第15話 楽園都市
私はプロテクターのエージェントだ。
日々過酷な訓練を受けて世界を救うために頑張ってきた。
でも私が報われたことは今まで1度も無かった…そんな私が今こうしてみんなと最後の戦いをすることが出来ているのはとても幸せなことなのだろうか…
空が明るい。
「んっ…もう朝か…」
とても長い夢を見ていたような気分だ。でも不思議と嫌な気分はしない。
起きるとそこは私がいてはいい場所ではないことに気がついた。
「ここは…?いや、ここが存在するわけがない…私がここにいるわけがないんだ…」
丘の上にぽつんとたったひとつの小屋の一室に私は寝ていた。
「私はダイアリーホルダー達とこの世界から出るための方法を探っていたはずだ…なんで私はここにいるんだ?」
するといきなり部屋のドアが開いた。
「おはよう!!お姉ちゃん!!ってあれ…?もう起きてるの!?今日は早起きだね。ご飯の時間だよ!たべよ!」
私のことをお姉ちゃんと呼ぶ少女…私の妹「だった」人間だ。
「アイリ…?なんでここにいる…?私は一体どうしたっていうんだ…うつ…」
あまりの突然の信じられない出来事に私は頭痛が収まらない。
思い出せ…思い出せ…
私はプロテクターの特攻隊長エリ。そしてプロテクターに所属する前に私の家族は私を覗いて全員殺されている。
そしてアイリは私の妹だった。
「お姉ちゃん…?なんでそんな怖い顔してるの…?」
アイリは怯えたように私を見る。いや、アイリであるはずがないんだ。
「…ここはどこだ」
なるべく落ち着いた声でアイリの形をしたものに問掛ける。
「お姉ちゃん何言ってるの!ははは!私たちの家じゃない…今日は私たちの村の収穫祭があるでしょ?!忘れたの?」
「…え?」
『収穫祭』という言葉に私は反応した。そして物凄い勢いで私は全てを思い出した。
私たちの村が特定不明の殺し屋達に全滅させられた経緯を…
「うっ……」
私は頭痛と吐き気でその場をたっていられなかった。
「お姉ちゃん!?どうしたの…!ご飯持ってくるからちゃんと寝てて…!!」
アイリは部屋から出ていく。一体何が起こってるの…?
目が覚めたら私は全滅したはずの故郷の村で死んだはずの妹と話している。あってはならないしあるはずがない、きっと夢だ。
ここでひとつ引っかかることがあった。
「私はいつ寝たんだ…??」
私に寝た記憶はない。しかし寝る前の記憶が曖昧なのだ。
「くそっ…いったいどうなってるの…!」
「お姉ちゃん大丈夫…?ごはんもってきたよ…」
何もわからない以上まずは情報収集しないといけない。プロテクターの特攻隊長エリ、ここは腕の見せどころに違いない。必ず謎を解く!
「アイリ、ありがとう。私はもう体調大丈夫だから一緒に食べよう。というか今日は収穫祭だったね!準備しよう!」
「お姉ちゃんほんとに大丈夫?準備なら私一人でできるけど…」
困った…このアイリは本物だ…喋り方や接し方がどうしても本人にしか思えない。
きっと私が今いるこの世界は本当の世界なのだろう。もしこれが正しければ今日の収穫祭で殺人鬼がこの村を襲うはず。
何とかしなければ…でも前の私とは違う。今は異形であれなんであれ斬ることが出来る。
偽物であれ虚構の世界であれこの目の前にいるアイリは絶対に助ける…!
「おっ!エリちゃん!今日は早起きだね~」
「エリ待ってたよ!」
「エリさん遅いです…!」
収穫祭の準備へ向かうと村のみんなが私に話しかけてきた。
懐かしさと悔しさと色々な感情で私は思考停止してしまった。
「お姉ちゃん…?やっぱり体調悪いんじゃ?」
「…!私は大丈夫だ。みんなおはよう!私はいつも早起きだろっ!!!」
私はこの日寝坊して準備を手伝うことが出来なかった。そして起きて急いで向かった時には…もう遅かった。
いやいや、ここでめげちゃダメだ…今回は絶対に村を守る。
「やっと準備終わったね!間に合ってよかった~、ね、お姉ちゃん?」
「うん、結構ギリギリだったね…」
「エリちゃんとアイリちゃんが手伝ってくれてほんと助かったよ!」
「村長!」
村長…久しぶりに見たけど相変わらずだ。
「今回の収穫祭はいつもと違うよ~!盛大にお祭りをしよう!」
いつもと違う収穫祭…?なにか気になるな…
突然空が曇ってきた。
「えっ…あんなに晴れてたのになんでいきなり…」
10秒としないうちに村は暗闇に襲われた。
嫌な予感がする。殺人鬼の集団が来るのか…?
「お姉ちゃんこわいよ… 」
アイリが泣きそうな顔で近寄ってくる。
「大丈夫、お姉ちゃんがなんとかするから」
1ヶ月以上ぶりの投稿です…すみません<m(__)m>




