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ギャンブル後編

あれから勝負は粛々と進んでいき、休憩を入れることとなった。ちなみに成績的なものを見てみると一位はスーツの男、二位が私、三位がドレスの女性。

『結局ゲームは進んだけど悪魔はつかめずか・・・このままだともっと犠牲者が出てしまいますね。何とかしないと・・・』

「なぁ、俺と変われ。」

「え?」

「俺と変われ。選手交代だ。」

「・・・わかりました。」

一瞬、眩しい光が起きるとそこには一人の少女が立っている。真っ白なワンピースに真っ黒な身の丈ほどの鎌、腰まで伸びた白い髪。

「鎌はまだいいな。」

鎌はだんだん色をなくし消えた。

「ゲーム再開の時間となりました。各プレーヤーは席にどうぞ。」

「あら?さっきの棒やは何処に?」と女が聞く。

「俺が代理だ。文句はないだろ?」

「まぁ、構わないですよ。さぁ、カードを配ってください。」とスーツの男が言った。

そして、ゲームは進み

「レイズ5000」と男が言った。

「降りる。」と俺は言った。

「レイズ8000」と女が言った。

「ほう・・・ずいぶんと勝負手のようだ・・・よろしい。コール。」

そして、次のカードが配られる。これで五枚。男は表で3カード。可能性はフルハウスかフォーカード。一方、女は2ペア。可能性はフルハウスか・・・。確かにいい勝負だ。

「じゃあ、全額で勝負よ。」と女がコインを積む。

「よろしい、ショーダウン。」

男は3カード。女は

「ふふふ・・・私の勝ちね。フルハウス。」

「な!ぐ!」

男は倒れた。魂が持ってかれたか。

「いよいよサシで勝負だな。」

「いいわよお嬢さん、勝負しましょう。」

俺は目を閉じる。そして、目を開ける。蒼の瞳が輝きを増す。

「では、配ります。」

そして、カードが配られる。向こうの手札はスペードの10・J・Q・K

一方こちらはスペード4ハート4ダイア4クラブ4

「どうやらお互い勝負手のようね。でもいいの?もし私がロイヤルストレートフラッシュだったら、たとえフォーカードでも勝てないわよ。」

「ご忠告ありがとう。だが・・・レイズ。全部賭けるぜ。」

「いいわ、全額を賭けましょう。」

「では、ショーダウン。」

「人の忠告は聞くものよ、クロエ(お嬢さん)。」

女の手にはスペードのA。つまりロイヤルストレートフラッシュ。

そして俺の手元には・・・

「!?」

俺はテーブルに倒れた。

「ははは、これで今夜の勝者は私よ。さぁ、ボーナスタイムよ。新たに手に入った命、いただくわ!・・・う、嘘、だって私は・・・・勝って・・・。」

女は倒れた。

「おや?これはどういう事かな?参加者全員が倒れてしまったが・・・。まぁ、いい、どうせ人形だ。新たな命は手に入った。早速いただくとしよう。この少女を。」

そういうとディーラーはおぞましい悪魔の姿に変わった。

「やっと出てきたな。」

「え?」と悪魔が驚く。その瞬間悪魔の目の前を鎌が掠めた。

「!?」

「っち、はずしたか。」

「な!何でだ、なんで生きて・・・は!」と悪魔は驚く。

そう、俺の手元のカードを見て。

「ファイブカード。ローカルルールを採用してたからな。俺の勝ちだ。」

「じゃあ、倒れたのは演技で・・・それに、その鎌、まさか!」

「我が名はノワール。死を司る神なり。」

「っく!」

悪魔が銃の形に構えるとそこからコインが飛んできた。

「そんなの当たるかよ!」

机をひっくり返して弾を防ぐ。そのまま机へを悪魔へ向かって蹴っ飛ばした。トランプが飛び散る。そして机とともに俺も走る。そして、机ごと悪魔をたたききる。悪魔も俺を狙って腕を伸ばしてくる。かわしかたが甘くて少し頬を掠めた。そして、一枚のトランプをお互い貫いた。

「ハートのA」と悪魔が言う。

「悪いなJOKERだ。」

「この道化が!」

悪魔は真っ二つに分かれた。

「切り札は最後に使うもんだぜ。」と俺はトランプをばら撒いた。全部、道化だけどな。

『イカサマですか?』

私は死神さんと分離した。

「そうだよ。それと、お前が勘違いしていた他の客はあの悪魔が作り出した人形。つまりは死人だ。もともと命なんて無いんだよ。はじめから命なんて見えなかったからな。」

「じゃあ、はじめから殲滅すればよかったんじゃないですか?」

「いや、たまには悪魔と遊びたくなってな。」

「やれやれ、そのうち身を滅ぼしますよ。」

「そうだな、遊びはほどほどにしないとな。な、そこで見ているオーナーさん。」

柱の影にはこのカジノのオーナーが居た。

「・・・」

「この人が依頼主ですか?」

「あぁ、まさかこんな子供が死神だとは思いませんでしたが。」

「大方、カジノの経営が危うくなって悪魔に力を借りたんでしょうね。お金と人の命を引き換えにして。」

「えぇ。それが、こんな結果に・・・」

「それで、手に負えなくなって私達に依頼を・・・身勝手な事ですね。」

「ところで・・・お前はまだ生きていたいか?」

「え?えぇ。」

「なら、そこをどいたほうがいい。今すぐに。」

「え?」

「失礼!はぁぁぁぁ!」

私はオーナーを全力で蹴飛ばした。オーナーは不意をつかれて盛大に吹っ飛んでいく。そして、上からシャンデリアが降ってきた。ちょうどオーナーが居た位置だ。先ほどの戦闘で鎖が限界を迎えたらしい。

「貴方はどんな形であれ人を殺したことには代わりが無い。ここで死ぬなんて許しません。生きて罪を償いなさい。」

私は背を向けて出口へ歩いていく。

「救われたな・・・。」


こうして僕らは悪魔を退治して店を後にした。そのが店のオーナーは裏カジノなどの摘発を受けて監獄へ。今も罪滅ぼしをしているという。


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