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第16話マイトと力

第16話


「という事でリュウとマルーの聖都行きが決まりました! はい拍手!!」




 ミラはナービを肩に乗せ拍手をしながら、俺の方を嬉しそうに見ている。 




「後悔はしてない?」




 振り返るとマルーが嫌味たらしく笑っている。




 「あーー、あーー、してませんよ〜〜。ミラが心から心配だし、俺が付いていかないとどうなるかわかったもんじゃないからね! ていうかお前も一緒に来るんだからな!」


「僕は元からそのつもりだよ。君に興味があるし、聖都に行けば色々役立つ事がありそうだしね」


「そういえばお前森から来たとか言ってたけど、どうやってここまで来たんだ?」


「教えてなかったっけ? 君と一緒で、海を渡ってきたんだよ」




 確かに川の先に大きな海はあるが木の上から海を眺めても地平線が見えるだけで陸地は見当たらなかった。その先に陸地があったとしても1人で操縦出来るような船でここまで来れたとは到底思えない。誰か一緒に来た奴が居たはずだ。




「お前、本当に1人でここまで来たのか?」


「じゃあリュウこっちも聞くけど、君も本当に海を超えて来たのかい?」




 ここで他の世界からきたなんて言えるわけも無く、何も答える事が出来ずに沈黙が続く。




「言いたくないなら答えなくていい。だが、僕の事もこれ以上追求するのは辞めてももらおうか。だが、僕の事は信じて欲しい」




 マルーは俺の目をはっきりと見て堂々としていた。




「わかった。信じるよ」




 マルーからは敵意は感じられなかったし、信じて欲しいと言われたら信じてあげるのが男ってもんだ!




「あのお二人さん、内緒話なんかしてないでよ! マイトさんが待ってるでしょ!」




 ミラが早く早くと手で手招きをしている。4人でテーブルに座りマイトさんが話を始める。



「そうだな。そろそろ警備団の説明をしても良いかい?」


「待たせてしまってすみません。よろしくお願いします」


「よし、じゃあまあ説明は後でいいや。早速で申し訳ないけど、君達の実力を見せてもらおうか。全員で良いから俺にかかってきな」


「私達に喧嘩を売るとは良い度胸してるじゃん! 表出な!」




 お前はヤンキーか。もう少し礼儀をしっかりしてほしい。ミラは小屋の外に出てポキポキと指を鳴らし顎を上下に動かしマイトを挑発している。チンピラすぎる!!





「俺に挑戦的な態度で挑んでくる奴は久しぶりだ! 全員で良いと言ったんだが、ミラ1人で良いのか?」


「もちろん、俺とマルーも一緒に戦いますよ!」





 小屋の外に出てミラの側に駆け寄るり肩に手を置くが、ミラは素早く振り払った。




「私1人で戦う! 手を出さないで!」


「何をそんなに焦ってんだよ。3人で戦わないと勝ち目は無いと思うよ?」





 諭すようにミラに語りかけるがミラの目はやる気満々と言う感じだった。もう好きにやらせてあげよう。もしかしたら勝てるかも知れない。





◆◆◆◆◆◆◆◆◆


 やる気充分殺る気も充分! 今の私は最強だ! あのクソ狐と戦った時は私はあまり役に立てなかった。だから! 少しでもリュウに近づけるようにマイトさんを倒す!




「マイトさん!覚悟は良い?」


「いつでも良いが、そちらも手も足も出ずに負ける覚悟はしておけよ」


「するわけないじゃん!」




 足に魔力を貯め、マイトさんの周りを高速で周りながら電撃を放つ。




「感電しな! 雷撃!」





 避けもしなかったな。案外警備団っていっても呆気ない。マイトの方を見ると煙が晴れ、無傷でそこに立っていた。ムカつく!




「ミラは魔術師か。魔術師にしては魔法が生温いな。反撃しないから試しにもっと強い魔法を打ってこい」


「このクソデカハゲ頭の脳筋野郎が! お望み通り打ってあげるわ!」





 魔力を一点に集中させ、魔法を放つ。

 脳筋野郎は厚い筋肉のせいで魔法を全然通さない。




「ハゲなのは認めるが、それにしても弱い弱い! 君には期待していたんだがな」


「バカが! 私の全力はこの拳だ!」




 魔法を打ったと同時に距離を詰めていたから無防備な腹に拳は思い切りめり込んでいった。これでマイト私の勝ちだな。





「マイトさんには期待していたんですけどね!! あれ??」





 抜けない! 拳が全く抜けない! なんだこれは筋肉か? めり込んだ箇所がしまって拳をピクリとも動かせない。





「今のは少しだけ痛かった、だが俺の筋肉の前では全てが劣る! 君1人では力不足だ」





 マイトは私の拳をゆっくりと抜くと私の金玉を蹴るという必死の抵抗も虚しく体をヌンチャクのように振り回し始めた。やばい酔う酔う酔う!!!





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


 「あちゃーー、リュウあれ大丈夫? 回すスピードが早くて

ミラの顔が何個もあるように見えるけど」


 「あれはやばい。白目向いちゃってるし、とりあえず下ろして貰おうか」


「じゃあ俺に任せて。なんか仇取りたくなっちゃった」


「お前もかよ。3人じゃないと勝てないって!」

 

「いいから見ててよ」





 腰から2本の短い短剣を取り出す。





「すみませんけど、そこのバカ女下ろしてくれませんかね?」


「次はマルーか、良いだろう。中々ミラは楽しませてくれたが君はどうかな?」





 回転が止まりミラは地面にぐったりと横になって「気持ち悪い、気持ち悪い」とぶつぶつ情けなく呟いている。




「まあそこで倒れてる奴よりは頑張ろうかな」


「君にも1発好きに打たせてあげよう。さあ、来なさい」


「じゃあ、遠慮なく」





 2本の短剣をマイトに躊躇なく振り下ろすが傷1つなし。1発と言われたが関係ない。息の続く限りマイトの体に連撃を浴びせる。





「はいっ!!」




 微かにマイトのはい! という声が聞こえ拳が動いたかと思うと俺の体はアックスさんの小屋の壁を突き破っていた。


 体全然動かないし今のなんだよ? 正拳突き? とにかく何も見えなかった。これは強すぎる。無理無理、俺じゃ勝てないわ。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「もう〜〜、だから言ったのに2人とも全然言う事聞かないじゃん。ナービ、それでマイトさんのデータは取れた?」


「はい、取れました!」


「勝てそう?」


「おそらく、ミラとマルーと鎧の力を使えば勝てると思います」


「勝てるなら戦うか。さあ2人を起こして反撃開始だ!」

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