ボイスパーカッション
白魔導師さんの名前はむずかしかった。
「フィフィイリーニ」さんらしい。いきなり短くするわけにもいかないし。
「フィーでいいか?」
おじぃは笑顔だ。なんとなくだがおじぃとフィーさんは会話が成立している。
護衛?の二人はノッポの方がグラスさん。
ちょっと眠そうなのがシラルさん
二人とも髪は茶赤っぽく目の色はグリーンっぽい黒だ、ちなみにフィーさんの髪は金髪で目の色は青っぽい。
やっぱ外国人顔はみんなイケメン美女に見える。
町もこんなんばっかりかよ。
しばらくするとおじぃの話しが理解出来たのか?それは分からないが護衛二人が付いて来いサインをしてくれた。
「おい、たつ。おじぃ見直しただろ?これからはグローバルに生きなきゃな!」
意味わかってんのか。
3時間ほど歩いただろうか。町っぽい外観が見えて来た。
色々と身振り手振りで護衛の二人とコミュニケーションをとってみたが名前と挨拶ぐらいしか分からなかった。二人ともいい人そうだ。
おじぃはずっとフィーと会話?(おじぃが一方的に喋ってる)している。
町は申し訳程度の外壁があり一応駐在している門番らしき人もいた。
特に通行税やら身分証もいらなかった。大丈夫か?
フィーが居たからなのかは分からないが、さっき覚えたばかりの挨拶してすんなり通れた。
「おじぃ、どこ行くんだろね?」
「さぁな、フィーはきっとお偉いさんだろうからお偉いさんが行きそうな所だろ」
町は意外にも綺麗で清潔感もあるし人も笑顔が多い。もっと殺伐とした風景を想像していただけに安心していた。
「随分とでかい建物に来たな」
おじぃの態度もな。
しばらく歩いて洋館っぽい建物の前にやってきた。
フィーが先に入っていき護衛二人に手招きされた。
中は思ったほど派手ではないが高そうな絵やら花瓶やらがある。
田舎者の俺はじろじろ見回し二階へ上がった。
フィーがドアをノックすると声が聞こえた。
フィーが先に入る、護衛二人が先にどうぞと手で誘導してくれた。どうやら護衛は待ってるらしい。
部屋は執務室らしく、椅子に白髪のおっさんが座って何か書いていた。
書き物が終わったのかフィーと話し初めた。
フィーがおじぃと俺の名前を紹介している、頭を下げて挨拶してみた。
なんとか大丈夫みたいだ。
おっさんの名前はラル-ウィルスさん、多分町のトップなんだろう。
しばらくフィーとラルさんが会話している中、急にラルさんの顔色が変わった。フィーは笑顔のままだ
「なんか失礼な事した?おじぃ」
静かに聞いた
「いや、なにも」
おじぃ、音量下げろよ。聞こえてるだろ
さらにラルさんの顔色が悪くなる。
しばらく唸ったあとラルさんが誰かを呼んだ。
執事とメイドが来た。
フィーがおじぃに話しかける、俺には分からないがおじぃは理解しているのか?
「たつ、多分だがここに泊まれるらしい」
「おじぃ、いいのかよ」
「俺らついてるな!」
一応ラルさんにあいさつして執事さん達に付いて行く。
大きな部屋に通された。ベッドが二つあるからおじぃと一緒かな?執事さんが何か言ってベル置いて出て行った。なるほどね
「おじぃ、とりあえず第一目標は達成したね」
「そうだな、人はいたし治安も良さそう。こんなでかい部屋まで用意してもらえた。」
「次は言葉か」
「たつ、言葉は確かに必要だが。一応ここでは用心しろよ」
「あーあ、またかよ当てるなよ」
「とりあえず今日はさっさと寝るに限る。お休み」
本当にさっさと寝やがった
おじぃやっぱ疲れてたのかな?俺がもうちょいしっかりしなきゃな。
その日は全然寝れなかった。
久しぶりに聞いたおじぃのいびきは眠気を吹き飛ばした。