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究極の選択


 僕は居ても立っても居られなくなった。


「ゆいちゃんごめん、急用思い出したからさ今日は解散にしない?」


「急用って何?」


「あぁ、お母さんに用事頼まれてたんだ!」


「分かったよ、じゃあこの動画見終わったらねー」


「う、うん」


 僕はゆいちゃんと解散し、先程の病院に向かう。あの人に会って話を聞かないと。


 僕はベンチの当たりを探していると、歩いている本人を見つけた。


「すいません!」


「君はさっきの」


「ちょっとお話、いいですか?」


「いいとも」


 僕達はベンチに腰掛ける。


「動画、見ました」


「視聴者さんか、ありがとうね」


「僕もなんです」


「ん?」


「僕もあなたと同じなんです」


「そうかい」


「色々聞きたくて来ました」


「よく来てくれたね。で、聞きたい事とは?」


 僕は勇気を出して聞いてみる事にした。


「チャンスはその日しかないって言ってましたけど、戻る方法があるんですか?」


「ある」


「教えて下さい」


「前回と同じ事をすればいいだけだよ」


「同じ事?」


「俺は屋上から飛び降りる。そしたら本来の場所に戻れるんだよ」


 僕の場合車に轢かれたから、もう一度同じ場所で轢かれるって事か。


「時間も関係ありますか?」


「もちろんだよ、俺の場合は午後六時だった」


「確か、僕もそのくらいだったと思います」


「やっぱりな」


「あの、その日に戻らないとどうなるんですか?」


「これはあくまで憶測だが、戻ったとしても、本来死ぬはずだったやつは死ぬ」


「じゃあ戻らない方がいいですよね、絶対」


「でも、戻らなくても死ぬ」


「えっどうゆう事ですか?」


「魂は一つしかないからな。例えば一命を取り留めていたやつは生きれるだろう。向こうでも、こっちでも」


「じゃあ分からないって事ですね‥‥」


「あぁ、俺の場合は確実に死ぬだろうな。だからどこで何をしていようが関係ないんだよ」


「じゃあなんでここにいるんですか?」


「君みたいに何も知らずにこっちにいるやつに教える為だよ。どうせ死ぬなら一つくらいは誰かの役に立ちたいからな」


「すごいですね」


「まぁ、最初からそんな考えだったわけじゃないけどな、過去に戻って同じ事を経験していくうちに見方も変わるわけよ多少」


「そうだったんですね」


 この人意外と普通の人だった。


「で、君はどうしたいんだ?」


「僕は‥‥」


 僕はどうしたいんだろう。


 あの日、ゆいちゃんがたいちくんに何て言ったのか分からないままだし、それに今回だってどうなるか分からない。結局僕はゆいちゃんの事信じてないって事か‥‥。


「死ぬはずじゃなかったのなら、このままこっちで暮らせますよね?」


「絶対とは言えないが、多分な」


 あの事故で生きれていたとして、こっちに残ってゆいちゃんと過ごすか、元に戻ってゆいちゃんと過ごすか。でも、ゆいちゃんの答えは知る事が出来ないし。


 あー!!どうしたらいいんだよ!!

 

 でも待てよ、今の状況の方が可能性はあるんじゃないか。こっちの方がゆいちゃんと過ごした時間は長いし、今なんかラブラブだし、キスだってした。向こうでは、たいちくんの方がゆいちゃんと過ごした時間は長い。


 てかそうなったらたいちくんってどうなるんだろう。本来結ばれるかもしれなかったのに、僕が入れ替わったせいで‥‥。


 って、たいちくんの事なんかどうでもいいじゃん。


 頭ではそう思いながらも、罪悪感が湧いていた。何故なら今のたいちくんが本来の僕だから。



 元に戻るには前と同じ状況で死ぬ事。

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