ギャンブル前編
賭け事は身を滅ぼすかもしれません。ほどほどに楽しみましょう
みなさん、賭け事は好きですか?まぁ、失うものもあれば得るものがある。リスクが高くなければ多くは得られない、それがギャンブルだそうです。そして、勝者がいるのは敗者がいるからです。そして、それによって身を滅ぼす事もある。
そして、今回はそんなギャンブルのお話です。
「やっぱり、大きな街なだけあってすごく賑やかですね。」
「そうだな。私は騒がしいのは苦手だ。」
「へぇ、死神さんにも苦手なものがあるんですね。」
「ふん・・・」
「さて、今回の依頼は・・・おや、匿名ですね。なるほど、カジノですか・・・」
「カジノか・・・色々な意味で死者が出る場所だな。」
「とにかくカジノに行ってみましょう。」
カジノに着くとすさまじくにぎわっていた。ちなみに依頼内容をまとめると
この町にあるカジノの裏で巨額の額が取引され負けたものは命を奪われるらしい。そして、その命を奪うのが悪魔らしい。報酬はその場にあるお金で支払います。
とにかくよくわからないのでカジノに行ってみた結果
『なんで、普通に入れるんでしょうか?』
「何を悩んでいるんだ?」
「いえ、もっと入るのに苦労するかと思ったんですが・・・」
「なるほど、あっさり入れて拍子抜けというわけか。もっと悶着あったほうがよかったのか?」
「いえ、苦労が無いに越したことは無いのですが・・・ここまで簡単だと後が怖くて。」
まぁ、簡単に言うと裏カジノに入れてほしいといったら簡単に入れたわけです。
「そういえば、お客様、遊ばれる資金は十分ですか?もし、心もとないようでしたらお貸しいたしますが。」と案内人がいってきた。
「そうだな、貸してもらおうか。」と死神さんがいう。そういえばこの人には死神さんがみえてるんだ。まぁ、これだけ人の多い場所だし、信じてる人も多いのかもしれない。
「わかりました。では、これをお貸しします。」
そういってお金が入ったトランクを渡された。
『こんな大金を簡単に貸すなんて・・・。成る程、大体読めてきた。』
そして、中に入ると盛大にゲームが行われていた・・・あれ?そんなこともなくテーブルが中央にテーブルが一つ置いてありそこにディーラーと三人の客が座っていた。
「あぁ、どうやら頭数が揃ったみたいだね。」と上等なスーツを着た男が言う。
「ほら、そんなところに立っていないでこちらに来てゲームをしようじゃないか。」と小太りの男が言う。
「ボーイさんもういっぱいお酒、いただけるかしら?」と赤いドレスを着た女性が言った。
『この中に悪魔が?あれ?死神さん?』
見回すと死神さんが居ない。
『騒ぐな、私はお前の中だ。今回の悪魔は狡猾らしい。まったく気配がしない。ボロを出すまでお前の中に居るぞ。』
「お客様、どうぞお席へ。」
「あ、はい。」
席に着くと小太りな男が
「ずいぶんと若いようだが賭け事は始めてかい?」
「え、えぇ。」
「きっと、親切なディーラーさんが教えてくれるよ」とスーツの男が言う。
「ここで行われるゲームはファイブスタッドというものです。簡単に言えば一枚裏向きで後四枚が表向きで晒され交換ができないポーカーです。詳しくはこれを参照してください。」と一枚の紙を渡された。紙にはこう書いてあった
全員が参加費を支払います。
次に、カードが配られます(裏向きで1枚、表向きで1枚の、計2枚)。
この段階で最初のベットラウンドがあります。
表のカードの内、一番低いカード(数字が同じならスートも見ます。スペード>ハート>ダイヤ>クラブ)をもって居る人が、ベット(賭け金を賭ける)を行います。これは強制です。
次に左隣の人から順にレイズ(賭け金を上げる)コール(同じ賭け金を賭ける)フォールド(ゲームから降りる)のどれかを順番に行い、場に居るプレイヤーのベット額が同額になるまで続けます。
フォールドを選んだ場合は、そのゲームから降りる事になるので、次のゲームまで参加する事は出来ません。
ベットラウンドが終われば、全員に表向きのカードが1枚配られます。
今度は場にあるカードの内一番強いカードを持っている人からベットラウンドを始めます。
この時、その人は強制ベットではなく、「チェック(賭けずに様子見/0を賭ける)」と言う事も出来ます。(もちろんベットも可)
なお、そのラウンド中、自分より前の人が全員チェックなら自分もチェックを選択出来ます。全員チェックしたらラウンド終了です。同じ事を、手札が5枚になるまで繰り返します。5枚になった後のベットラウンドが終了すれば、手札を見せ合い、一番強い役の人が勝利となる。
「なるほど、理解、把握しました。」
「飲み込みが早いのね坊や。」と赤いドレスの女性が言ってきた。
「ありがとうございます。」
そして、ゲームが始まったわけなのですが・・・
「ストレート」とスーツの男が言った。
「申し訳ないがフルハウスだ。」と小太りの男が言った。
「な!」
「君は2ペアと予想したようだが残念だったね。」
「ま、まだゲームは始まったばかりです。月は後から高さを増すものですよ。」
「そのあがる月が欠けていては・・・ね。」と小太りの男が皮肉る。
そして、僕はというと勝っても負けてもいないような微妙な位置に居ます。
そして、ゲームは進み一人が飛びそうな事態になってきた。ちなみに飛びそうなのは小太りの男。
「レイズ。」とスーツの男が言う。その金額は小太りの男が支払えない金額。
「っく!勝負手なのにコールできぬとは・・・」
「なら、こういうのはいかがですか?持ち金を全てかける。そして、足りない分は勝った時に支払うということで。負けたときは・・・まぁ、それは負けた時に。」
「よかろう。では全部賭けよう。」
「では拝見。」
「フルハウスじゃ」と老人は自信満載の顔で手札を見せた。
「ふふふ・・・フォーカードです。私の勝ちですね。」とスーツの男は言った。
「成る程、月が欠けていたのは私のほうだったようだ。」と言って老人は席を立った。
『命が・・・消えた。』と死神さんが言った。
「え?」
そして、その瞬間に倒れた。
「どうやら一人目の犠牲者がでたようね。」と女性が言った。
「犠牲者?」と僕が聞いた。
「あら?聞いてなかったの?此処での負けは死を意味するの。つまり、そのチップはアナタの命なのよ。」と女性が言った。
「・・・成る程。それが、裏カジノということですか。」
「あら?死ぬのが怖くないの?」と女性が言う。
「ずいぶんと強気なのか?それとも震えてるのか?」
「まぁ、いいじゃないですかゲームを続けましょうよ。」
『死神さん?悪魔の所在は?』
『だめ、巧妙ねチップが確かに命の代わりになってるわ。これじゃあ、誰が悪魔なのかわからない・・・』
『つまり、最後まで戦うしかないんですね。』
次回に続く