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第13話 ドッペルゲンガー

田んぼを抜け僕は街にたどり着いた。


ここまでの道中特に変わったことは無い。

異形といってもあの炎の海で戦ったポセイドンほどの異形は現れなかった。


この街はやはり平和な時、場所をコピーしただけあって世界の終わりなど感じさせなかった。


街並みは江戸時代の日本ににているだろうか…?


露店が沢山並び人で賑わっていた。

僕は久しぶりにこんなに沢山の人を見かけた。


「なんかとても世界が終わったとは思えない光景だね…」


「ああ、でも俺らはここを壊さなければならない。この異空間をコピーして元の世界に持っていくんだ」


こんな平和な街を壊さなくてはならないと思うと胸が痛い。まるで僕はテロリストじゃないか?


しかしもとよりこの街は虚構。現実世界を元に戻せばきっとこの世界も報われる。


「そこの店の主人にこの世界のことをちょっと聞いてみようかな」


「すいません、僕達は旅のものなんですがここはどういう所なんですか?」


「旅人か、珍しいねぇこんな所に来るなんて。ここはアンサイン国の外れの田舎町だよ」


えっアンサイン国…?一気にファンタジーになったな…そんな国現実世界にはなかったぞ…?


「アンサイン国の王はどこにいるんだい?」

ダイアリーが聞く。


「お嬢ちゃん、そんなことが知りたいのかい?変わった子だねえ、あそこにうっすら城みたいのが見えるだろ?」


そうか、普通の人にはダイアリーは少女に見えるんだもんな…

僕が犯罪者と間違われなければいいが…


「たしかに向こうのほうにあるな」


「しかしこの国は今は他国と戦争中でね、アンサイン国優勢らしくて物資が潤沢にあるんだが政治が荒れていてね。この国もそろそろ傾くんじゃないか?と囁かれているところだよ」


この国は戦争中なのか…


「もしかしてその戦争に参加しているのは4か国か?」


ダイアリーが突然訪ねる。それを聞いた僕はハッとした。ああそういうことか!!!!


「嬢ちゃんなんでわかったんだ?まあいいや、嬢ちゃんの言う通りこの国は他の三か国と争っている」


「店主さんありがとうございます」


「兄ちゃんと嬢ちゃんよ、これ持ってきな!」


店主さんはそう言って二つ差し出した。


「これは…!!!」


もらったのは現実世界でいうケバブのような食べ物だった。


「ありがとうございます!!いただきます」


そうして僕らはケバブみたいな食べ物を食べながらこの町の探索を続ける。

「相棒!これ美味いな!」


そう言うダイアリーの笑顔は本当の少女のようで何故かほっこりしてしまった。

いけないいけない…こいつはおっさんだぞ…


「キャアああああああ!!!!」


と、突然女の人の叫び声が聞こえた。


「な何事だ…」


「相棒、どうやらこれは面白いことになりそうだぜ」


そしてダイアリーは急に声のするほうへ駆け出す。

「お、おい!!待って!!!」


まるでほんとの小学生みたいだ…やれやれ…


そう思いながら僕もダイアリーの後を追う。


そこには驚くべき光景が広がっていた。


「があああああああああああ!!!!」

そう獣のように叫ぶのは何と異形だった。


「なっどうして異形がここに」


そして誰かがこの異形と戦っていた。


「エリ!?」


この異空間に来るときに離れ離れになってしまったプロテクターのエリがいた。


僕らが戦闘に入る隙もないくらい激しい戦闘が繰り広げられいた。


あたり一帯に響く金属音。住民の激しい悲鳴や話し声。


「皆さんここは危ないです!!逃げてください!」

僕とダイアリーは住民に避難を呼びかける。


しかしほどなくして戦闘は終わった。異形が消滅した。


「エリ!!大丈夫か!?」


「あら?ダイアリーホルダーじゃない、どうしたの?」


あっけらかんとした態度のエリに僕はびっくりしてしまった。

「大丈夫って…僕らここへ来るときみんなばらばらになっちゃったじゃないか!?」


「え、あんた何言ってるの?」


「え?」

何か話がかみ合わない…


()()()()()()()()()()()()()()()()


「!?!?!?!?」


ど、どういうことだ…

「ダイアリー、これはいったい…」


「相棒、これは面白いことになるって言っただろ?」

ダイアリーはいかにも楽しそうな顔をしている。


「ダイアリー、それはどういう意味だ…」


ダイアリーの言っている意味が分からず聞き返す。


「心配するな、すぐにわかる。戦闘の準備をして待ってろ」


ダイアリーは本当に楽しそうに話す。何がそんなに楽しいのか…


「エリ!いったいどうした」

そこに見知らぬ男が現れた。


否、この男は世界一僕が知っている人間だ。

()()()()()()()()()()()


「お、おぼんくんが二人!?!?!いったいどういうことよ!!」


「兄さん…?」


「これは異常事態ですね…」


何とエリのほかに榊原、佐々木、ミサキまで揃っていた。

「ダイアリー、あそこに僕は何者だ…」


「ほらな、面白いって言っただろ?俺らが偽物だって向こうには思われるだろうなあ、分が悪すぎるって感じだはははははは!!!!」


いやいや、全く笑えない。


そして男がこちらに話しかけてきた。

「おい、お前らは何者だ。俺らと同じ格好しているなんて何様のつもりだ。俺を倒すつもりなら今すぐ返り討ちにしてやる」


僕にしては口が悪いし僕はこんな話し方をしない…どう考えても向こうの僕おかしいでしょ…

くそ、なんでみんな気が付かないんだ。


「ふっ今すぐここで死んでもらうぞ」


そして僕じゃない僕が語り始める。


『オープンダイアリー、虚の存在を打ち滅ぼせ!!!!』


まじか、向こうもダイアリーを使ってくるのか!?!?



「相棒行くぜ、偽物になんて俺は負けやしねえ」


そして僕は語る。


『オープンダイアリー、真実はただ一つ』




そうして前代未聞の自分同士の戦いが始まったのだった。

ドッペルゲンガー現れました。


同じ人間同士の戦い、いったいどうなるんでしょうか…?



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