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第13話森からの脱出

第13話



「本当! 良かったよ〜〜! リュウが死んじゃったらどうしようかと思ったよ〜〜! 初めて出来た同世代の友達だったから」


 よく泣く娘だ。さっきから剥がして少し経ったらリュウ君に抱きついて、剥がしては、抱きついての繰り返しだ。


「ほらどきなさいミラ」


「うっさい! バカ狐! あんたがリュウをこんなんにしたんでしょ! 治療が終わったら八つ裂きにしてやるからね!」


 怖い怖い、近頃の娘はこうも気性が荒いのか? いや、この娘だけだろうな私は尻尾を使いリュウの体を回復させているがこれが難しい、リュウ君の体の魔力回路はいわば壊れてしまった蛇口だ。


 今までは化け物が少しずつ捻って力を上手く使っていたようだがさっきのあの凄まじい一撃によって蛇口が完全に壊れ、常に水が出しっ放しになってしまっている状態。


 これでは到底人間の体も持つリュウ君が耐えられるはずもない。


 どうしたものか。「手首の化け物よ、起きているか?」


「私ですか? 私にはナービという名前があります! 化け物ではありません!」


 どこからどう見ても化け物だけどな、まぁ本人が気づいてないならそれで良いだろう。


「ではナービよ、私の尻尾をお前に当てるから魔力を吸い出して早く鎧を再生しろ。いやこの姿のままでは少しやりにくいか少し待て」


 8本ある尻尾で体を全て覆い隠すと体がみるみるうちに人の姿に変わっていく。


 これで良し! リュウの腕のブレスレットに触り魔力を流し込む。


「あんたそんなイケメンになれんの!?」


 ミラが目を白黒させて驚いている。


「狐だからな、変化の術ぐらいは使えるさ」


「そんなチャラチャラした顔になったって、八つ裂きにするのは変わらないんだからね!」


「わかりました」


 猿かこの娘は。キーキーキーキーとうるさいな。


「ナービよ、この鎧は素材は知ってるか?」


「いえ、ミーユさんに鎧の運用方法しか教わりませんでしたので」


「あのクソ天使め、私の尻尾を1本引きちぎり持ち去り何使うかと思えばこの鎧に使っていたとはな、リュウ君がマルタ村に来た時から気付いては居たけどまぁ良い今はリュウ君の回復が先だ。 ナービ、鎧はもう再生出来たか?」


「出来ました! リュウはまだ起きませんけどどうするんですか?」


「こうするのさ!」


 鎧の中にある尻尾に魔力を送り、鎧の基礎能力と狐の能力も追加しておいた。これで竜の力を楽に引き出せるはずだ。


「ついでにほい!」


 ブレスレットを宙に操り、魔力を送るとブレスレットが煙で包まれたのちに小さな白い竜が現れた。


「これは! 何ですか! 私の体!? ありがとうございます」


 ナービは小さな翼をはためかせている。


「いや、良いんだ元に少し戻しただけだからな」


 これで後の問題は魔力回路かこのぐちゃぐちゃ具合はどおしようかな。


「ねぇ! まだ?! リュウはいつになったら治るの?! それに1番傷ついてる所を治してないじゃん! もうどいて!」


「この魔力の乱れを君は分かるのか?」


「わかるも何も普通に見て分かるでしょ!」


 ミラはリュウの胸に手を置き見事な手際で体内の回路を繋げていっている。 


 この年で体内魔力まで感知できるとは神の祝福持ちか。素晴らしい才能だ。


「良し! これで終了! 後は鎧着せとけばリュウ起きてくれると思うけど」


「後は神ではなく狐に祈るしかないな!」


「あんたそれ面白いと思って言ってんの? やばいほどつまんないけど」


 本当嫌な奴だ、こっちは何年生きてると思ってるんだ敬意を払え敬意を。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「ちょっとミラ、重いよどいて」


 目を開けた先に居たのは絹のように滑らかで白い小さな竜だった。


「やっと起きました! 本当心配したんですよ! 私誰だか分かりますか? 私です! ナービです! 妖天丸さんが体を作ってくれたんです」


「そうか、ナービか。そういえば声が似てるな。無事で良かった」


 竜になったナービを抱き寄せ抱きしめる。


「ねぇねぇ、私は? 親友の私にはハグはないの? いやもう絶対今ハグしろ! 早く!」

 

「わかったよ」


 ミラを抱き寄せる。胸に全神経を集中させ形を楽しむ。いや決してやましくはない。まだ起きたばかりで頭が混乱してるのだ。


 ミラは満足そうな笑みを浮かべる。


「マルーもありがとう! それでさそこのめっちゃイケメンな人は誰なの?」


「人に変化した妖天丸さんですよ」


「そうなんだ。この鎧とか治療も全部してくれたの?」


「そうです。妖天丸さんが居なかったらリュウと私は死んでいました」


「礼には及ばないよ。君がその鎧を正しく使っているうちには殺さないでおくよ。僕の一部も入ってるしね。その鎧には、狐の力で鎧を改良したから使い方はナービに教えておいたから後で聞いてね」


「偉そうに! リュウと良い勝負してたらしいじゃん!」


「ミラ、無理だよこの人に勝つのは。さっきの戦いでも一切魔法を使ってないんだ。全て体の力だけだったんだよ」


「そんなことないさ。君は充分私に勝てるようにはなると思うよ。経験が圧倒的に足りないけどね。まずは少し休むと良いよ。生死の境を彷徨っていたんだからね」


「なら妖天丸さんが戦いを教えてくださいよ! 一緒に来てください!」


「いや、それはダメだ。私も私でやる事が出来てしまったのでね。だが、出来る限りは手伝おう。ナービを通して情報は交換出来るようにしておくよ。村の人達には悪い狐は全員倒してたと伝えておいてくれ」


「分かりました。また会いましょう。妖天丸さん」


「必ずまた会う時は来るよ。その時に私が君を殺さなくて済むようにしておいてくれよ? あと、その狂犬のしつけも頼む」


 今にも飛びかかりそうなミラを押さえながら俺達3人は森を後にした。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


 俺達の冒険はここからだ! と大声で言ってこの物語も終わりにしたいんだけどそうはいかない。まだまだ始まったばかりの物語、俺は2人の為に命を投げ打って行動に出たが次も同じ行動が取れるかどうかはわからない。とにかくナービは体を手に入れられて良かった! ミラは短気だけど胸は大きい。マルーは今の所得体が知れないけど、良いやつだと思う。異世界での生活始まったばかり。いや、異世界ライダー竜はこれからがスタートだ!


 そういえば村に帰る途中で鎧を見てたから九尾のマークの紋章が消えてた。





次回から新章です

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