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54話炎の入団



 

 「なんで私の事を助けたの?」


 

 目を覚ましたラヴァナは俺の腕の中でそう小さく呟いた。



 「お前を殺した所で俺に何の得もないし、ナービの中に残ってるマリーもそんな事は望んでないと思ったからだ」


 「ふーん、私はあなたが邪魔しなければあのまま火山のエネルギーを吸収し続けてリュウマを殺せるぐらいの力を手に入れられたけどね」


 「嘘つくな、お前の吸収もさっきの限界だっただろ刀を刺した時に伝わって来た、あのまま吸収を続けてたら大爆発を起こしてここら辺一帯を更地にして死んでたよ」



 ラヴァナは不機嫌そうにこちらを睨んだ。



 「降ろして」


 「はいはい」



 ラヴァナは小さくなった体で俺の腕から降り、近くの木に手を付けると木から精気がなくなった。 多分魔力を吸い取ったのだろう。 ラヴァナは体が小さくなった事により体に合わなくなった白衣を白いワンピースに変えて体に合うように作り直していった。



 「これで良し、あんたのせいでしばらくはこの姿よ! もう勘弁してよね」


 「お前だって街に鬼を放ったり、火山を噴火させたりしただろ」


 「あなた馬鹿ね、私は体は人間を捨てても心までは捨ててないの鬼にはどこまで自立的に行動出来るかのテストとして街に送ってたし、絶対に人を傷つけないようにはプログラムしてたわよ、あなたの体は欲しかったからムキになっちゃったけどね」


 「もういい、充分に頭がおかしい事は分かったからもうどこかに行っていいぞ」


 「あれ? 私を影の団とナービに引き渡すんじゃないの」


 「しないよ、本気で逃げられたら多分捕まえられないし、ナービは多分お前の事許すと思うから」


 「本当2人共に甘いんだから、じゃあ私はこの辺で! バイバイ! 必ず借りは返すから!」


 「じゃあな、悪さすんなよ」


 「しないってば、今度は悪人から力を吸収する事にする」


 「ちょっと待った!」



 俺はナービを軽く持ち上げて近くに合った茂みに飛び込んだ。



 「何よ! 今の私に触ったら犯罪よ!」


 「うるさい、誰が好きで触るか。 ほら、あれを見ろ向こうからホルンさんとナービとマルーが歩いてくるだろ、火山の揺れが収まったから多分俺を迎えに来たんだお前はこの茂みを抜けてどうにか帰るんだ分かったか?」



 ナービ達の方を見ていた俺がラヴァナの方に向き直るとラヴァナの姿はもうそこには無かった。 もう行ったのかなら俺もみんなの所に帰るか、茂みから立ち上がったその時、さっきまで隣にいた少女がホルンさん達の目の前に立っていた。 俺は急いで茂みから飛び出しホルンさんの所に向かった。



 「私影の団に入団したいんです!」



 耳を疑ったがラヴァナは猫撫で声で確かにそう言った。









 

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