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青年と挨拶
「旦那様。花嫁様をお連れいたしました」
鎌に気をとられていたがそれを悟られないよう落ち着いて礼をする。
「アマリリスと申します。末長くよろしくお願いいたします」
「あぁ。よろしく」
「…」
「…」
部屋の中に沈黙がおちる。
普通なら喜ぶべきことではないだろうこの状況が何よりも嬉しい。
これならきっと好きになるような事態には陥らないだろう。
察するに旦那様は私にあまり興味がないようだ。
「旦那様。花嫁様は長旅でお疲れでしょう。お部屋へ案内致してもよろしいでしょうか」
「連れていってやれ」
ただ静かに頭を下げ部屋を出る。
この調子なら夜も何とかなるだろうか。
視界の端に映った純白が不安を募らせる。




