住所不定無職
「御神木の地下洞窟」
まえがき
この本を読む上で知っておかなくてはいけない事がある。
我が国キジム神教国は御神木に依存している国だ、キジムだけでなく大陸全体にまで及んでいる。
そしてそれを管理するのがキジムの子孫であり神官である。そして神官は御神木の管理を怠ってはならない。これを考慮して本書を読んで頂ければ幸いだ。
長いので要約すると
御神木の根元に洞窟が存在している
二千年ほど前から確認されているらしい
神官はその洞窟から毎年根の状態を確認する
洞窟は神官しか入れない
真相は定かではないがキジム神が住んでいる
キジム神は洞窟から出られない
神官は洞窟内で一年過ごさなくはならない
何故このような事をしなくてはならないのか?
作者の見解はこうだ
洞窟はキジム神が作ったもので御神木が寂しい思いをしないように神官を一年住まわせている。との事だった
さて、どうだろうな。作者の見解は違う気がする
勘だけど。おじぃ方式はムカつくが。
ただ、キジム神が生きているなら何故おじぃが必要なのか?
おじぃがいるのに俺へのお願いはなんなのか?
結局は聞いてみなきゃ分からない。聞いたら引き返せない。
選択肢なんか最初から用意されてなかった。
こうなったら開きなおって遊びにでも行くか。
異世界の娯楽ってなんなんだろ?
一階へ降りる。丁度いい、アマリアに聞こう
「アマリア、ちょっといいか?」
「なに?デートのお誘いですか?」
「それもいいな、行くか?」
でも、こいつ仕事中だった
「本気?冗談だったら殴るよ?」
「本気だよ、ただアマリア仕事だろ。」
「いいのよ、暇だし。女将さんに聞いてこよ」
「んじゃ、待ってる」
なんか忘れてる気がする、まぁ忘れるぐらいどうでもいい事だろう。
「おまたせ」
改めてアマリアを見ると綺麗だなと思う。少し高い鼻に二重まぶたで目もぱっちりしてて唇は薄めだ。
金髪で瞳のいろは暗い緑。正直どストライクだな。
「なに?じろじろと」
「いや、綺麗だなぁと。そうだ俺さ、キジムの娯楽ってか遊びを知りたくて。」
「お世辞ありがと。遊びかぁ、なんでもいいの?」
「まかせるよ、俺何も分からないから」
「分かった。後悔しないでね」
今までで一番いい笑顔で言った。
「で、ここは?明らかに遊ぶとこじゃないけど」
「私にとっては遊びなの、特に相手はあなただし」
ここって絶対遊ぶ場所じゃない、怒号も聞こえる
「はい、さっさと行く」
「師匠、ちょっと訓練所使っていいですか?」
アマリアの師匠らしい、やはりここは道場だ
「あまりいじめるなよ」
「たつおは何か使える?」
「例えば?」
「剣、槍、斧、その他」
「俺は鉈ぐらいしか使った事がない」
「じゃあ木剣でいいね?私もそうする」
「固いし重いな木のくせに」
「さぁ、かかっておいで」
1時間ほどぼこぼこにされ続けた。
「お邪魔しました」
あちこち痛い、やりすぎだ
「たつお弱いね」
「剣なんか触った事すらないからな」
「ごはん行こ、ごはん」
俺もはらへった
適当な店に入った
「アマリア、おすすめは?」
「ガムは食べたでしょ?じゃあウシの網焼きとかは?」
「それにする、うまそうな名前だし」
さて、名前負けはやめてくれよ。
完全に鶏肉でした、ありがとうございます
「美味い、久し振りだ」
「食べた事あったの?」
「昔な」
「ねぇ、たつおって何してる人なの?ハビルから来たんでしょ?」
住所不定無職とは言えないよ、はずかしい……
「言えないんだ、すまない」
「こっちこそごめん、なんだか思い詰めてるような顔するから心配で」
「そんな顔してたんだ。悪いなぁ、せっかくのデートなのに」
デートとしてはダメダメだな。
「あのさ、アマリアは大切な人の為ならなんでも出来る?」
「………なんでもは出来ない、出来る事ならするけど」
「ありがとう、少し楽になったよ」
「ねぇ、何か危ない事なの?」
「そんなんじゃないよ、ただもう少し頑張りたいんだ。それだけ。今日はもう帰ろうか?」
「そうだね、戻ろっか」
宿の前まで来るとアマリアが言った
「また、デートしようね」
「そうだな、いつかまた」
俺は帰れると言っていた、とまるもだ。
またいつか来れるだろうか?




