少女の侍女
部屋の中をひと通り見終わりやることが無くなったのでソファに座っていたらいつの間にか寝てしまっていたらしい。
扉を叩く音で目が覚めた。
「花嫁様。グランでございます。入ってもよろしいでしょうか」
「どうぞ」
扉を開けて入ってきたグランの後ろには私より5つ程年上に見える少女が2人立っていた。
2人共同じ髪色と目の色、そして顔をしていた。
「はじめまして花嫁様。姉のラーニヤ・ソニアと申します」
左の子がそう言った。
「はじめまして花嫁様。妹のリアーニヤ・ソニアと申します」
続けて右の子がそう言った。
姉妹、この似ようからしては双子だと思われる2人は春の新緑のような柔らかな緑の髪と一見すると黒に見える緑の瞳をしている。
一年前までは森の中での生活だったからか初めて会うのになぜだかとても安心した。
そう思ってからそういえばこの屋敷も森の中にあることを思い出した。
「これからこの2人が花嫁様の侍女となります。無作法などがおありでしたらわたくしめにお申し付け下さい」
にっこり笑ったグランに2人はガタガタと震え始めた。
哀れに思いながらもひとつ頷く。
「それでは仕事がありますので後のことはこの2人にお申し付け下さい」
それにまた頷くとグランは部屋から出て行った。