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第2話ナービ

2話目です!


 眩しい光が瞼の上から目に差し込んでくる。 俺はゆっくりと目を開く、どうやら空から落下した時森の枝を何本か折って穴を作ってしまってそこからの光が差し込んだみたいだ。 


 鎧のおかげで骨が折れたりとか重大な怪我はしなくてすんだけどそれでも、着地の衝撃で体は全身痛い。


 周囲は見渡す限りの大きな木々に囲まれている、この世界にも森はあるんだな。 それにしてもあのクソ天使め、いきなり落とすとか酷すぎる。 持ち物もこの鎧だけだし、お金とか食料とかもっと持たせるもの色々あっただろう。


 そんな事を考えていたらお腹が空いてきた、手術があるから昨日の夜はお粥しかし食べてないんだよな、まずはお腹が空いて頭が回らないし喉も渇いたし、まずは村を探して何か食べ物とか分けて貰おう。


 そうだ、鎧にはナビが付いているって言ってたな。


 改めて鎧を確認する。さっき落ちる時に見忘れたけど、左手には尻尾が9本ある狐の紋章。


 右足には天使の輪と羽の紋章。


 左足には悪魔の角と翼の紋章。


 この紋章らは何にか意味があるんだろうか、今は鎧の装飾を注意して見られるほどの気力は残ってない。 ナビをどうにか見つけなければどうすれば良いんだろかボタン?  もしかしてナビも音声認識とか? ありえそうだなやってみるか。



 「ナビ起動! 俺を村に案内しろ! 村に案内してください!」



 何個か適当に言って見たが反応はない、しかしこんな所他の人から見られてたら1人で鎧に話しかける変な奴だと思われるな、まあ、周りに誰も居ないから平気だけど。


 その時鎧の胸の真ん中が青く光りパソコンの起動音のような音がした。



 「あーーあーー聞こえますか? お! そこにいるのはリュウさんですか? 話は聞いています。 私はこの鎧のサポートナビゲーションシステムです。 この世界についてでもこの鎧についてでも何か分からない事があったら何でも聞いてください。」


 鎧が喋った! ナビってこういう感じなんだな、なんか車のカーナビみたいだ。 サポートナビゲーションシステムか色々と助けてもらおう。



 「えーーと、最初にサポートナビゲーションシステムさんの名前は?」


 「ありません」


 「無いのか、じゃあナービって呼ぶ事にするよ! その方がなんだか仲良くなれそうだし、でも適当に決めてごめんね、思いつかなくて」


 「ナービ…………ナービですか! 良いですね! ナビからのナービですね! 驚くほどに捻りがないですが気に入りました! ありがとうございます!」


 「喜んでもらえて良かった! それじゃあ改めて最初の質問、さっきから喉とお腹が限界でここの近くに川とか村とかない?」


 「ここから1番近い場所だと1キロ歩いた所に川があります」


 「ありがとう! これで喉の問題は解決出来る 後さこの鎧ってどうやってしまうの? さっきから鎧に慣れてないから歩き辛くてさ」


 「ブレスレットを変身した時と逆に回してください」


 「わかった」



 ブレスレットを逆に回すと、鎧が掃除機に吸い込まれたように、ブレスレットの中に入っていった。



「すごい技術だね、本当にライダーになったみたいだ」


「ミーユ様があなたの為に作ったものですからね。 とことんあなたの好みなってますよ、では私が案内するので川に向かいましょうか」



 鎧をしまうと、手首に付いているブレスレットからナービの声が聞こえてきた。



「ありがと、よろしく頼むよ」



 川に向かって歩き始めて、歩きにくい森の中を枝や葉っぱをかき分けながら歩いていく。



 「そういえば、どうしてナービとかミーユは、地球の言葉とか知識に詳しいんだ?」


 「それはですね、地球を長い間観察してきたミーユ様は地球の文化に触れていくうちに地球を好きになり、知識を取り込んでいきました。 そしていつものように地球を観察していると事故に遭ったあなたを見つけ放っておけずにこういう事になりました」


 良くピンポイントで俺が事故った所を見てたな、幸運だったな。 他にも何個かナービに質問しながら歩いているうちに、川の流れる音が聴こえてきた。


 やっと水が飲める。 川が見えると自然に小走りなって向かっていた。 川まであと少しの所で、川から水が流れる音とは違う、桶にお湯を入れて体を流す時のようなバシャっとした音が聞こえてきた。


 川のすぐ手前の木の陰にに身を潜める。 人か? もし人で山賊とか怖い人だったら、どうしよう。 鎧で戦うとか想像出来ないし、話が通じれば良いだけど。


 おそるおそる木の陰から顔を覗かせる。 そこには綺麗で赤く長い髪をした女性が裸で水を浴びていた。

 見た目は同い年くらいに見え、俺はその綺麗な長い髪に思わず釘付けになった。


 このまま眺めてるっていうのもありなんだけど始めて出会った人だし声を掛けないと、でも裸で水浴びしている所にいきなり知らない人に声を掛けられたら誰でも警戒するよな、かといってこのままずっと覗いててもただの変態だし、どうしようか。



 「リュウさん、言語に関しては大丈夫です。 鎧を通じて体をいじってあるんでさっさと話しかけに行ってください」


 「今いじるとか言わなかった? そんな感覚で俺の体改造されてるの?」


 「良いから早く行ってください」


 「わかったよ」



 俺は意を決して喋りかけに行こうと木から体を出した時川を挟んで、逆側の木の陰から狐のような生き物がが彼女に鋭い視線を送っているのに気づいた。


 彼女は狐にまだ気づいてないみたいだ。 ゆっくりと狐は木と木を隠れながら移動し女の子に近づいていく。


 どうにかして彼女を助けないと、でもどうすれば良い。


 「何の為の鎧ですか、さっさと変身して助けてください」


 「でもさ! 俺嫌だよ、あんなのと戦うなんてさ」


 「でもじゃありません、ここで助けない方が1000倍あなたは後悔する、断言出来ます」


 「わかった…………やるよ、助けよう」



 確かに今彼女を助けられるのは俺しか居ないんだ、やるしかない……………やるしかないんだ!



 俺は呪文のようにその言葉を繰り返し心に唱えた。 そして川に勢い良く飛び出し、手首に手を掛け、俺は叫んだ。



 「変身!!」



 鎧は装着され、強烈な輝きを放つ。



 「狐! かかってきな!」



 俺じゃなくてナービがカッコいいセリフを言い放った。

今日は後1話投稿します!

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