第14話召集
日常回です!そろそろ、修正の為のお休みを取ろうと思います。
いやーもう一生この生活が良い。 朝起きて、顔を洗って、ご飯食べて、アックスさんの仕事手伝って、川で釣りして、昼食べて、寝て、寝て、寝て、素晴らしい! こういう時間に縛られないスローライフを俺は送りたかったんだよ。
「またあなたはそんな事を考えて、竜神を倒すんじゃないですか! 修行しましょう! 修行!」
「嫌だよ。もう戦いたくないよ。竜神の老衰を待ちましょうナービさん」
「竜神が竜だとしたら竜の平均寿命は一万歳です。あなたの方が遥かに早く死にますね」
「そんな事言ってもさ、せっかく手に入れた平和を手放したくないわ。ずっとマルタ村でグータラしよう!」
「本当情けない人ですね……。しっかりしてくださいよ。とにかくアックスさんの仕事を手伝いに行く時間ですよ。早く支度してください」
この前に妖天丸さんから白いドラゴンの体を貰ったナービは、まだ飛べないものの、俺の腹の上で起こす為に飛び跳ねている。
「わかったわかった。起きるよ」
俺はやっとベッドから這い出て顔を近くの川まで洗いに行き、服を着替え、アックスさんの家に向かう。おもむろにブレスレットに手をかける。
「またですか! わざわざそんなくだらない事の為に変身しないでくださいよ」
「くだらないとはなんだ! 人間は楽をしたい生き物なんだよ!」
「妖天丸さんに怒られますよ」
「確かに。でも背に腹は変えられぬ!」
「本当しょうがない人……。私も結構大変なんですからね」
ナービは竜の体のまま俺の腕に巻きつく。すると、みるみるうちに小さくなり白いブレスレットに戻っていった。
「変身!!」
辺りの草木が一気に揺れ、落ち葉がたくさん降ってくる。落ち葉の隙間からは綺麗な紅葉色の鎧が見え隠れしていた。この前の戦いから鎧の色はまだ赤いままで竜の力が抜ききれてないみたいだ。
「よし! 変身完了!
そして九尾フォーム!」
ブレスレットを2回、素早く捻る。
そうすると、腰の辺りから尻尾が9本生えてくる。そして俺は4本をベッドがわりにして残りの5本を足にして寝たままアックスさんの家に向かった。
これぞ、夢のベッド出勤!!
「あんなに変身したくないと言っていたのに、今じゃ毎日変身ですよ。人は変わりますね。それにバイクで良いんじゃないんですか? この調子で戦闘になっても颯爽と変身してくれれば良いんですけどね」
「バイクだとゆっくり風景なんて見てらんないし、ゆったり出来ないじゃん! あとそれとこれとは別問題だから。今度からは絶対に勝てる相手としか戦わないから!」
「ま、なんでも良いんでとにかく戦う時は私の指示に従ってください」
「わかりましたーー」
「今にも寝そうなトロッとした声で返事するのはやめなさい!」
「寝てないから! 瞑想だから今の!」
「ミラだったら殴られている所ですね。ほらもうアックスさんの家ですよ」
「ミラならミンチなってるよ。アックスさーーん! 今日も来ましたよーー!」
小屋のドアが開きアックスさんが出て来るが、その後ろに問題児が背の高いアックスさんの後ろでぴょんぴょんと飛び跳ねこちらを見ている。
真っ赤な髪の毛。跳ねるたびに揺れる胸。イかれた脳みそ。もう分かると思うが一応言っておく、ミラだ。
「ほら今日は客人がお前に来ていてな。客人も中で待ちきれずに外に出てきた見たいだが」
「リュウ! 会いたかったよーー! もう怪我は大丈夫?」
「痛い痛い。そんな強く抱きしめないで、今怪我しちゃうよ」
「あーーごめんごめん!」
………………ミラはずっとこっちを見つめている。
「要件は?」
「………………忘れてた! そうだ会いに来ただけじゃなかったよ! うちの家にリュウとマルーに会いたいって人が来てるから来てくれる?」
「いいけど、なんで?」
「なんかね、狐を私達が倒したって事になってるじゃん。それで狐討伐の力を認められて、聖都からわざわざ私達を見たいって、男の人が来てくれたんだよ!」
「名前は?」
「忘れちゃった!」
「そうだと思ったよ。とりあえずミラの家に向かおうか」
「うん! マルーは先に私の家に居るはずだからね」
俺はこの楽て怠惰な生活が壊れていく予感を抱きながら、ミラの家に向かった




