初めて聞いたけど?
「そういやさ、ちゃんと聞きたいんだけど。アマルの石の事。俺全然覚えてなくてさ」
しばらく歩いてやっと川を見つけた、今は下流に向かって歩いている。
「俺も昔おじぃから聞いたんだけどな、詳しい事は知らないが」
少し間があって話し初めた。
「ニライカナイってたまに聞くだろ?」
「ああ、なんだっけ?天国だったか地獄だったか楽園って奴でしょ?」
「いろいろあるがな、そんで俺らの住んでる島はその楽園に近いらしい」
「そんで?」
「もともと今ある集落は別の人達が住んでいたんだが戦争やら病気で全滅さ」
「え?じゃあ俺達は?」
「戦争の後の移民なんだよ、俺のおじぃとおとぅが島に移り住んだ。ただな、全滅は全滅なんだが生きてる人もいた。別の集落にな、そんで俺のおじぃがアマルの石の管理をお願いされたらしい」
「そんで?ニライカナイは?」
「俺のおじぃが言うにはアマルの石がニライカナイへの道だと聞いていたらしい。まぁおじぃも信じてなかったけどな」
「なんだ結局分からないんだ」
「ただここは楽園では無さそうだし、神隠し的ななんかかもな」
俺こんな話絶対聞いてないよ。誰かと間違えてるな「とまるは知ってるの?おばぁもさ」
とまるは妹だ兎丸って変な名前だけど一応かわいい奴だ。ちなみに卯年ではない
「おばぁは知らないだろうな、とまるは…分からん、あいつは知りたがりだから」
大分歩いた、川は少し幅が出てきたか。
そろそろ集落の一つや二つあってくれたら助かるのに。そんなに甘くないらしい。
「今日はこの辺で休むか?川は少し離れるがな」
おじぃは川で魚をとってから少し離れたとこに行くとの事
「ここで焼いて食って別の場所で寝よう。慎重過ぎるぐらいがいい」
正直しんどい、歩くのが疲れるなんてしばらくなかった事だ眠気がひどい。
明日は集落を見つけられるだろうか?
「おじぃ、人って居るのかな?」
「さぁな?まだ諦めるには早いだろ?問題は人が居た時の方だ。まず言葉が通じるのか」
そういやそうだ、外国でも紛争地帯だとヤバいかもだし異世界や違う惑星だったら通じないな。
「問答無用で捕まったりしたら笑ってやるよ。それなら通じるかも」
「たつ、もし人を見つけても大声なんかだすなよ
」さすがにそれぐらいは分かる、と自分に言い聞かせた。