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第9話森の攻防


第9話森の攻防


「スキップ大好き、楽しいな、スキップ大好き楽しいな」


 ミラは大きな声で歌を歌い、軽快なスキッブをしながら森の奥に進んでいく。


「ミラはやっぱり元気な方ですね」


 ナービの声はどこか嬉しそうだ。


「ちょっと元気すぎるけどね」


 まだミラとマルーには昨日の話は出来ていない。 タイミングが無いというか、しない方が良いと思うというか、とにかく伝えてない。


「もうここら辺から森のだいぶ奥に入るのでミラさんは歌とスキップをやめてこちらに来てください」


 ナービの声ははっきりと分かりやすい口調で伝えられた。


「はーい」


「ではここからはゆっくりと進んでいくので、私の指示をよく聞いてください」


 早速狐が1匹前から現れた、草むらに入りなんとかやり過ごす。


 ミラが好奇心から狐を見ようと、体を草むらにから乗り出すので押さえるのが大変だ。


「マルー後ろは大丈夫か?」


「いや、まずいねこれは囲まれている」


「すいません、また私の作戦ミスです」


「ナービ今はそんな事言ってる場合じゃないよ、敵の数は分かる?」


「前に3匹、後ろにも3匹、ですが増援と思われる反応が多数あり、囲まれます」


「良し! こうなったら大狐を倒しにいくしかないね」


「ミラが楽しそうな顔してるのは少し驚きですけど、言う通り戦うしか無いみたいですね」


「そうだな、やるしかない、戦いながら前に進むぞ!」


 ミラとマルーと俺でお互いの背中をカバーしながら進んでいく。


 完全に俺達を包囲した狐達が俺達をめがけ尻尾から火の玉を放ってきた。


 ミラが目の前の空間に手をかざすと透明だがしっかりとそこにあるうに感じる膜が防御壁が形成されていく。


 防御壁は狐達の火の玉を受けると少しヒビが入るがすぐにヒビが治り始め元に戻っていく。


「どう? リュウ見てた? すごいでしょ! 褒めて、褒めて」


「褒めるのは村に帰ってから好きなだけ褒めてやるから今は勝負に集中しろ!」


 狐達は防御壁を火の玉で破れない事が分かると、防御壁に直接近づき壊そうと距離を詰めてくる。


 その瞬間マルーの一閃が狐達の首を次々と跳ねた。


 狐は首を切られると煙に変わり、跡形も無くなる。


 やっぱり狐達は九尾の妖天丸という奴の分身らしい。


 防御壁を擦り抜けた狐が1匹俺に飛び掛かってきて、揉み合いになる。


 マルーがすぐに気づき首を跳ねる。


 うぇえーーよだれがかかったってしまった。


 ミラが防御壁をいきなり解除する。


「私の友達に傷を付ける奴らは絶対に許さねぇ! 私が1番得意なのは回復でもなく、魔法でもなく、拳なんだよ!」


 ミラは防御壁を解くと目にも止まらぬ速さで狐に近づき拳を叩き込んでいく。


 すごい威力だ、食らった狐は体に風穴が開くか、見えなくなるぐらいまで吹っ飛んでいる。


「あれは魔導の真髄の効果ですね。 普通の人間の拳が10だとしたら、彼女の拳の魔力は100ですね。 しかも拳の当たる面積を制御し、まるで剣の切っ先の様にしています。  

 あの高速移動も足に魔力を乗せて地面に触れないように滑って移動してますね。 異界には武器に魔力を付与するのは良くある事なんですが、人体へのあれほどまでに複雑な付与は確認されていません。」


 それよりミラって切れるとあんなになるんだな、怒らせないようにしないと、ミラが次々と狐を倒すが拉致があかない、どんどん狐の数は増えていく。


「しょうがない、やるしかないか」


「ですね、あの作戦をやるしかなさそうです」


 俺は初めて自分の意思でブレスレットに手を掛ける。


「変身!!」


 変身した瞬間、森の奥に狐達から逃げるように全速力で駆け出した。

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