第29話決着
視力を失い私に出来る事は少ない、けどまずはカイザーの大体の位置を掴まないと。
元々蛇は目が良くなく目が見えなくても獲物を見つけるために進化してきた。 どういう仕組みかは分からないが髪蛇達なら大体のカイザーの位置がわかるはず。
髪蛇達は一斉に舌を出し、周囲の状況を探っている。 髪蛇達の情報が伝わりぼんやりとカイザーの位置が大体分かってきた。
カイザーに向け引き金を何度も引いたが、壁に弾が当たる音が聞こえるだけだった。
再び髪蛇で周囲を探るがカイザーの反応はない。 その時髪蛇達が一斉に後ろに振り向き、私も急いで身を翻したが右耳の辺りの蛇達が光線によって撃ち抜かれ地面に落下した。
「動くな、次は頭を撃ち抜くぞ、潔く負けを認めるんだな」
「わかった。 私の負け、好きにして良いよ」
「誤解を生むような言い方をするな」
何か布を破いた音がするとカイザーは私の目を布で覆い縛った。
「よしこっちにゆっくり手を上げながら向き直れ」
私は指示通りにゆっくりと手を上げながら向き直った。
「散々手間をかけてくれたな、どう団長に説明すれば良いのか、そういえばさっきのミラという女はどこだ?」
出会ってまだ間もないけど1番の親友だと思っている、彼女の名を。 私が貴族にいじめられている中で、何の躊躇いもなく助けてくれた彼女の名を。 光線に撃ち抜かれた髪蛇達が助けを求めた彼女の名を。
私は叫ぶ。
「ミラ!!」
「呼んだ?」
とカイザーの背後から現れた彼女は錨を器用に使い私の布を破り、拳に力を込め電光石火の一撃をカイザーにお見舞いし、カイザーの体は大きくしなり悲鳴をあげる間もないスピードで党の壁を突き抜けていった。
「これにて一件落着!」
ミラは満面の笑みで私に手を差し伸べてくれた。




