった。
ただ、代わりに涙がこぼれた。




