第11話究極の一撃
今日は二回投稿です!
「決まりました。 妖天丸さん」
「聞かせてもらおうか、仲間を殺すのかか自分を殺すのか」
「俺はあの2人を見殺しにするなんて出来ない。 だけど自分の命が惜しくないとかそういう事じゃない、出来れば逃げたいけど俺は2人を見殺しにしてそれを背負って生きていく自信なんてないからさ、つくづく普通の判断しか出来ない自分が嫌になるよ」
「それが君の判断なんだね?」
「はい」
「約束通り、君の仲間達を襲わせるのはやめにしよう」
妖天丸が目を閉じ、また目を開けると威圧感がさらに増した。
分身を本体に戻した事により力が戻ったのだろう。
「じゃあ約束通り君の命を貰おうか」
妖天丸尻尾を全て広げ、ゆらゆらと揺らし始めた。 大木全体を覆うほどの尻尾の長さは圧倒的で神々しいが今は忌々しいだけだった。
「ナービ! サポート頼むぞ! 」
「任せてください、きっと勝てます!」
妖天丸の尾が大きく弧を描きながらしなり一気に振り下ろさせれる。
「ものすごいスピードです。回避不可能です!」
「竜化だ!」
「でも!」
「良いから!」
「わかりました。前回よりも出力を落として竜化を実行します」
左足と右腕が熱くなっていく、鎧は赤く染まり、頭部には小さなツノが生え、装甲が何枚も足されて鎧は厚みが増していく。
「振り下ろしきます!」
右に今までとは比べ物にならないぐらいのスピードで避ける。
凄まじい音共に尻尾が振り下ろされた地面には大きなクレーターが出来る。
「竜化成功です! これで攻撃が避けれます! 言ったそばから追撃右から尻尾での薙ぎ払いです! その場で地面を蹴り上げて避けてください!」
言われた通り地面を蹴り上げて飛び上がるが追撃はさらに続き、気づいた時には目の前に尻尾があった。
「回避間に合いません!衝撃に備えて、体を丸くしてください!」
尻尾は体に直撃しサッカーボールのように飛ばされ大木内の壁に突き刺さった。
「リュウ! 大丈夫ですか! 鎧の損傷率30%ですが竜の力でどんどん修復されていきます、戦闘可能です」
「なんとか大丈夫! この鎧遠距離の攻撃手段はないの?」
「ありません。 あなたが手術を受けてからまだ時間が立っていなくて、魔力回路がまだ人間のままなので魔力を放出なんてしたら体が吹き飛びます!」
「じゃあどうやって攻撃すれば良いんだ、あ! 魔力で鎧を修復出来るんだよね?」
「はい出来ます。 ちょうど、今修復完了しました」
「じゃあ、鎧と同じ素材を生成する事も出来る?」
「出来ますけど、どうするんですか?」
「鎧をバイクにして作れる?」
「さすがですね!こんな時でもライダーの誇りを忘れてないやってみます!」
鎧の腕が外れどんどん膨れていきバイクの形に少しずつ変わっていく。
「なんだよライダーの誇りって、とりあえず移動速度をを確保したいからね」
「バイクもうすぐ作成完了します。あなたの体に竜の力を付与するわけではないのでありったけの竜の力をバイクに搭載しました」
「もう死んだの〜〜? つまんないんだけど」
妖天丸の退屈そうな声が聞こえる。
「いや、生きてますよ。 そろそろ終わりにしましょうか」
ナービのバイクの力を信じハッタリをかます。
「君の命の終わり?」
「いや、この戦いの終わりですよ」
「面白いじゃん、やってみなよ!」
妖天丸は全ての尻尾を使いあらゆる方向からの殴打を繰り出してきた。
「ドラゴンバイク完成です!早く乗ってください!」
「そのネーミングは後で要相談だから!」
俺のカッコイイバイクのイメージがハーレーだったからなのか、バイクは真っ赤なハーレーになっている。
バイクに跨り、ハンドルを捻るもちろん無免許なので、運転はナービがやっている。
バイクは狐の尻尾をするすると避けて、大木内の壁を螺旋状に登っていく。
「これが竜の本当の力です! 重力くらいは無視ですよ、無視!」
大木の壁には螺旋状に赤いタイヤ痕が残っていった。
「面白いね!そのおもちゃ!」
避けた尻尾は再び態勢を立て直し、追撃を加える。
バイクは上に上手く逃げていくがもうすぐ天井だ。
「どうするんだよ! ナービ!」
「焦らないで! 秘策があります!」
バイクは遂に天井に到達し妖天丸の真上でバイクごと落ち始めた。
「君は頑張ったよ、だけどもうお終いだ空の彼方に消えてしまえ」
妖天丸は尻尾の先端をを一か所に集め、金属らしきもに変化させ最後の一撃を繰り出した。
「今です!」
ナービの声が響くと大木内を螺旋状に覆っているタイヤ痕が壁から剥がれ、妖天丸の大きな体を縛り上げた。
「小癪な!」
妖天丸は力いっぱい拘束に抗っているこの様子だすぐに解かれるだろう。
「ナービ! ナイス! 次は?」
「ノープランです」
「マジ!? じゃあ俺の左足に全ての鎧を集中させて、竜化の濃度を高めてくれ」
「わかりました、あなたを信じます、5%に高めました」
体は燃えるように暑くなり、右足は落下をしているバイクを取り込み敵を穿つ為に鋭い槍状の形態へと変化した。
「やる事は分かるよね」
「フィニッシュですね」
「分かってんじゃん!
「いくぞ!!妖天丸!!」
「身の程をしれぇぇ!! 人間が!!」
「竜雷!!!」
圧倒的な力と力のぶつかり合い、お互いの足と尾からは火花がほとばしり、大木は衝撃に耐えきれず真ん中から爆発するように弾け倒れた。
互角かと思われた迫合いはリュウの一撃に限界が訪れた。
「もう限界です! 左足の武装の耐久力がり続けています」
「もっとだ! 竜の力を持っと引き出せ!」
「無理です! あなたの体がタダじゃ済まない!」
「そんな事どうだって良い! この一瞬! この一瞬だけで良い! 勝たなければいけないんだ!」
「分かりました、死ぬ時は一緒です! 10%解放!!」
力を解放すると、鎧は竜の力に耐えられず全て砕け散った。唯一、竜の足だけが残り、妖天丸へ究極の一撃が向けられる。
「これで最後だぁ!!!! ライダーキック!!!」
一度は折れたかに思えた一撃は限界を超えた力で、全てを破壊する。
全ての尻尾を弾き飛ばし、妖天丸の脳天に直撃した。
ゆっくりと倒れていく妖天丸をみながら、俺は全身から血が吹き出し、自分の終わりを感じていた。
リュウは助かったのでしょうか!!
次も期待してください!
 




