第19話聖都レグルス
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第19話聖都レグルス。
「すまないが、3人は後ろの荷台に乗ってくれ。俺は馬車の手綱を引くからな聖都までは丸1日ぐらいだ。適当にくつろいでくれ」
「わかりました! ほらミラ! 行こうよ」
「もう嫌だ! 行かない! お母さんとお父さんと一緒に居る! おばあちゃん達とも離れたくない!」
ミラは昨日夜に村のみんなにお別れをしに行ってからこの調子だ。 聖都に行くのを1番楽しみにしてたのに。
「ミラ! 早く乗ってくれよ。ミラが1番乗り気だったじゃん!」
「やっぱり悲しいんだもん! 2人で村に残ろうよ!」
「もーーめんどくさいなあ。どうせ明日になったらやっぱり行きたかったとか言ってるから! ほら早く行くぞ」
「もう! わかったよ! 聖都行っても私のお世話は全部リュウにやって貰うからね! 私を無理矢理連れてくなら責任を持ってね!」
無理矢理じゃないだろむしろ逆だ。人聞きの悪い事を言うな。全くこれから先が思いやられるな。
「わかったわかった。全部やってやるよ! 風呂だって全部体洗ってやるよ!」
「へ、変態! 最低!!」
ミラは俺の頬を叩いた。本当に力が強い。顎が外れる所だったぞ。
「ビンタする元気も出た所で出発するからはやくのってください!」
「もう! わかったよ! 乗ります!」
「よろしい! ほらお嬢様、お手をどうぞこちらへ」
わざとらしくお辞儀をしてミラを荷台に招き入れた。
「マルー、準備は大丈夫か?」
「ああ、元々荷物は多くはないからね。あいさつもアックスさんぐらいにしかしていないしね」
「そうか、まあ知り合いは聖都で沢山作ればいいさ!」
「そうだね、楽しみだ! 早く出発しよう!」
「そうだな! マイトさん全員乗りました!」
「了解〜〜。しっかり掴まってろよ!」
馬車は馬達の力強い足音を立て聖都へ出発した。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆
もう馬車に揺られ、随分経ち日は落ち辺りは暗くなってきた。ミラは乗って10分もしないうちに、泣き疲れたのかぐっすりと寝てしまった。
マルーは起きているのか分からないが隅で剣を抱えながらうずくまっている。
「おい、マルー起きてるか?」
「ああ、起きてるよ」
「ごめんな、俺とミラの事に巻き込んでしまって」
「いやそんな事言わないでくれ。こちらこそ怪しいと思ってたのにここまでしてくれてありがとう。リュウもミラも恩人だよ」
「照れくさいからやめろよ。きっとなにもかも人に全て話すなんて出来ないよ。お互い話したい時に話せば良いさ」
「ああ、そうなのかも知れないな。それでリュウは聖都に行ってなにをするつもりなんだ? やっぱりミラの面倒を見るというか守るというかそんな所?」
「そうだな、確かにミラは気になるけどそれよりももっとしたい事があるかな」
「おーー、それはどんな?」
「昨日の夜考えたんだが、どうせ行くなら前向きに警備団で人の役に立とうと思ってね」
「それは立派じゃないか。ミラもリュウもなんだかまともに見えてきたよ」
「元々まともだわ。そうだな、やはりこの変身の能力からして俺の通り名はあれしかないな!」
「なんだよ、聞かせてくれ」
「月夜に照らされる、鎧の輝きは聖都の悪を1つも逃がさない! 人呼んで鎧の戦士! 異世界ライダー竜とは俺の事だい!!」
俺は歌舞伎役者のように顔を揺らしキメ顔をマルーに向かってキメてやった!
「うーーん、まあまあだね。リュウの活躍しだいかな」
「反応薄いわ! ミラなら多分飛び跳ねて喜んだぞ!」
「悪い悪い」
俺とマルーは顔を合わせて笑い合った。 そんなバカな会話は寝落ちするまでずっと続いた。
「おい! 起きろ3人共! 着いたぞここが聖都レグルスだ!」




