第45話もう1人のライダー
竜化させられた私はベルトから放り出された。 私をベルトから追い出した竜の顔は切なく申し訳なさそうだった。 そして今は血だらけで私の隣に倒れている。
「竜! 竜! 起きてよ! 起きて!」
竜は呼びかけには応じず私の機能もベルトの中に居ないせいでほとんど使えない。 竜の体の無数の傷を翼で覆うように抑えようとするが白い翼が半分ほど真っ赤に染まるだけで血は一向に止まらなかった。
「中々良い攻撃だったけど、攻撃の途中で手を抜いてしまうのは論外ね、期待ハズレだったわ、あら? あなたを逃す為に竜君は犠牲になったのかしら、じゃあ竜君の最後の願いって事で逃してあげるわ、小さな白い龍さん、行きなさい」
ラヴァナは多少の傷は負ったがまだまだたたかえそう、許せない。
こんなのおかしい、竜は命懸けでこの世界の為に戦ってくれた。 ただ無理矢理この世界に連れて来られただけなのにずっと戦って傷付いて、そしてその先のこんな結末。
私は竜をこんなにした、ラヴァナをゆるさない。 いつだってこの世界は正直者や良い人がバカを見る世界であっちゃいけないはずなんだ。
「ラヴァナ! お前はこの私、ナービが倒す!」
「そ、別にあなたが戦うのは良いんだけど武器は? そんな小さな女の子ぐらいの体の大きさどうやってこの白衣の攻撃から身を守るのかしら? 無理なら早く帰りなさい、竜君が命懸けで守った命無駄にしちゃダメよ」
「ふざけるな、お前だよ、竜をやったのはお前だ! 武器ならある! ここに!」
竜の腰から離れ近くの地面に落ちているベルトに飛び乗る。 このベルトの本来の用途は凶暴過ぎる龍を抑える為に作り出されたもの、絶え間なく龍の魔力を吸い出し龍を弱体化させる為に作られた。 竜もこの仕組みを使い、人間の体と龍の体の魔力の出力を調整して変身してきた、じゃあその人間の体とバランスを合わせる為に押さえられていた魔力はどこに行くのかというと全てはこのベルトの中だ。
さっきの一撃も合わさりものすごい量の魔力がこのベルトには残されている。 そして私の体は龍の体、私が変身すれば出力のバランスなど気にせず100%で常に戦い続けられる。 上手く行くかは分からないがやるしない。
「緊急プロトコル発動、全ての私の回線をベルトと繋ぎ、ブレスレットを私の体のサイズまで広げブレスレットを用いて全身のスキャン開始、スキャン完了。
ブレスレット両足首の太さまでまで収縮後装着、収縮、装着完了。
最終音声シークエンス発動」
後はあの言葉を言うだけだ、もう決まってる。 私は竜とほぼ一心同体だった音声認識も突破出来るはず。
「変身!!」
ベルトは強い光を放ちら私の体には人型の鎧が装着されていった。鎧は真っ白でドレスのようだった。純白の翼が神々しくはためき、手足の先は竜の血で赤く染まっている。顔には赤い角が2本生え、後は白をベースにした仮面になっている。
「ラヴァナ、もう終わりだ、後悔する暇も与えず殺す」
「少しは、戦えそうな形に変わったじゃないの、良いわ最後の戦いを楽しみましょう」




