8ページ目 アークランティア
翌朝。ガチャッというドアを開ける音が、6時の誰もいない廊下に響く。私達、426号室組は、地上階段が込まないうちに、外に出る。外出届はもう出してある。忘れ物…ないよな?
「え~っと、地上階段ってどっちだっけ?」
「確か、時計台の島から出てるはず」
時計台の島を目指す私たちは、飛行魔法衝突事故現場を見ながら日が昇った直後の空を飛ぶ。
「これが地上階段か~。下に降りるの何日ぶりだろーね?」
「2日ぶりくらいじゃないか?」
アティアとレーアの声。
「行くよ?忘れ物ないね?」
「ない…と思うよ」
「私もない」
「完璧です」
返事をしながら、私たちは地上に降りるための、階段を下る。
「誰か、地図魔法出来る?」
レーアの声に私がスペルを詠唱し始めた。軽くスワイプして、レーアに渡す。
「このまままっすぐかな?3日後くらいには、街につけると思うよ」
「3日後!?そんなかかるの!?」
「アークランティアは、北部最大の都市で、太陽の丘の北にある、大都市だ」
「北部高原にしては、平均気温が高いところなんだよな?」
「正解!理由は北に山がないから、吹き降ろす風がないからなんだって」
へ~。知らなかった。小鳥がさえずる。
「さ、さっさと、宿題を済まそ!」
私の言葉で全員、飛行魔法を唱え始めた。
2日後。アークランティアの飛行不可能範囲に入ったので、徒歩移動を続けていた。
大きく曲がった道の向こうに私たちの目的地、アークランティアが見えた。
1時間後、アークランティアについた。赤やオレンジ、黄色などの暖色を基調とした傾斜が急な屋根。石レンガ造りの壁。どれも、これも、王都にはあまりないデザインだ。
「安いよ―安いよー」などの商人の呼び声。街の門をくぐると、もうそこは別世界だ。午前中の事もあってか人通りも多く、忙しそうに品出しをしたり、開店準備をする店員さんたちが見えた。これまで、の高揚を解き放って私は、
「じゃ、最初は何を買う?」
と言った。それに答えたのはアティアだった。
「やっぱりあれじゃない?杖!」
「杖あるとなんか違うよね?じゃ、杖を買いに行こう!」
どうも。LYONです。ここまで読んでいただきありがとうございます。
まだまだ初心者ですが温かい目で頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。
それではまた次回でお会いしましょう。see you next time.