表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/12

第一話でございます!

かぁ、かぁ、かぁ...

いたい、つらい、くるしい、いやだ、いやだ、いやだいやだいやだいやだいやだ!!!!!!

もうやめて、たすけて、ねぇ、おねがい...

おとうさん!!!!!!


反転


「お父さん!!!!!!」

自分の寝言に驚いて、俺はバッと飛び起きた。またあの夢だ。ここ最近、毎晩ずっと同じ夢を見ている。俺が親父から逃げ出してからもう数百年経ったのに、まだ俺は親父の呪縛から解き放たれていないのだろう。やはりまだまだ未熟だな、と一人自嘲じみた笑みを浮かべた。未だズキズキと痛む頭を抑えながら、煙管を吹かそうと煙管入れに手を伸ばし...そこで俺はトントントンと軽やかに階段を登ってくる足音に気付き、一度煙管入れを枕の下に隠した。


「とうさま、おはようございます!朝でございますよ!もう、朝ごはんは出来てございます!さぁ、早く装束にお着替えしてくださいでございます!」


すぱあん、と勢い良く襖を開け放ち、未だ九つ、十程の童子が忙しなく捲し立てた。相変わらず、敬語の使い方を間違って覚えているようだ。わかったわかったと頭をぽんぽんと撫でてやり、起こしに来た駄賃として蜂蜜の飴玉を一つ。ふわり、と顔を綻ばせる童子に人払いを頼み、俺は山伏の装束に身を包んだ。そして、


「捌の式、捌の式、もう人払いは結構だ。それより、参の式と玖の式に俺が起きたと伝えてくれ。」


と声を掛ける。

かしこまりましてございます、という声と共に、捌の式は階段を降りていった。そうして、俺は漸く煙管をふう、と一吹かしすることが出来た。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ