第14話 アナザーダイアリー
おいおい…こりゃ一体どういうことだ…
僕が二人いる。しかも向こうの僕は何やら僕とは性格が違う。
最も最悪なのは相手もダイアリーを持っていてみんな向こうの僕をホンモノと思ってることだ。
そして向こうの僕が呪文を唱える。
「相棒…!俺らも反撃しないと死ぬぞ…!」
「あ、ああ!」
なんたって向こうの僕は僕を殺そうとしてくる…?
どう考えてもこいつ怪しいじゃないか…!?
なんとか倒して事情を聞かないことには何も始まらない。
そして僕は反撃の呪文を唱えた。
『オープンダイアリー!真実の扉よひらけ…!!』
そしてふたつの呪文がぶつかり合う。
「くっ…なんて力だ…!」
「相棒気を抜くな…こいつは『本当に』ダイアリーとダイアリーホルダーだ…!」
「な!?」
どうなってるんだ…と思っているといつのまにか僕らは暗闇に飲まれた空間に立っていた。
「なかなかやるじゃないか、オリジナルの俺よ」
向こうの僕が話しかけてきた。
「何者だ!?」
「俺か?俺は正真正銘ダイアリーホルダーだ。でなければ先程の呪文の打ち合いで俺は死んでいたはずだ。俺らはどちらもホンモノだ。しかしこの世界に俺は一人で十分だ」
そして『俺』はダイアリーを剣にかえ魔力を補充していた。
「だからお前にはここで消えてもらう。あいつらを、妹を守るのは俺の役目だ…!!!!」
く、狂ってる…確かにこいつは僕のことをオリジナルと言った。ということは僕は本物の中の本物だ。
「相棒、ありゃ本気だぜ…向こうの俺は全く口を開かないけどな」
「僕がオリジナルなら僕がみんなを守らないと…!ダイアリー!」
そして僕は彼と同じく剣を生成した。
グオオオオオオ…
2人しか存在しないこの空間に魔力が立ちこめる。
「一騎打ちか、やるじゃないかオリジナル。記憶も何も取り戻せていないお前が俺に勝てるわけがない!うおおおおお!!」
一騎打ちが始まる。
僕の体が覚えている。そうとでも言うかのように僕の体は勝手に動いて相手の剣を払っている。
二人の間に雷光と閃光、そして爆音が鳴り響く中剣戟が続く。
何分たったのだろうか。相手が口を開く。
「くっ…オリジナルのくせに何故ここまで戦える!?」
体が熱い。
今まで僕は流れに任せてここまで何とかやってきた。
ダイアリーからさらなる力を感じる。
あー、僕は思い出した。この剣戟を。
『お前は何者か?』
そんな声が聞こえてくる。
僕は、僕は…!!!!
カーーーン…!!!
相手の剣が遥か彼方へ飛んでいく。
「俺が負けた…だと…?なにが、なにがおこってる!?」
「あぁ、お前が負けたのはな、『俺』がオリジナルだからだ!!!!!」
「!?!?」
「相棒…!?」
「久しぶりだなダイアリー、さぁ事を済まそう。ドッペルゲンガーの俺よ、お前も確かに本物だ。しかし違う。何が違うかって?そりゃ日記さ」
「お、お前何言っている!?ダイアリーは本物だ!」
俺はふぅ…とため息をついて返答する。
「察しが悪いなお前。ダイアリーも確かに本物だ。だがな…」
「ダイアリーは俺のダイアリーじゃない別のものだ!!」
「相棒!?そりゃまさか…そんなことがあるってのか…?」
「あぁ、詳しい話はまた後でな。じゃあなドッペルゲンガーの俺」
「んがああああああああ…!!!!」
そして俺らを誑かしていたドッペルゲンガーは消え暗闇の世界から『僕』らは戻ってきた。
「お、おぼんくん!!!平気なの!?何があったの!?」
「兄さん体に怪我を…!!すぐ手当しますので」
「ダイアリーホルダー、何があったのか後で教えてよね…つまり私たちと最初にいたあいつは偽物…」
「くっ…頭が痛い…ぼ、僕はあいつに勝ったのか…?」
いつの間に僕達は仲間たちに囲まれていた。榊原、佐々木、エリが僕に話しかけてくる。
「私としたことが…兄さんが偽物だったことに気づかないなんて妹失格…今すぐ腹を切ります…!!!」
「おおおいおい!佐々木早まるな…!!」
「おぼんくんがキザじゃない普通のおぼんくんだ!」
「えええ、あっちの僕はキザなの!?」
「…相棒、今はまた記憶が飛んじゃったみたいだがさっきまではのお前はめちゃくちゃキザだったぜ…?」
ダイアリーが半ば呆れながら僕に言ってくる。え、僕って元々キザなのか…ちょっとショック…
そして色々事が落ち着いたあと僕らはみんなで食事をとることにした。
「…というわけなんだ。僕にもなんでこうなったのかはわからない」
今まで僕に起こったことを彼女らに話す。
「ふーん、ということはあっちのあいつも本物だった。でもダイアリーが違ったと?」
エリが怒ったように言う。
「そうだな…こいつとは違うダイアリーがいるって言うことが今信じられないくらいだが…でもほんとなんだ」
「おぼんくん、じゃあその違うダイアリー?は今どこへ?」
榊原が的確な質問をする。こいつはいつでもブレないな、流石だ。
「相棒が斬ったあとあいつは暗闇に消えていったよ、どこにいるかはわかんねぇ。だがあいつがこの世界の存在に関わっていることは間違いないかもしれねえ」
「私は兄さんが無事ならいいわ。でも兄さんを誑かしていたダイアリーがいたなら絶対に許さないんだから」
「佐々木…?めっちゃ怖いぞ…」
「兄さんは黙ってて…!」
おおおこわこわ…
そして僕らはこの謎の日記を追うこととなった。
次回へ続きます!




