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白の喜び白の嘆き
執務室には二人だけが残っていた
「あれは本当に本物なのか?」
初老の白髪が訪ねる
「確実な事は言えません。ただ、あの言語はこの大陸には存在していませんから。」
それにと続く
「二人とも奇妙な物を持っていましたね」
白ローブの言葉に反応する
「うしおさんは煙を吸っておられましたし、たつおさんは真っ白な不思議な容器に水を入れて運んでいました」
「煙?」
「ええ、あれがなんなのかは分かりませがとても美味しそうなお顔でしたよ」
白ローブが笑顔で答えた
「あのお二人が何者でもきっと良いことが起きますよ。あんまり考え過ぎるのもどうかと」
そうだな、と白髪が続ける
「とりあえずだ。言葉が分からないと話しにならない。任せてもいいか?しばらく国には隠しておく」
白ローブが笑顔で頷く
「任せて下さい!特にうしおさんは絶対私が教えますから」
白ローブは嬉しそうに去っていった
白髪は鏡を見詰めて嘆いた
「ああゆうのがタイプだったのか」