65話最悪の始まり
65話最悪の始まり
私は魔力操作を使って高速で建物の上を移動し、光の塔へと急ぐナービは変身、鎧で私以上のスピードで塔へと向かっている。
「ナービ、ミラ、俺は団員達の足止めをしてくる、絶対に竜を助けろよ」
「わかった、マルーも気おつけて」
マルーは建物から飛び降りて、団員達の前に立ちはだかった。
「相棒のためだ仕方ない、お前らここを通りたきゃ俺を倒してから行くんだな」
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「何とかさきにつけたみたいだね、ここが光の塔の内部、意外とっていうか何も無いね」
光の塔の内部は私の青空の団だったら網とか漁で使う銛とかその団で使うものが置いてあるはずなんだけどここは全くというか何も置いてるものがない。
「私はもちろん団員じゃないから分からないけど、ミラも入った事はないの?」
ナービが塔内を眺めながらそう尋ねてくる。
「うん、入った事も無いし、光の団と塔については何も聞かされてないの、まぁ私も入団してから歴が浅いしね、でも塔の作りに関しては一緒だと思うから、多分監禁してる牢屋はあの扉の下だよ」
「じゃあ早く行こ! 竜を助けてこんな所早く逃げよう!」
「そうだね、早くしよ!」
2人で一緒に螺旋階段を勢いよく降りて行くと牢屋が見えて来たがそこには竜の姿はなかった。
「ミラ! 竜が居ないけどここにいるはずじゃなかったの?」
「わからない、ここに確かに捕まっているはずだったのにでも竜が1人で逃げ出したのかも知れない、どのみち竜が居ないなら私達は早くここから逃げ出さないと」
その時階段を降りる音が聞こえてきた。
「ナービ! 一旦下に隠れよう! 早くこっちに」
ナービは階段の途中で立ち止まり動こうとしない。
「ナービ! 早く!」
「無駄だよ、こんだけ近いとはっきりと感じるよ」
「どういう事?」
私とナービは間に合わずに階段から降りてきた人と鉢合わせる形になった。
その男は私達を見ても何も言わずに静かに階段に立っていた。 光の団の黄金の制服を着ており、髪は白髪で全く生気の無い目をしていた。
「ナービ、私が合図したら一気に攻撃するから合わせて」
「やめた方が良い」
「何で? ただの普通の団員だよ?」
「違うあれは、光の団員になりすましてるだけ、本当の正体はこの体の本当の持ち主のマリーの父にして史上最強の龍、リュウマ」




