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第4話 日記の秘密

2019/5/21 編集&追記

天使か、それとも悪魔か、よくわからない日記の思うまま僕はこの時間が止まった世界にただ一人立っていた。


僕が次にすべきことはこれだ。

時間がとまったこの世界で僕と榊原が生き残る方法は何だろうか。ということだ。


試しに榊原に触れてみよう。もし彼女の時間だけを動かせたら何か対策が練れるかもしれない。まずは正気に戻ってほしいところだけど…



僕は榊原に触れた瞬間彼女の時間の流れが動き始めた。

予想通り…だが、あまりにもあっけなくて笑ってしまう。


とりあえず榊原に声をかける。

「榊原…!大丈夫か、正気に戻るんだ」


暫く正気を取り戻さずひとりで日本刀を振り回していたので僕はどうすることもできずただひたすら声をかけ続けていた。

すると、

「ウオアアああああああ…!…あれ、おぼん君…?これはいったいどういうこと?」

榊原が正気に戻った。


この流れ、あまりにも僕の思い通り過ぎてご都合主義観あるけど大丈夫なのか?

しかし時間が止まってる時点でそんな細かいことはどうでもよくなる。



「どういうことって僕が聞きたいさ。まずこの時間の閉鎖空間は僕の日記の力さ。信じられないけどね。もし日記が僕を守ってくれなかったら今頃僕はあの世にいるよ…でも日記のことを教えてくれたのは榊原だよな?何で知っていたんだ?」



「う、うそ…まさかとは思ってたけど本当に日記の力だったのね…。おぼんくんが持ってた日記がダイアリーだったなんて…そうか。うん、この期に及んで私が隠すことは何もないよ。忘れていた記憶が戻ってきたんだ。まずあの球体には人を恐ろしい異形に変えてしまうウイルスのようなものが入っていたらしいんだ。でもそのことを私は知らなかった、というか忘れさせられていたんだ。忘れてさえいなければ私はみんなを守れたのに…」


「起こってしまったことは気にするな。榊原は僕を守ってくれたじゃないか。それにしてもあの球体には人を異形に変えるウイルスが入っていただと…?そんなことがあり得るのか?」


「ありがとうおぼんくん…そう、それがありえてしまったの。以前私はそのウイルスを作っていたやつらの秘密を探っていた。でもしくじってしまって記憶を消去させられたの。私の仲間も私が帰還しないから心配していたかもしれない。」


「つまりあの球体は人為的な悪意のある人工物だったってことかい?」


「そういうことになるね。生徒会長の佐々木はこの秘密組織の一員で今回の事件の実行犯よ。私たちはこの組織のことをバイオマーダーと呼んでいるの」


「つまりそのバイオマーダーが今回の球体を作って人類滅亡を目論んでいたと?何のためにそんなことを…

っていうかさっきから気になってたけど『私たち』ってどういうことだ?」


「私たちはバイオマーダーに対抗する組織『プロテクター』。

バイオマーダーの元研究員が数年前に『この世の神髄に干渉することができるという日記【ダイアリー】』を発明したと言われているの。


でもその日記は発明された瞬間に世界の抑止力によって消滅してしまったんだ。日記の力はあまりにも強大だからね。おぼんくんも今のこの状況を見ればわかると思うけど。

そしてその消滅してしまったダイアリーは世界が危機に陥った時に現れると言われているの。

だからおぼんくんが爆発から生き残った時に、もしかしたらおぼんくんの持っている日記はこのダイアリーかもしれないと思って一応伝えておいたんだ。まさかほんとにダイアリーだったとは思わなかったけどね…」




「うん、事情はよく分かったし疑問なこともここではあえて受け入れることにする。」


「おぼんくん…理解が早くて助かるよ」


「それであと一つ質問だ。榊原は何で異形になったんだ?今は平気なのか?」



「あーそれね。私もさっきの爆発で異形になるウイルスに感染してるんだよ。でもプロテクター所属の戦闘員はみんなある程度の毒に耐えられるように毒への対抗薬が打たれていたの。でもあくまでも試験的なものだったしほんとに異形化しない保証はなかったんだ。でも今回の私を見る限りこの対抗薬は本物だったってわけね」


「そうはいっても榊原はある程度の理性をもってポセイドンとか呼ばれてる異形とまともに戦えていただろ?武器とかどうしたんだ?」


「それはね、私が持ってる武器に細工がしてあるの。プロテクターの戦闘員はみんな武器を所持してる。普段も持ち運びできるように小さくすることもできるんだ。異形化したことでポセイドンとほぼ互角に渡り合えたけどただの人間なら到底戦いにもならないほどあの異形は強かった」


「そういうことだったのか。そうか、いろいろわかったことは多い。じゃあ僕らはこれからどうすればいいんだ?」


「よく聞いてくれました!おぼんくんには今からプロテクターの一員になって頂きます!」


「は!?どういうことだよ!?なんで僕が…」


「私から理由をいくつか。まずひとつ、あなたはここから1人で生き残ることが出来ますか?2つ、あなたは世界の抑止力と言われる、世界の神秘に干渉できる日記を所持している。この日記はバイオマーダーに対抗する唯一の手段かもしれない。そしてその日記は所持者しか扱うことが出来ない。だからおぼんくんが必要なの。さぁどうする?」



「間違いなくこの先1人で生き残るのは無理だな…なにがなんだかわからないことに巻き込まれたし、佐々木やバイオマーダー?がなんでこんなことをしたのか知りたい。しかも榊原は僕を助けてくれたしこうして情報もくれた。恩を仇で返すようなことはしないさ」



「ということはつまり?」



「わかったよ…プロテクターの一員になるよ…」


「やった!そうと決まれば早速基地にいくよ!正直おぼんくんの日記がなければここで全滅だった。本当にありがとう」


「お礼を言われても僕には何もわからないんだ。とりあえず僕は僕のやりたいことを果たすだけだ。」


「うん、ありがとう…!」



そんなこんなで僕は世界の神秘に干渉するというトンデモナイ日記を手にしてしまった結果、人類の滅亡を目論むバイオマーダーとかいうテロリストと戦うことになってしまったわけだ。


いまだに日記のこともよくわからないし…


はぁ、どうしてこうなった…

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