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第44話決死の一手



 「竜、早く逃げろ」



 マルーの声が聞こえる。 なんで倒れたのかを思い出した俺は急いで体を起こした。 変身は解けていて、ベッドに寝ている状態だった。マルーは血だらけになり俺の体に持たれかかるように倒れている。 辺りには一角の鬼達が10体ほど倒れていて刀でつけられたであろう傷が付いていた。



 「マルー! 大丈夫か!」



 マルーの返答はない、首に手をやると脈はまだ微かに残っていた。 俺が寝かされていたベッドにマルーを寝かせる。

   

 辺りを見回すと俺が寝ていたベッドが体育館のような広い部屋の中心に置いてあり目の前には壁一面ガラス張りになっていて、マグマが煮えたぎっている。 そうかここが洞窟の最深部か、正面のガラス張りの壁の左右の壁には瓶のような大きな容器に鬼達が液体に全身使っいる状態で入っている。


 ラヴァナとかいう女は居ない見たいだ今のうちにマルーを連れて逃げないと俺はベッド下側に回ろうと一歩踏み出すとベッドの脇から腹部にチューブが付けられていたみたいでピンとチューブが伸びきり体を戻され、腹部に激痛が走った。


 まだ気を失いそうな痛みがするが包帯を巻かれ、少し治療がされていた。 誰がこんな事をしたのか。



 「ナービ、俺はどうなったんだ?」


 「私も今起きたわ、変身がいきなり解けたから龍になって鎧の外に出る事も出来なかったし、ずっとベルトの中に居たみたい。 状況からして、治療を受けてたみたいね、でも一角達に襲われてそれをマルーが1人で防いでくれてたと、マルーは分かるけど誰が治療してくれたんだろう」


 「私よ」


 その時瓶漬けになっている鬼達の間から白衣の長身の女が現れた。 俺が今まで見た人の中で1番の美人だが、何というか口が悪いが人工的なに造られた美の頂点という感じの美人だ、体も素晴らしいスタイルだかどこか作り物な気がした。 そしてどこか不気味で狂気を感じる、この人がラヴァナという女だろう。



 「お前、ラヴァナだろ、竜から話は聞いている、何で俺を助けた。 お前がこの街で起きている事全てを計画したんだろ」


 「そうよ? そりゃ私が全部やったけど街がこんなになったのは故意ではないのよ、ただマルー君から作った私の鬼達がどのくらい動けるのかの実験を街でしていたの、それで街はあんな状態にそれでどうせならこんな山の中に施設を作ったしついでに噴火させちゃえって思ったの」


 「いかれてる」


 「ええ! 最先端を行く科学者はいつだってそう言われるものよ、そして今度は君、竜君が龍の体を持ってのこのことやって来たから実験してやろうと思って罠を張って怪我をさせてマルー君に私が治さないと死ぬって言って連れて来させて治していたんだけど、いざ実験しようとしたらマルー君がブチ切れちゃってね、ただ実験で必要なのは龍の体だからそれ以外を切除して捨てようとしただけなのに」


 「お前はわざわざ俺を殺す為に治療していたのか?」


 「いや、ただ龍の体を新鮮な状態で実験したかっただけだよ」


 「なぜ街や山を傷つけてまで実験を続けるんだ!」


 「そんなの決まってるじゃん、強くなる為だよ」


 「強くなってどうする」


 「それはこれから廃棄される君には関係ないよ」



 ラヴァナの着ている白衣が何倍にも大きくなり細切れになり触手のような形に変貌した。



 「ナービ、俺の体は後どのくらい持つ?」


 「正直変身出来るかどうかも分からない、今の傷付いた体で龍の力に耐えれるとは到底思わない」


 「そうか、じゃあ1発だ。 たった1発龍の力を最大まで引き出した一撃をラヴァナに向かって放つぞ」


 「そんなの、無茶だよ! 仮に倒してたとしてその後はどうするの? 体がバラバラになるかも知れないよ」


 「これ以上街を危険に晒す訳にはいかないしラヴァナは完全に一線を超えている異常者だ、逃す訳にはいかない。 大丈夫、多分倒したらすぐホルンさんとマイトさんが来てくれるはずさ」


 「わかったよ、竜と一緒に私も頑張る」


 「おう! じゃあ行くぞ!」


 「変身!!」



 洞窟内に声が響き渡り鎧はベルトから飛び出した、龍の力を最大まで引き出している為か鎧はいつもの青ではなく真紅の赤だった。


 鎧にはベルトに向かって対に火を吹く龍の模様が刻まれた。 変身が完了したと同時に全速力で俺は駆け出した。 火花を散らしながら鎧の力を右足に溜めていく、ラヴァナは俺が距離を詰めるよりも早く触手状に固めた白衣を俺に向かい振り下ろして来る。 咄嗟に狐の尻尾で白衣を押し返すが1回押し返す事に狐の尻尾は千切れていったが距離は充分詰められた。



 「ナービ! 最後だ! 絶対決めるぞ!」


 「いっけえぇえ!」



 地面を踏み抜き高く飛び上がりラヴァナに向かって右足を向け落下していく。 ラヴァナは白衣を束にして俺の右足目掛けて枝をしならせ離した時の様にものすごい勢いでぶつけたきた。



 「ラヴァナ! お前の心にまだ善良な心があるなら今ここで倒れるべきだ!」


 「そんな心とっくに捨てた! 何も知らないお前が私の邪魔をするなぁぁぁ!!」





 永遠とも感じる力のぶつかり合いだった。 本当に後少し、後少しだったんだ。 俺の体は衝撃に耐えられずに腹部の傷が開き裂けるように血が噴き出した。 俺はここで踏ん張れば良かったのか知れないがそれは出来なかった。 鎧からナービを竜化させ逃げ出させ、ナービを失い力のバランスを取れなくてなった鎧は粉々に飛び散り、血がとめどなく溢れた。


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