第48話怪人
ナービ達が行ったのを確認し、ラヴァナの方を向くとラヴァナは身体中の至る所からマグマが吹き出て、顔は下を向きうつむいていた。
「おい、ラヴァナ! 聞こえてるか! お前がもし良いならもう戦いはやめにしないか!」
マグマが全てラヴァナの体に入り顔が不規則に不気味に動いている、目の焦点が全く合ってない。 完全に目がイってる。
「あ、あい、リュウ、君? 何とか、今意識がはっきりしてきたよ。 マグマを取り込んだんだけどね、大きな水槽にぶち込まれてそれを全部取り込もうとしている感じだったよ、水槽全部に私が溶けていく感じとも言えるのかな」
「そうか、そんな事には興味はないけど、戦う気だよあるのかないのか? もう火山はあんたが残りを吸収してくれれば済む話だし、ラヴァナはナービの知り合いだひ、俺がこの世界に呼ばれた理由にお前もだいぶ関わってるだろうからこれ以上戦いたくはないんだよね」
「あなたに重傷を負わせたのは私だけどそれは良いの?」
「良いよ、俺の事は許す! これ以上戦ってそれこそ死ぬのとか嫌だし、もういいよ」
「そっか、ごめんね、私はあなたの、マリーの腕と足が欲しいの、自分で切って渡してくれる?」
「やっぱり、ダメか、あんた最初からイかれてるよ、マリーが死んだからじゃない、天性の残虐性だよ」
「これから起こる事は本当に望んでなかった事だ、お前を倒す為には俺も人間を超越した存在にならないといけない、怪人に」
懐から刀を取り出し、持ち手に残り少ない魔力を込め、刀身を引っ込める。
「何をするつもりなの? 今の私は正直並みの龍でも殺せるぐらいのレベルだと思うけど、今さら変身して無駄だよ?」
ラヴァナがそう言ったと同時に鬼達は繋がれた糸が切れたとようにゆっくりと近づいてくる。
「どうかな?」
持ち手を胸に押し当て、一気に魔力を流し刀が胸を貫く。
「な、何を!」
龍の腕と足の魔力を全開で解放する。 解放した魔力が全て刀に供給され、心臓から身体中に行き渡り、傷が癒えていく。
やっぱりあいつが言った通り、気持ちが高ぶり目に見えるもの全てを破壊したくなってくる。
「カトウ! お前が想像した通りになったぞ」
「当たり前だ!」
カトウは刀に憑いていた悪魔だ。 ラヴァナを倒す為に手を組んだ。 何とかラヴァナと話し合いで解決したかったがしょうがない、悪魔と手を組むしかもう俺には道が無かった。




