9ページ目 路地裏取引
「光の指先」という、店についた。この店は学園公認の杖屋の一つ。この店は、杖のデザイン・芯材・長さなどを自分で決められる。カランコロンという音の入店ベルの音は私の杖が決まることを告げた。中に入り、学園生であることを告げると、私たち4人はそれぞれ個別のブースに分けられた。
私は炎系の魔法をよく使うので芯にはフェニックスの羽を、木材はスギを使い、この世界での一般的な長さ1.5ロームにした。杖先は尖らせない王都式のデザインを採用。黒の材木に赤の紐を少し巻いた私の相棒が完成した。持ってみると、重いわけでも、軽いわけでもないような重さの杖だった。
「よろしく・・・!」
ポンと軽くたたいてみた。すると赤の紐につけたルビーがキラリと輝いたように見えた。
「買った?」
店を出ると、レーアが待っていた。レーアの杖は先端に金属がついた北部式の杖だ。
「買ったよ。次はどこにする?」
「なんか昨日先輩から聞いた話なんだけど、サファイア生が来る前に研究材料を買ったほうがいいんだってさ。買い占められるらしいから」
「フー。買った買った」
アティアとイフィアが出てきた。
「かくかくしかじか・・・こういうことで、次は研究材料階に行こうと思ってるけどどう?」
「早くしなきゃ!中でサファイアの制服着たやつ見たから早くしよう!」
アティアの声で、私たちは路地裏を走り抜ける。
「だから!これだけしか出せないんですって!今回はこれで勘弁してください!」
気の弱そうな男の声が聞こえた。路地裏で争いでもしているのか?物騒だな?心配になって聞き耳を立てるとゴツイ声が聞こえた。
「ルミナスドラゴンの鱗は今回200枚の約束だったよな?なのに100枚ってのはどいうことなんだ?おい!行ってみろよ!あ!?」
ゴッという鈍い音が聞こえた。闇商人があの気の弱そうな男を殴ったんだ。し、しかも
「ル、ルミナスドラゴンの鱗!?あ、あれは、き、禁漁種の・・・!」
私の声が思わず漏れた。狭い裏路地に反響し、少し離れたところにいた闇商人の耳に届いた。
「チッ。ゴキブリが聞き耳を立てているとは・・・!仕方ねぇ。お前を先に殺すぜ。覚悟はいいか?」
そう言うなり、闇商人は杖を取り出した。
「死ねぇぇぇ!小娘ぇぇぇぇ!」
高位重力魔法だ。私の体は宙に浮き、地面にたたきつけられた。
2発目。もう一度食らったら、重症だ。闇商人の悪人面が一層引き立つ、笑みを浮かべる。
「そう!うまくいくと思ったか!《エターナル・フリーズ》!」
私の魔法で、闇商人は動かぬ氷像と化した。
どうも。LYONです。ここまで読んでいただきありがとうございます。
まだまだ初心者ですが温かい目で頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。
それではまた次回でお会いしましょう。see you next time.
追記 NEW単位 1ローム=1メートル