第41話突入
森に入ると鬼達の数も増えてきたが俺とホルンさんは構わずにどんどん進んで行く。 木と木の間から鬼達がこちらを覗いているのが見える。
「ナービ、こっちで方向はあってる?」
「うん、ばっちり、どうやら洞窟の中にあるみたい」
「わかった、なんかあったら教えてくれ」
「ホルンさん、どうやら鬼達の基地はこの先ちある洞窟の中にあるみたいです」
「それはちょっとまずいな」
「なんでですか?」
「その洞窟は多分というか100%敵の罠だろうね、奥に進んでもトラップがあるだろうし、入っても後ろからこの鬼達が襲ってくるだろうね、まぁ2人で注意しながら進んでいけば大丈夫だとは思うけど、どのみちこの事態を解決するには行くしかないね」
「そうですね」
これから待ち受ける状況に嫌気がさして移植跡が痛み出す。
鬼達を蹴散らしながら洞窟に向かって走っていくが鬼の数がさらに増えてきた、100体はくだらないんじゃないだろうか、こいつら攻撃は単調で避けやすいけど耐久力が高くて何度でも立ち上がってくるから中々厄介だ。
木々を抜けていくと木の本数が少なくなっていき何もなくなり野原に出た。
「ホルンさん! 見てください! あそこに洞窟の入り口がありますよ!」
「そうだね、慎重に進んでいこう」
「竜! その洞窟の中からマルーの魔力反応あり!」
「ホルンさん、ここで鬼達の足止め頼みます。 俺がマルーを連れて帰ってきます」
「良いよ、行ってきなさい、ここは誰も通さないから」
「ありがとうございます!」
◆◆◆◆◆◆◆
「若いって良いよね、本当に自分が本当に世界を変えられると信じてるその気持ち、俺はもう忘れちゃったな、さて君達鬼をさっさと片付けて竜君の元に向かうとするよ」
◆◆◆◆◆◆◆
洞窟の入り口は神社の鳥居が崩れた残骸の隙間に穴が空いている感じだ。 残骸を蹴り壊し、薄暗い入り口から奥に入っていく。
洞窟の中は真っ黒で壁を伝ってなんとか歩けている状態だ。
「ナービどうにか出来ない?」
「そこの手をついてる壁に魔力回路があるから魔力を流してみれば何か起こるかも」
ナービに言われた通りに壁に魔力を流した。 すると天井には明かりが付き、洞窟内の通路は明るくなった。 だけどおかしい事が1つある、洞窟内に電気が付きあらわになった通路と明かりはまるで地球の病院の廊下のような作りになっていた。
「ナービ! この廊下はどうなってるの?」
「ご、ごめん今の魔力回路に魔力を流した事で私の魔力回路に妨害をされて回路に障害が発生したみたい、もうすぐ機能が停止しちゃ…………」
「ナービ? おい! 大丈夫か!」
応答がない、妨害か早く奥まで行かないとマルーだけじゃなくナービも危なくなってくる。 俺は遂に1人きりなり病院にそっくりな洞窟を奥に進み始めた。




