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第6話 じゃあ、もっといじめてあげようか?

みなさんどうもこんにちは!


これからチョコフォオンデュ食べてきます!

莉楠に連れてこられたのは体育館だった。虹夢学園は体育館が3つある。第1体育館と第2体育館と第3体育館。なんでそんなにあるの!!と、あたしは最初思った。でもこの学校、生徒が異常に多いから、超納得。莉楠に連れてこられたのは第3体育館だった。第3体育館は長いからあたしはみっちゃんと名づけている。ちなみに第1はいっちゃん。第2はにっちゃん。みっちゃんに連れてこられたあたしは倉庫に入れられた。莉楠と一緒に。莉楠は倉庫に入ると跳び箱の上に飛び乗った。どんな身体能力だ!!?でも、莉楠はドアを閉めなかった。


「そ・れ・でぇ?? あのいたずらは~…僕のせい?」

「…そうなんじゃないかなっ!!っていうかこっちこないでくれるかな!」

「なんでぇ~~?」

「貴様のその『えす』みたいな表情が怖い!貴様が怖い!!全体的に怖い!!!」


莉楠はゆっく~りのしのしと跳び箱から降りてニコニコしながらあたしに近づいてきたのだ。のだ。のだ。その表情が怖い。目がちょっと細められていて口角が微妙に上がってるだけ。『えす』の表情だよね!!しかも何かなその口調!!ちょっと病み気味じゃないっ!?ゲームで莉楠は愛情度が一番高い人には二人っきりの時口調が変わるとかなんとか…ってことは、あれか!?あたし、今一番愛情度高いの!?いやああああヒロイン早く来てえええええ!だってその口調、ゲームそっくーーーりなかんじでびょ~~んみたいなかんじでむにょ~~んみたいな感じでみょ~~んみたいな感じでもょ(略)


「へえ~…そうなの?」


そういうと莉楠はあたしの後ろに回った。

あたしは普通にマットの上に体育座りをしているだけなため莉楠の3分の1ほどの大きさである、ということは。

そのまま莉楠はしゃがむと耳元に顔を近づけた。


「じゃあ、もっといじめてあげようか?」


低く、甘く、囁いた。多分、あたしは顔が赤くなった。何せ莉楠の役の声優さんの声が2番目に好きだったから。声フェチにはもう……たまらんっ!!ってやつだよ。


「うひゃあっ!」

「ふふふ…かぁわいい~」


ぺろっと耳をなめられた。やっぱりこの方、スキンシップ多いですよね!!?多すぎですよね!!さらにはあたし耳弱いからほんっとそういうのやめてほしいんですよねっ!!しかも莉楠、それわかってやってるよね!?ちょっと、君のせいでこんなハイテンションになっちゃったじゃないか!


「やめろおおぃっ!!耳、こしょばい!莉楠ーーー!!?」

「ん~?何もしてないよー?」


スルッと前に戻ってニコッとキラッと笑った莉楠。そんな莉楠は頭をポンポンするとそのまま外に出た。…あたしを置いて。


「えっ!?ちょ、莉楠!!?置いてかないでよ!」

「しばらく、そこにいなよ。…あとで、迎えに来るからね」


そういって莉楠は体育館みっちゃんを出た。おい、出るなよ。出るな、出ないで!!


「莉楠!開けて!!開けてよ莉楠!」

「ダァーメ。開けたら、逃げるでしょ?」

「逃げない、逃げないからとりあえず開けて!!」

「ヤーダ♪」

「…り、なん…あけてよぉ……!!」


そう、訴えたのに莉楠はどこかに行ってしまったようで。周りを見渡すと小さい窓から少しだけ除く光が倉庫を少し照らす程度。


「………っ、……ぅ…ぁあ……!」


あたしはその場にしゃがみ込んだ。時々、 あの事 を思い出しそうになって嫌になる。あの、真っ暗で光が一つもない、狭い場所。何度助けてと叫んでも誰も来てはくれなかった。


「…け…ぃ、た………! たすっ、……け、て…!!」


はい、白状します。あたし、…閉所と暗所恐怖症です。昔、小さいときに誘拐されました。何故か、あたしの家をお金持ちだと勘違いしたどアホの方があたしを誘拐して”ミノシロキン”とやらを請求した。でもその方、やはりどアホなので警察に連絡したら命はないとか脅し系の言葉を言い忘れたようで。お母さんがすぐに警察に連絡した。犯人は身代金を要求する電話をした10分後につかまった。でも、あたしが見つかったのはどアホの方が身代金を要求した3日後だった。3日間、生きていられたのはたまたま誘拐されて放置された場所に水が置いてあったからだろう。でもやはり誘拐は誘拐。怖いものは怖いのだ。そのトラウマであたしは狭いところと暗いところが怖くなった。


「…だれっか、…だ、れかたすけて……!だれかっ、だれか!!」


ダンダンダンとドアをたたいても誰も来ない。


「……かみさま…!たすけて……!」


こんな時こそ来るべきだよ、変態ドエスショタっ子神様!

そう願うとどこからか紙が降ってきた。いつもの、紙。びくびくしながらその紙を拾うと暗くてよく読めないが、 もうすぐ迎えが来るから待っていて みたいなことが書いてあった。そんなもの、待てるわけないじゃない!ドアをまたたたく。しばらくすると手が痛くなってきてちょっと休んだ。


「ねえ……だれか、きてよぉ…!!」





バンッ!!




「…高瀬未冠さん?大丈夫ですか?」


ドアを開けて入ってきたのは、紫色のサラサラの髪の毛に縁なしおしゃれメガネをかけた紫いろの目の生徒会長の、紫巻諒しまきりょうだった。

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