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ヤンデレ狗神と高雅の巫女  作者: 冥竜王ツカサ
3/7

森の中で

今回も日常系です。次くらいから進展あるかも……



「うーん、なかなか生えてないねぇ……」

リュートが口を尖らせながら木々の間を歩く。


「うーん、困ったわねぇ……」


沙月も少し困った顔をしながらリュートの後をついて行く


そしてその間を六歳くらいの男の子とその母親らしき女性が二人の間を歩いていた。


今日は二人で山に山菜を取りに来ていた。この神社の周りには山がたくさんあり秋に行くと美しい景色がみれる。


春に行くと山菜を成熟した山菜が沢山生えており、毎年山菜採りに来る人が多い、しかし神社の周りとはいえ少なからず猛獣やら魔獣が生息している。


そのため、沙月とリュートは山菜採りに来る人たちに護衛を頼まれる事があるのだ。


「いつもごめんなさいねぇ」


申し訳なさそうに頭を下げる親子。今日はこの人の護衛のため山に入ったのだ。


男の子の方はリュートを遊びたそうな目でじっと見ている。


「まだだめだぞーあそぶのは神社にかえってからだよ〜」


リュートは男の子の方へ近寄ると頭を撫でる。


「うん!」


男の子はリュートに頭を撫でられると嬉しそうに頷いた。



そして歩くこと数分、四人は木がひらけた場所に辿り着いた。


「うわぁ……」


四人が思わず驚きの声を上げる。


ひらけた場所にはキノコやら山菜が沢山生えていた。また僅かだが細い花が数本生えていた。


「あっ、ブローディアだ!」


沙月がまるで大物を見つけたかのように興奮して指をさした。


「「そんなにすごいのぉ?」」


男の子とリュートの声が見事に重なる


「ふふっ、この花はね、本当は青いんだけどこのピンク色をしたのは凄い珍しいんだよっ」


リュートと男の子の声が重なった事が面白くて手を抑えながら2人に説明してた


「わぁ、これほしーなー!」


男の子が目を輝かせ花を摘もうとするが


「こらっ、だめよこの花は巫女さん達が貰うのよっ」


襟首を掴み母親が止める


「でっ、でもぉ」


男の子は泣きそうな目でお母さんを見つめた。


あと10秒もしないうちに泣いてしまうあの目である


すると沙月は男の子によしよし、と頭を撫でながら花を一輪抜いて男の子の服の胸ポケットに入れた。


「よしよし泣かないの、 ちゃんとあげるわよ」


「ありがとぉ!おねーちゃん!」


男の子は一転して満面の笑みを浮かべるとお母さんに花を見せようとお母さんのもとに駆け寄った。


「ごめんなさいねぇ、うちの子が無理言ってー」


母親が男の子の頭をペシペシしながら沙月に何度も頭を下げた。


「いえ、大丈夫ですよ。花は後四輪ありますし、私が欲しいのは一輪だけですもの」


沙月がはそういいながら残りの花を摘もうと振り向くが生えていたはずの花が一輪もなかった。


沙月はフー、とため息をつくと左90度を向く、するとリュートが両手に三輪の花を持ちながら沙月の目の前に立っていた。


「はい!どうぞ!」


「ありがとう、リュート」


沙月が頭を優しく撫でるとリュートは気持ち良さそうに目を閉じるのであった。


「じゃあ目的のものも取れたんでそろそろ山をおりましょうかお礼もしたいですし」


山菜が沢山はいったバスケットを掲げながら下山を提案する母親


「分かりましたっ リュート行くよー」「帰るわよー」


同意した沙月は母親と一緒に隅の方で遊んでいたリュートと男の子を呼び戻して下山するのであった。





村の喫茶店


「すみません、なんかお団子までご馳走になっちゃって」


沙月がコーヒーをすすりながら軽く頭を下げる。


沙月達は下山した後村の麓の茶屋に来ていた。


店の大きさはそこまで大きくないが、落ち着いた雰囲気と店員の接客の良さが巷で少し話題になっている。


「はい、こちら三色団子になります。」


桃色の和服を着た女性の店員が三色団子が乗った小皿を運んでくる。


「「いただきまーす!!」」


するとリュートと男の子は我先にと三色団子に飛びつき頬張り始めた。


リュートなど二串も頬張っていて口がリスのように膨らんでいる。


「こらっ、2人とも一気に食べちゃだめよっ!喉に詰まらせちゃうじゃないっ」


母親が2人を注意する。


「「はぁーい」」


2人は食べる速度を遅くした、それでも頬張っているのだが


「はいっ 団子の白いところあげるっ」


「ありがとぅ おにーちゃん」



側から見ると早速仲のいい兄弟に見えてしまう2人であった


沙月はそんな微笑ましい光景を眺めながら三色団子を手に取った。。


最初にピンクの色団子を頬張る。


少し酸っぱい梅の味が口の中に広がる、梅の味を口の中で堪能してからお茶を一口啜る。


少し苦い緑茶の味が梅の味を消してくれる、緑茶の味も絶品で苦すぎず、お茶の味もそこまで濃くなかったため喉につっかえない。


そして2個目の白団子を口の中に入れる。


白団子の純粋な甘さがおいしい、沙月は白団子の味が三色団子の中で1番気に入っていた。


そして最後に緑団子を口に放り込む、口の中に豊潤な抹茶が広がる。


お茶とは違う甘さがこれまた良いのであった。


三色団子を作った人は凄いなぁと思う沙月であった。





「そろそろ帰りましょうか」


母親が店員を呼びながらコーヒーを持った手を置く。


「ですねー、リュートー行くよー」


沙月は席を立ちながらリュートを呼ぶ


沙月の声に気づいたリュートは一緒にあそんでいた男の子を抱っこしながら席に戻った。


男の子は遊び疲れて眠っていた。


まあ当然であろう、あの後2時間ぐらい走り回っていたのだ。疲れるのも無理はない



「今日はありがとうございました、後これ、山菜の残りです。余ったので2人で食べてください」


母親が頭を下げながら山菜のはいった小さい籠を沙月に手渡す。


「いいんですか?こんなにもらって?」


小さい篭とはいえ両手で持たなければいけない量の山菜をもらった沙月は首をかしげる


「いいんですよ、私たち2人ではあの量は多すぎます。」


会釈しながら、眠たそうにしている息子の手を引く


「分かりました、ではお言葉に甘えていただきます。 ねぇリュート、この籠持ってー」


沙月がリュートの方に合図すると籠を投げた


「ほいっ」


リュートは空中に躍り出ると籠を咥えて地面に降りた。


「よくできましたー」


嬉しそうに籠を咥えてくるリュートをナデナデしてあげる沙月


その姿はまるで犬と主人のようだった


「じゃあさようなら沙月さん」


息子の手を引きながら手を振る母親。


なにげに初めて沙月の名前を呼んだような気がするが気にしちゃあいけない


「さようならー」「また遊ぼーねー」


リュートと沙月も帰路に着くのであった。


翌日

沙月「リュート、昨日の花どうしたの?」

リュート「むっふっふー、ジャーン!」

沙月「わぁ綺麗だねー、しおり?」

リュート「うん!そしてこれを沙月にプレゼントだー!」

沙月「ありがと、リュート。私からもプレゼントだよ」

リュート「お花の、かみどめー?」

沙月「うん、リュートに似合うと思ってつけてあげるね」(カチッ

リュート「ありがとぅ……//////」
















今日から期末一週間前なので投稿が遅くなります


ごめんなさいっ 

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