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第6話 いざ、戦闘開始!

2019/5/21 編集&追記

「んあ?甘ったれたこと言うじゃねぇ!お前は世界に指名されたんだ。世界を救え。俺がいるんだ。何もしなくてもお前は勝てる。」


突然のダイアリーの返答に僕は驚いてしまう。

「うわあああああ、びっくりした。君、自由に喋れるんだね…」



ダイアリー、めちゃくちゃ喋るな。ほんとにこれが世界の神秘に干渉する伝説のチート級日記なのか疑ってしまうほどだ。

「何を今更言っているんだ?俺とお前はずっと前から話しているぞ。俺らはこの日記で意思疎通をしてきたんだ。そんなことも忘れたのか?」


「え…?」


僕にはそんな記憶はない。ダイアリーとは今さっきであったばかりだ。確かにこの日記自体はずいぶん前から持っているものだけど。僕らは世界が終わる前から互いに意思疎通してたということか?


「まぁ今はそんなことよりお前は戦闘をしろ。何もしなくていい。ただ念じろ。お前にできることはそのくらいだろ?何にもできないお前にはそれがちょうどいいくらいだははは」


いや、何笑ってるんだこの日記は。でも現実問題として僕にできることは何もない。こうしてダイアリーにすべて頼らなければ僕はこの世から今すぐいなくなるだろう。なのでとりあえず今はダイアリーの提案に承諾しておく。


「わ、わかった」



「それでは戦闘を始めます」

とミサキさんの声が聞こえ戦闘が始まる。


とうとう始まってしまった。僕、ここで死ぬんじゃないぞ…頼んだダイアリー。僕の命は君に預けた。


「よーし!ダイアリーホルダーかなんだか知らないけど私は全力であんたを殺しに行くから。模擬戦闘なんて知らないっ!やるからには本気でやらないとね。あんた、私の本気の攻撃を受けて死ぬんじゃないわよっ!まあ死んでもいいけどねっっっ!」

と、エリが殺意をもって僕に攻撃を仕掛ける。


いやいやいや、これは死ぬ。模擬戦闘だよねこれ?模擬戦闘なのに殺しはおかしくないか?団長さん、これ絶対人選ミスだって…いや、団長も実は僕のことを本気で殺しに来てるのかもしれない。


もう世界は終わったっていうのに全く生きづらい世界だ。


目の前までエリの日本刀が来ている。あー、死亡確定案件だよこれは。


「おい、念じるだけでいいんだ、はやくしろ」

僕が何もしないのを見かねたか、ダイアリーが口を挟んでくる。


念じるって言ったって何を念じればいいんだ?と思った瞬間僕の口は勝手に動いた。


『オープンダイアリー』


え?

僕は勝手にあるフレーズを口にしていた。

これは呪文なのか?それすらも分からないまま僕はダイアリーを起動させた。


そしていつものように目の前が白い光に包まれ手足の感覚がなくなり僕はこの白い光と一体化する。



するとポセイドンと戦った時と同じようにダイアリーが僕のとるべき選択肢を告げる。


「さあ、選べ。

1. 死ぬ

2. 時間を止める

3. この戦いに勝利する


んん?以前にも増してダイアリーの選択肢がやばくないか?

さすがにこの選択肢はチートすぎないか?もしこの選択肢が実行されたらきっと戦いにもならないだろう。


「この中で一番平和に解決できる選択肢は…3番だな。よし、ダイアリー、この戦いに勝利しよう」


選択を選んだ直後、あたりは静寂に包まれる。


なにか起こったのだろうか?いや、なにも起こってない。


しかしダイアリーの人間を超えた力が使われたということは何となくわかった。



そして目を開けると予想通りエリが戦闘不能となり戦いは終了していた…


僕はその光景を目にして改めてダイアリーの恐ろしい能力の実態を理解した。時間を止めたり、戦いの勝利を決定づけたり…これはいったいどうなっているんだろうか。



エリはなんと自分の攻撃を自分で受けていた。

周りから見たら自害しているように見えたであろう。


「ウッ…貴様何をした…」

と言い残しエリは倒れた。こうなるのも当然だろう。だってエリは僕を完全に殺したはずなのに自分がけがを負っていたのだから。


「致命傷でもないしただ気絶するところを叩いただけだから命に別状はないから安心しろ。ただしもう俺には手を出さないことだな。お前ら人間に俺が倒せるはずがないだろう」


と、僕の口から僕じゃない言葉が出る。ダイアリーが僕の口を使ってしゃべっている…?


「…………」

あたりは沈黙に包まれた。


「お、おぼんくんこれって…」


「これがダイアリーの力…らしい。実際に僕は何もやってないんだけど…」


「でもおぼんくんなんか独り言言ってたよ…」


独り言を言っていた?僕は現実世界では何も話してなどいないはずだ。


ここでミサキさんが慌てて出てきた。

「あ、ありえません…戦闘解析の結果、彼は本当に能力は普通の人間ようです。しかも普通すぎて怖いです。知力、体力、その他もろもろ全てが平均です…しかし、彼の内側、いや外側には測定不能なエネルギーが存在しています」


それって褒めてるのか貶してるのかわかんないよね…まぁ慣れてるけど。ダイアリーは僕の周り化内側のエネルギーとして第三者には観測されるのか…本体はただの日記だしね。


そして団長が困ったような顔をして言う。

「しかしエリとの戦闘の結果…いや、戦闘にもならなかったのは事実だ。彼は戦わずして勝ったというのは本当だ。だからこの戦闘は彼の勝利。つまり我々では観測できない何かによってエリに勝利したわけだ。これは彼がダイアリーホルダーである証拠になる」


「だ、団長…しかしこれは」


「これがダイアリーの能力なのだろう。ダイアリーは世界の神秘に干渉するが世界を救うためにしか能力を発動できないと言われている。ということは彼がプロテクターに入ることは世界を救うことに繋がるという事だ。ミサキ、これはもう認めるしかない」


「た、確かに…」


「ということは…!?おぼんくんはプロテクターに入れてもらえるんだね!おぼんくん!やったね!おめでとう!」

榊原が嬉しそうに僕を見る。そんな嬉しそうにしてもらえるとなんか照れるな…


「あ、ありがとう…なにがなんだかわからないよ…」


今日から僕の口癖はなにがなんだかわからない驚きの連続ということで『アンビリバボー』にしたいと思う。


さらに榊原は僕に話しかける。

「おぼんくんの部屋を用意してあるよ!さぁこっちで休んで!」


「ありがとう、用意がいいな…」


「ああ、ダイアリーホルダーならばこちらとしては大歓迎だ。ようこそプロテクターへ。これからよろしく頼む。オボン、一緒に世界を救おう」


「は、はい。こちらこそよろしくお願いします。」

早速オボン呼びか…にしてもいきなり世界を救うなんて荷が重すぎる。確かにダイアリーは最強だけれども僕に果たして使いこなせるのだろうか。


僕は部屋に通されいつぶりかわからない休息をとることにした。


今日一日でたくさんのことがあったな…こんなに一日で何回も死にそうになるなんてなかなか経験できない。いや、できれば経験したくなかったが。


今朝、世界が終わった。

そして僕は生き残り異形と人類を滅ぼすテロ組織と戦うことになった。

そして何より僕の日記だ。この日記は世界の神秘に干渉するというものだ。


「ちょっと日記を見てみるか…」


気になって日記を見るとそこには僕とダイアリーの会話が記されていた。


「えっ」


驚くことにそれは僕の筆跡で書かれていた。確かにダイアリーは僕とずっと前から意思疎通をしていたと言っていた。しかしこれは一体どういうことなんだ…?



「僕はここには何も書いていない」


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