第10話 凡才の正体
分からないことだらけな物語が少しずつわかり始めてきます。
「う…僕は何してたんだっけ……?」
「おぼんくん!!」起きたのね!」
「ん、榊原…?」
僕は目を覚ます。どうやらどこかに僕は連れられ寝かされていたようだ。
「榊原、ここはいったい…」
僕達は今までバイオマーダーによる猛攻を受けていて絶滅寸前だったはずだ。
「ここは臨時的に作ったプロテクターの基地だよ!と言っても人数が減ってしまったけどね…でもおぼんくんのおかげで私達は生き残ったんだよ!」
そうか、あー、だんだん思い出してきた。
僕はダイアリーと一体化してチート級のチート技をだしてここら一帯の異形を消滅させ佐々木も斬ったのだった。
「ダイアリーってとんでもないな…そういえば佐々木は…?あいつはどうなった?」
「彼女ならまだ寝てるわ…プロテクターのみんなで話し合った結果、佐々木さんの処遇はおぼん君に任せることにしたの、本来なら私たちにとって大切な団長が殺されたわけだし殺したい気分ではあるんだけどね…どうやらそんな簡単な話じゃないみたいなの」
「簡単な話じゃない…?それはどういうことだ?」
「まぁそれは百聞は一見にしかずよ、こっちにきて」
僕は榊原に連れられて隣の部屋へ行く。臨時的な基地と言っていたけれど、それにしてはだいぶ大きいな基地だな…ほんとプロテクターという組織はやばい所なんだな…
「あら、あなた生きてたのね、ダイアリーホルダー 」
「エリちゃん!さっきはすごいおぼんくんのこと心配してたのになんでそんなつんつんしてるの!?」
「なっ…!?私はあんたなんて心配してないわよ…ふんっ」
、なんなんだこの話のやり取りは…
「エリ、心配をかけました。ダイアリーホルダー生還しました」
「ふん、まぁよくやったじゃない…あなたのおかげで私とサカキ、ミサキが生き残ったんだもの、感謝するわ。あーそれとそこの人間もね」
「プロテクターは僕ら4人しか残ってないのか…佐々木にはなんかあったのか?」
「ええ、こいつ、あんたとなんか関係があるらしいのよ…ずっとうなされてるみたいで」
佐々木はこういっている。
「兄さん、ごめんなさいごめんなさい、ごめんなさいごめんなさい…まさか兄さんがダイアリーホルダーだとは思わなかったのよ…私は兄さんを追いかけてここまできた、一緒に世界を救うはずだった…なのに私は父さんたちの組織に生まれた時から洗脳されていて…私はなんてことをしていたのかしら…兄さん…許して…」
「「「…」」」
僕らは言葉を失う。
つまりダイアリーホルダーは佐々木の兄なのか?いやでも佐々木は先程ダイアリーの開発者は兄だと言っていた。どういうことだ?
いやいやいや、ちょっと待て、ダイアリーホルダーは僕だぞ?佐々木の兄が僕のはずがない。
「ねぇ、おぼんくんって佐々木さんのお兄さんなの…?」
「ダイアリーホルダー、貴様スパイなのか?」
「いやいや落ち着いて二人とも、僕には兄弟はいないしついさっきダイアリーのことを知った。そんなわけが無いだろう…」
まぁ今僕らがここで話しても何も解決しない。
「とりあえず佐々木が起きるまでこの話は保留ってことでいいか?」
「うん、そのつもり」
「じゃあ私たち、これからどうしよっか?」
「もちろんバイオマーダーをぶっ潰す」
「といってもなぁ、僕らは一体どうやってこれから生きていけばいいんだ…」
3人とも言葉が出なくなる。当たり前のことだ。世界は既に終わった。
どうすれば世界を救えるんだ?そんなのわからないに決まっている。
僕らは今まで目の前に来た敵を倒していただけだ。その先のことなんて僕らにわかるはずがない。
「おいおいお前ら、揃いも揃ってどうした。あの時のやる気はどうした?俺がここに居るじゃないか、元気出せよ」
どこかで聞いたような口ぶりだな…?
でも声に聞き覚えがない。
僕らは声のするほうを向く。するとそこには小学生くらいの女の子がいた………。
「君は誰かな?」
榊原が優しく尋ねる。
「おいおい、お前忘れたのかよ俺の事を。相棒は俺の事覚えてるよな?」
僕の方を向いて少女は語る。
「え、僕?」
僕はしばらく間を開けて0ではない可能性にかけて少女に尋ねた。
「もしかして君、ダイアリーか…?」
「もしかして、じゃあないよ!俺はダイアリーだ」
「…はぁあああ!?!?!?」
僕らは予想外の展開に尻もちをついてしまう。
あんなオッサンみたいなキャラだったダイアリーの外見が少女だなんて誰にも予想は出来ないはずだ。そもそもダイアリーは日記だぞ?どうして人間になってるんだ…
「おいおいお前ら…難しい顔すんなよ…俺は俺、無敵の日記ダイアリー様だよ。ただそれだけがここにある事実だ。受け入れろ。ん?こいつは…」
自称ダイアリーの少女は佐々木を見て困惑している。
「こいつは驚いた。よくみたらお前の妹じゃないか、なぁ相棒?俺もなんで忘れてたんだろ…ああ、お前が妹の異形の部分だけ斬ったからかなるほどなるほど」
「ちょっと、ダイアリー。1人で納得しないで私たちにも教えなさい」
エリが挑発する。
「エリ、ダイアリーに向かってなんてことを…」
ミサキがエリを抑える。
「わ、私にも教えて欲しいな…」と榊原。
「さ、サカキまで!?」
「うーん、僕からも頼むよ。佐々木はぼくの妹なのか?僕には兄弟がいないはずだ。しかも僕が佐々木の兄なら僕が君、ダイアリーを作ったことになる。色々辻褄が合わないじゃないか?」
「めんどくせぇな。まぁいいや。教えてやる。まず佐々木の兄は俺を作った。そして兄はバイオマーダーに反旗を翻すために自身の記憶と人格を俺にコピーして保存して、自分は一般人としてなんの知識も持たずに世界の終わりが来るまで「凡人」として振舞って身を潜めていたのさ。まぁ俺にも記憶の改ざんが行われていてな…兄は相当念入りに計画をねったらしい。さっきの戦いで俺らの記憶が同期した時全てが元通りになった」
信じられないという顔で俺らはおっさんキャラの少女の話を聞く。
「おい、説明してやったぞ。これで文句はないよな」
「つまりおぼんくんは佐々木さんの兄でダイアリーの開発者でダイアリーホルダーでもありバイオマーダーに反旗を翻したってこと?」
榊原が上手く要約して聞いてくれた。
「あぁ、そうだ」
「あ、あんた、ただの人間だと思ったらとんでもないやつじゃない…凡人のくせにこの地獄を生き残ってるのはおかしいと思ったのよねぇ」
エリが僕に不満をぶつける。
「そんな事言われてもなぁ…僕は実際今そんな記憶はないんだ。許してくれ…」
「ふんっ、まぁいいわ」
「相棒、お前戦闘時は若干元の性格に戻ってたぞ?まぁ八割くらい今のお前さんだったが」
「それってつまり僕は所謂二重人格ってことじゃ…?」
「まぁそういうことになるな、時間が経ったら安定するだろうよ」
いやマジか…でも僕が今までわからないことだらけだった理由がようやく分かった。自分は記憶喪失で二重人格の片方の人格ならば仕方の無い話だ。
うーん、どうにも納得は行かないけど…
と、そんなとき…
「う、うるさいわね…」
!?
なんと佐々木が起きた。
どんな展開になってしまうのだろうか…?
どうでしたか…!?
おぼんの正体とダイアリーの正体、またまたどんでん返しの連続でした。
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