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第16話 桃川芽衣子さんの知り合いの親戚のいとこの友達の親友の妹の友達Aと言います

すいません。遅れました!でもお気に入りが50近くに増えたことに喜んでる作者です。


そういえば僕最近やっとのことでスマホ買ったんですよ!ディズニーの!

パチッと目を3回ほど瞬かせるあたしとこっちをじっと見つめるイケメンカラコン二重人格。あたしはにっこり引き攣った笑いで一度扉を閉めて深呼吸をした。ふぅ…ビックリした。イケメンカラコンの二重人格野郎がいた気がしたのは気のせいですよね。じゃあもう一回入ろうか。ガラッと開けると思いっきり目をそらして奥の方にカサカサとG顔負けなスピードで入る。そのまま窓際に立ち適当に本を取る。うわあああああメッチャ視線を感じた!!!


「………何…やってるのかな………。」


まったくですよ。あたし何やってんだ。つぶやいたのはあたしじゃなくてあっちの二重人格の方だ。自分でもよくわからない。そのまま借りたい本を探す。題名は確か『虹色の夢の精霊の物語のバッドエンドのハッピーエンド』だった気が。…まったく意味が分からない題名。でもこの本にこの乙女ゲームの何かが書いてある。らしいのだ。実は夜中に神様からメールが届いてそのことが書いてあった。そのこと?



ばぁ!


神様だよ!!


実はね、そっちの世界の図書館に


攻略本みたいな本があるらしいだ!!


読んでみてちょ♪



by☆神様☆




だそうだ。イラッとしたが一応信じてきてみたのだ。結構歩き回ると上の方に置いてあった。いまだに視線を感じるが気にしない。気にしたら負けな気がする。背伸びしてとってみる。…とれない。


「んしょっ……とうっ!………えいやああああああ!!」

「しー…図書館ではお静かに?」


後ろから聞こえたひどく掠れた声が耳元で聞こえた。お化けのように掠れていた声に過剰に反応してしまったあたしは悪くないはずだ。多分。二重人格はクスッと笑うと取れないの?と笑う。正直取れませんよええ!それが何か!?って大声で叫びたくなったけどそこは我慢した。


「………はい。」


多分、こいつはとってくれるんだろう。だが!!これはイベントなのだ。ちなみにさっきの変態ぼさぼさのもイベント。ヒロイン、芽衣子さんがあたしの位置で芽衣子さんの位置が実は抹珂ちゃんの位置だった。でもやっぱりあたしがヒロインの座にいるせいでバグがおきたっぽい。って現実逃避してる間に二重人格が取ってくれた。


「えーっと…君のなま———」

「桃川芽衣子さんの知り合いの親戚のいとこの友達の親友の妹の友達Aと言います取ってくれてありがとうございましたでは失礼します」


そのまま二重人格を横切って図書室から出ようとする…が。


「っと。行かせないよ?」


いや、行かせろよ!なんで腕つかんでるの!ちょ、手を離せ!離せえええええええええええ!そして二重人格はあたしを壁に押し付けると腕をあたしの顔の横に置いてグッと顔を近づけた。壁ドンのチューしちゃおっかなーのおまけがついたバージョンだ。おまけ要らん。壁ドンもいらん。二重人格もいらん。こいつのルートはほかの攻略キャラのルートをすべて集めたような生徒会よりもフラグの塊なのだああ!


「ねえ…名前は…?」


またかすれた声でささやいてくる。あたしは顔と耳が真っ赤になる。多分これで耳が弱いことと声に弱い事バレた。よりによってこいつに。…こいつ。正体は狼さんだ。狼人間というやつ。ちょっとのんびりしてたら食べられちゃうんだああああ!…なんでこいつあたしに近づいてくるんだ?ふつう、芽衣子さんにも好感度60にならなきゃ近寄ってこないのに…。友達やほかの攻略対象を利用してって言ったらあれだけど利用して地道に好感度を上げていく最も面倒くさいキャラ(やつ)。で。なんで顏が近い!なんでこの世界のやつらはすでに好感度が高い!!この様子だと80ありそうだよ!?


「…ん?この容姿…丸い目…白い肌…黒髪…チ…小動物……。…高瀬未冠ちゃん?」


にゃああああああああああああああああああバレたあああああああああああああああああ!!!

っていうか何そのあたしといえば小動物みたいな!あとチ…って何!チビ!?チビって言いたかったのか!?


「へえー…この子が高瀬未冠ちゃんかー」

「……」

「ずっと黙ってるけどどうしたの?」

「………」

「じゃあ俺のこと教えてあげるね…俺の名前は橙羅風雅とうらふうが。ちなみに2年生だよ。あんまり学校には来るけど授業は出ない。面倒くさがり屋さんだ。しょっぱいものが好きだよ?」


いや、なんで最後疑問形?っていうかこいつの紹介こいつに先こされた。こいつは橙羅風雅。名前書くのが大変そうでそこら辺は哀れむ。アタシ優シイ♪二重人…橙羅風雅サマはグッと顔を近づけたその顔をまた更にグッと近づけた。


「それで…君はなんでここに来たの?」


この一言で思い出した。このとしょかん、こいつの家だった。

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