表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鋼鉄の赫竜  作者: ebi_chann_
1/6

プロローグ

1941年3月、ドイツ南西部のシュヴァルツヴァルト────黒い森にて、現存する生物には見られない特徴──まるで、ドラゴンのような翼と胴の──を持った生物の死骸がドイツ国防軍によって発見された。


発見当初、この死骸は腹部が抉られており、頭部も欠損していた。


このことを受け、発見したレオポルト・デーリング陸軍大尉も手記に『恐ろしく手の込んだイタズラか、戦場で狂った敵兵の工作かだろう。』と記している。


一風変わった情報が知れ渡るのはこのようなご時世であっても早いもので、この情報は同年5月の初旬には総統閣下ら上層部にも広く知れ渡った。


南極開拓やロンギヌスの槍の捜索、UFOの開発に地底王国シャンバラ探索にすら手を出していた政府の目には、そんなキラキラとした、なにか良いのもののようにでも写ったのだろう。


この話に興味を抱いた総統閣下は5月23日付けでナチ党及び総統自身の直属組織としてこの出来事に関する原因究明、軍事転用などを目的とする『523対特殊事象調査部門』の設立を指示した。


また、この部隊は発見者レオポルトの部隊長であったフランツ・エルトマン陸軍大佐を長として、約20人の研究者と約500人に及ぶ大隊を付属させた。


レオポルト・デーリング陸軍大尉は発見者故に部隊長補佐として総統閣下からの勅命で任ぜられた。


この部隊は発見場所でもあるシュヴァルツヴァルトの地下に研究施設を構え、研究が開始された。


それまでは良かったのだ。


1944年いや、1943年の末であったのかもしれない。


その日のシュヴァルツヴァルト近郊は雲一つない快晴であった。


午後4時。


そろそろ日も落ちようとしていた時間帯に、妙に霧がかかり始めたのだ。


周辺住民はこのことに不安や恐怖を覚えつつも、戦時というのはやはり忙しなく労働、労働、労働、その程度気に掛けるようなことではなかったのだろう。


その頃523部隊員らは、驚愕した。


“それ”が動いた。


驚愕した。


それを見た。


驚愕した。

これに手を出してはいけなかった。


自分たちは非力だと解らされた。


と、同時。


“それ”とともに“跳び越えた”。彼らはこのときに総統直通の緊急連絡を繋いだが、終始ノイズが走るだけであった。


この日を境に523部隊の消息は完全に途絶え、増援に向かった部隊は眼前の状況に絶句せざるをえなかった。


施設が丸ごと球状にくり抜かれたように消失していたのだから。増援部隊の者は顔を見合わせることもなく、クレーターを見つめるほかなかった。


                        ◇


増援部隊の報告後、総統閣下への緊急連絡があった件からもこの計画は凍結の判断が下された。政府はこれを実験中の不慮の事故として処理し、周辺の立ち入りを禁止した。


また、戦時で核開発も大詰めであったことから資金や物資の多くはそちらに回されていたことも起因していた。


                        ◇


かくて1945年4月3日。


ドイツは様々な苦戦を強いられながらも、連合国の原爆開発阻止のための破壊工作を幾度も打破し、米国よりも早い段階でプルトニウム型と濃縮ウラン型の原子爆弾の開発に成功した。


同年、快進撃を続ける枢軸国は、7月5日にソ連のモスクワ、7月6日にアメリカのハワイ島へ原子爆弾を投下した。


同年8月15日に枢軸国は連合国に対して、講和条約であるベルリン条約を提案し、5日にに連合国はこれを受諾。


また、8月16日に日独米英ソの5カ国の代表団が同地にて調印した5カ国条約では、ソ連の永久解体とウラル山脈以西のドイツによる植民地化、イギリスはドイツの政治顧問のもとでの国家運営すること、アメリカは日本にロッキー山脈以西を200年間租借すること、ドイツにフロリダ州、アラバマ州、ジョージア州、サウス・カロライナ州を譲渡し、第一次世界大戦のドイツの賠償金の帳消しする旨が決定された。


かくして、1945年8月16日、第二次世界大戦は枢軸国の勝利に終わった。


1946年4月6日にはドイツの提案によって世界秩序機構《W.O.O.》の設立され、旧国際連盟に代わる組織として発足された。事実上のナチスによる新秩序の建設がこの日、成されたのである。


                        ◇


終戦から12年後の1957年。ナチス親衛隊とドイツ国防軍が合併されて結成された大ゲルマン帝国軍。


そこへレオポルト・デーリングの息子であるアウグスト・デーリングは軍直轄のミュンヘン陸軍大学の士官候補生として入隊した。




〈レオポルト・デーリングの手記より〉


我々の神は、我らを生かしてはくれないようだ。

世界観の都合上、不適切な表現などがある場合がございますが、ご了承ください。

かなり短いですが、初投稿なので温かい目で見てください。


どうも、えびちゃんです。この作品はただ単に好きなものを詰め込みまくっただけの作品です。完結するかどうかはわかりません。あと投稿は不定期です。

もし続きが気になるとか、この作品面白いとか思っていただければ★やブックマークをお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ