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第9話 世界を滅亡させた悪役令嬢は徒然なるままに語る

佐々木目線です。


私の名前は佐々木綾香。



佐々木財閥の一人娘、まあいわゆる社長令嬢だ。


私の父は政財界との結びつきが強く、お偉い様方に薬や医療器具などを販売、提供しているがそれはあくまで表の顔だ。裏では人類滅亡を企む研究所の所長だった。


資金だけはたくさんあったのでどこの研究室より私の父の研究室の研究は最先端をいっていた。



その研究はとても残酷でとても簡単なもので、地球上の人間の恐怖や不安などの大きなエネルギーとなりうる感情を感知し、「食い」、そして人間を異形へと形を変えるものだった。



私は小さいころからその研究内容を知らされていた。だから人類滅亡は悪いことだともいいことだとも思わない。



話は変わるが私には兄がいる。





「綾香、父さんの研究は知っているよな?おまえはどう思う?」



兄はある日私にこう問いかけてきた。私にとって人類が滅亡することは物心ついた時から知っていることだったし、そのことについて思うことなんてなかった。

起こることが決まっていることについてあれこれ考えることほど無駄なことはないだろう。


無慈悲で理不尽な現実に夢を見たら自分を滅ぼすと幼いながらにわかっていたのかもしれない。



だから私はこう答えた。



「そんなこと考えたって仕方ないわ、兄さん。人類滅亡は佐々木財閥が必ず実行する。これは変えられない事実よ」



「ああ、そんなことはわかっている。俺が聞きたいのはそんなことじゃない。お前に、佐々木綾香という人間は人類滅亡についてどう思っているのかを聞きたいだけだ」



「全く面白いことを聞くのね兄さんは。まあ兄さんは昔から当たり前のことに対して疑問を抱く人だったわよね」


兄さんは佐々木財閥の跡取りだが兄さんなりの考えがあるみたいで人類滅亡に関する研究にはあまり手を貸していないらしい。


兄さんは研究者としてとても優秀で世界的にも彼の論文が評価されていたり将来有望なのである。



「まあ私としては人類みんな気持ち悪いと思っているから滅亡すればいいと思うわ。特に父さんみたいな人種はね。反吐が出るわ」



そう、私は金を得るためには手段を択ばない人間が好きではない。私ならば手段を択ばなくても金は手に入る。



「私の嫌いな人間たちが勝手に滅亡してくれるならなんて効率のいいことなんでしょう、そう思わない?」



「お前の考えはわかった。お前には俺のことを話しておこうと思う」



「兄さんのこと?」

こんなことを言うなんて今まで一度もなかった。妙な胸騒ぎがする。



「ああ、よく聞いてくれ。俺は人類滅亡を阻止しようと考えている」



「なっ…!?兄さんそれは一体どういうことなの…」


兄さんは人類滅亡の研究を最先端で行っている佐々木財閥の長男である。


そういう立場である兄さんがこの発言をするのは信じられなかった。もともと人類滅亡の研究に積極的でなかったとしても否定的ではなかったはずだ。



「うん、俺はこの計画には反対だ。俺はおそらくこの先近いうちに消されるだろう」



兄さんが消される…?

「兄さん待って、思考が追い付かない」



「まあいいさ、予想通りの反応だ。俺はお前に言っておきたいことがある。俺はもうすでに人類滅亡を止めるアイテムを発明した。でも俺が持っていても使えないものだ。そこでそれをお前に預けておこうと思う」



「人類滅亡を止めるアイテム…?そんなこと許されると思っているの!?第一それを何で私に話すの、私が父さんに言うことは考えないわけ?」



「ははは!相変わらず綾香は元気だなあ。まあこれを見てくれ。『ダイアリー』というものだ。ただの日記帳にしか見えないかもしれないがこれは父さんが開発している人間を異形化するウイルスが放たれたときに世界の神秘に干渉することができる非常に限定的なアイテムだ。」



「なにそれ…そんなものを私に預けてどうするつもり?」



「父さんに見せるなり、バイオマーダーに提供するなりしてもいいぞ。お前がこれを使って人類滅亡を阻止してもいい」



「は…?」

兄さんはほんとに頭がくるってしまったのではないかと心配になった。しかし彼はこの状況を分かってて楽しんでいるように笑っている。



「まあそういうことだからこれはお前に託す。じゃあな」



「ちょっっ…ちょっと待って兄さん!!!」



この会話を最後に兄さんは消えた。

しかもダイアリーも消えてしまった。



私がバイオマーダーにダイアリーのことを話すまでもなくこのことは伝わっていた。



私は兄さんの失踪を機に今まで全く興味のなかった人類滅亡について考え始めていた。確かに父さんみたいな人間は消えてほしかったが兄さんはどうか?兄さんは消えてほしくなかった。ずっと一緒にいたかった。



こんな簡単なことに私は彼が失踪するまで気が付かなかった。



兄さんを排除するやつらは許せない。絶対に許さない。



許さない許さない許さない 許さない 許さない許さない許さない 許さない許さない許さない 許さない許さない許さない 許さない許さない許さない 許さない許さない 許さない許さない許さない 許さない許さない許さない 許さない許さない許さない





そして私はこの世界を終焉させることに成功した。





あれ…………?????





私は何をやっているんだろうか。





人類滅亡なんてどうでもよかったはずなのに。





大好きな兄さんが失踪してこの世界を憎んでそして、人類滅亡を阻止しようとしていたのに。



火の海になった地獄のような世界を見て私は思う



「私は何で人類滅亡させているんだ…?」









『佐々木、お前の怨念を斬る』

地獄の底でそいつは私の目の前に現れた。

決してここにあるはずのない、いるはずのないダイアリーホルダーが私に告げる。





「いくぞ、佐々木」

兄さん…こんなところにいたのね…やっと会えた…。

私はすべてを思い出した。

私は最初から異形に取りつかれていたのだと。どう私がしようと私は世界を壊すようにプログラムされていたのだと。



ははは…ここで兄さんに葬ってもらえるなら本望よ…こんな壊れた私を兄さんに見せたくない。



ザアアアアアアアっっっ…!!!

大量の血飛沫とともに私は倒れた。



私は気づくと寝かされてた。

私は確かプロテクターとの戦いでダイアリーホルダーに負けたはず…

何で生きてるのかしら…?



「兄さん…」



口からこぼれたのはこんな言葉だった。



「ああ、あんた目覚めたのね。ほんとならとっくに殺してるところよ、ダイアリーホルダーに感謝しなさい」



どういうこと?私はダイアリーホルダーに生かされてるっていうの?



「なにそれ…そんなの頼んでな…うっ…」

起き上がろうとして全身が痛む。



「ふっ、負け犬はそこで寝ていなさい」



「くっ…あなたは確かプロテクターの…」



「そうよ、私はプロテクターの特攻隊長エリよ。まあ覚えなくていいわ」





そして私は全身に鈍い重みを感じまた意識がぷつんと切れた。

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